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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
空手大会編
361/438

351.マトリョーシカ三姉妹の実力

『おや、ソレを捕まえてくれたのですね。

 助かりました』


 振り返ると、そいつは、

 マトリョーシカ三姉妹を引率していた、白いコートの男だった。



『【言語習得】スキルの【自動習得】効果が発動しました。

 レベル5の【ロシア語】を習得しました』

 お、久しぶりのアナウンスだ。

 なにげに【自動習得】効果が発動したのは、今回が初めてだ。


 って、こいつ、ロシア人か……。

 アヤが、一緒にいた女の子に対して『マトリョーシカ三姉妹』ってあだ名を付けていたけど、

 あながち間違っていなかったんだな。



『こいつは、あなたのペットなんですか?』


 俺は捕まえた白いネズミを、白いコートの男に差し出す。



『おや、ロシア語が話せるんですね。これはありがたい。

 そのネズミは、ペットというわけではありませんが、

 私が飼っているものです』

『はぁ』

 なんか引っかかる言い回しだな。


『では、この檻に入れてください』

 男が持っていた檻に、捕まえたネズミを入れてあげた。


『では、しつれい』

 男は、ネズミを入れた檻の蓋を閉めると、

 礼も言わずに立ち去ろうとする。


『ちょっと待ってください!』

 俺は男を呼び止めた。


『なんですか?』


『その、なんというか……、

 そのネズミ……普通のネズミとちょっと違いますよね?』


 俺がそういうと、男は少し驚いた表情を見せた。


『ほほう。あなたは、なぜそう思うのですか?』


『なんとなく……、

 何か変な力を持っているような感じがしただけです』


 魔力とかの話をするわけにはいかないので、

 オカルトっぽい話になってしまった。



 しかし、男は嬉しそうに語りだした。


『当たらずとも遠からずというところでしょうか。

 まだ途中なので、なんとも言えませんが……、

 まあ、近いうちに成果は出せると確信はしているんですけどね』


 なんかよくわからん話だな……。


 男は、ニヤリと気持ち悪い笑顔を見せた。




 その時、会場の方から、歓声があがった。


ワーーーー!!


 何か動きがあったのかな?


 俺は、白いコートの男とわかれて、観客席へ戻った。


----------


「エレナ、試合の状況は?」

「セイジ様、おかえりなさい。

 先ほど舞衣様の試合が終わりまして、

 ちょうど、きみよちゃんの試合が始まるところです」


 なるほど、さっきの歓声は舞衣さんの試合か。



 そして、会場を見てみると、

 きみよちゃんの対戦相手は、マトリョーシカ三姉妹の一番小さい子、

 名前は『イリーナ』というらしい。


「始め!」


 試合が開始されると、

 案の定きみよちゃんがガードしつつ相手の出方をうかがう展開になった。


 しかし、対戦相手のイリーナ、

 きみよちゃんより背が低く、体も小さい。

 舞衣さんがいなければ大会で一番小さい選手だったかもしれない。


 そして、その体の小ささのせいで、

 攻撃が弱い。


 技のキレはそれなりにあるものの、一発一発の攻撃が軽すぎて、かんたんにガードできてしまう感じだ。


 きみよちゃんは、ガードしながらもスキを見つけて反撃を開始し始めた。


 だんだん、攻守が逆転していく……。

 このままいくと、きみよちゃんが勝てそうだな~。




 そう思った時、

 イリーナは、いきなり後ろに下がり、

 何かに集中しているようなポーズをとった。


 何しているんだ?



 次の瞬間!

 イリーナの目の色が!

 燃えるような真っ赤な色に変化した!!


 そして、怒り狂ったかのように、きみよちゃんに襲いかかる。


ガッ!!


 きみよちゃんは、なんとか攻撃をガードしたが、

 そのまま少し吹き飛ばされてしまった。



 どういうことだ!?

 さっきまでとまるで違う、

 急に攻撃の威力が強くなったのか??


 おかしい、

 まるで魔法・・を使っているような……。


 まさか……。



 俺はイリーナを【鑑定】してみた。


┌─<ステータス>─

│名前:イリーナ 年齢:14

│職業:被験者

│レベル:3

│HP:208

│MP:34

│力:23 耐久:18

│技:23 魔力:3

│スキル

│ 肉体強化1

│ 体術3

└─────────


「ふぁ!!?」

 なんじゃこりゃーーーー!!


 突っ込みどころが満載だ。


 まず『被験者』って、なんだ!


 なんでMPと魔力があるんだ!?

 そして、【肉体強化】の魔法なんて、なんで使えるんだ!!!?



 『被験者』……。

 つまり、何らかの実験を受けているのだろう。


 何の実験?

 魔法に関することなのか?


 まあ、当人たちは、魔法とは知らずに実験している可能性もある。


 ロシアで、こんなことが行われていたなんて……。




 鑑定結果に唖然としているうちに、

 試合の方に動きがあった。


ドスン!


 イリーナの蹴りが、きみよちゃんのガードの上から炸裂する。


 そして、きみよちゃんは、

 また、吹き飛ばされてしまった。



「うぐぐ……」


 きみよちゃんは、ガードした左腕を抱えるようにその場でうずくまり、動けないでいる。



「セ、セイジ様!」

 エレナは、飛び出していって回復魔法で治してあげたいのだろう。


 しかし、スポーツでケガをすることはよくあることだ。

 今は見守るしかない。


「エレナ、まだ試合中だ」

「は、はい……」



 会場では、大会ドクターが出てきて、きみよちゃんを診察している。



 そして、競技続行不能と診断されてしまった。


 きみよちゃんは、すべての攻撃をガード出来ていたにもかかわらず、

 けっきょく、負けてしまった……。




 俺たちは、急いで人けのない場所に移動して、

 【透明化】の魔法と【透明化の魔石】で、姿を消し、

 3人で、きみよちゃんの運び込まれた医務室に【瞬間移動】した。


ご感想お待ちしております。

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