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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ブータン編
342/438

332.村防衛戦


 1万人の山賊は、5部隊に分かれて別々の村に向かっている。

 村を守る側の人数は、おそらく各村とも100人程度なのだろう。

 どうやっても太刀打ちできない戦力差だ。


「あいつらに頼むしかないか……」


 俺は気合を入れて、連続で魔法を使用した。


「【風精霊召喚】、【雷精霊召喚】、【水精霊召喚】、【氷精霊召喚】、【土精霊召喚】、【闇精霊召喚】、【火精霊召喚】、【オラクル召喚】!」


 トキ以外の契約している精霊をすべて呼び出した。


「うっ……」


 やばい、MP使いすぎた。召喚だけで最大MPの半分ぐらい消費してしまった。


「わー、久しぶり~」


 呼びだされた精霊たちは、同窓会のような感じで、はしゃぎまくっていた。


「セイジさん、大丈夫ですか?」

 闇の精霊が、俺を気遣ってよってきた。


「大丈夫だ、魔力を一気に使いすぎただけだ」


「ほんと、無茶をするね~」

 オラクルちゃんも俺のことを心配して寄ってきた。



「それで? 私たちを召喚してなにをするつもり?

 アイドルグループでも結成するの?」

 なにそれ、個性的なグループができそうだな。


 おっと、そんなに、ゆっくりもしていられないんだった。



「おーい、みんな話を聞いてくれ。

 この付近の村が、大規模な山賊に襲撃されそうになっている。

 みんなの力を貸してくれ」


「お~なんか面白そうだな」

 雷精霊さん、もっとまじめにおねがいしますよ。


「セイジさんのためなら、私なんでもお手伝いします」

 ん? 闇精霊さん、今なんでも…って、まあいいか。


 他の精霊も、手伝ってくれるそうだ。



「まずは情報収集ね」

 オラクルちゃんが、情報精霊らしい提案をする。


「よし、【追跡用ビーコン】を各村に飛ばしてくる」

 俺は、グーグレマップの情報を元に、この近辺の村に【追跡用ビーコン】を1つずつ置いてまわった。

----------


 ブータンの森の奥深く、8人の精霊と1人の忍者が、作戦会議を開いていた。


 5部隊に分かれた山賊たちの状況だが、

 各部隊の人数は5等分ではなく、

 1000人、2000人、4000人、2000人、1000人と、中央の部隊が一番多く、両端の部隊が少ない。

 凸レンズの様な陣形だ。


「よし、それじゃあ、こちらも5つに分かれて戦うぞ。

 一番西の村から順番に――、

 第1班、火精霊。

 第2班、土精霊と闇精霊。

 第3班、雷精霊、オラクルちゃん、俺。

 第4班、水精霊と氷精霊。

 第5班、風精霊。

 この分担で行く、

 村の人たちを守ることが最優先だ。

 みんな頑張ってくれ」

「「おー!」」


 それぞれの場所にみんなを送り届けて、準備万端だ。


「ねえねえ、私はなにをしたらいいの?」

「オラクルちゃんは、俺の代わりに【追跡用ビーコン】の様子を見て、戦況を分析しておいてくれ。

 もし、どこかやばそうな状況になったら、すぐに知らせてくれ」

「はーい」


 オラクルちゃんとの打ち合わせが終わったと同時に、

 山賊たちが、各村への攻撃を開始した。


----------

「この村は、あたしが守るーーー!!」


 火精霊は、暑苦しく山賊たちに殴りかかっていた。


 おい! 火精霊、殴るのかよ!


 山賊たちには、精霊は見えていない。

 見えない何者かに急に殴られ、

 訳の分からない状況に、山賊たちは混乱していた。


----------

「ひぃ!」

「ちょっと、オレの後ろに隠れるなよ」

「だ、だって…」


 闇精霊は随分怖がりだな。

 対照的に土精霊は、どっしり構えている。



「こ、こないで…」

 闇精霊から、黒い霧が発生すると、

 山賊が次から次へと、へたり込み、眠り込んでしまった。



「ほう、やるじゃないか。じゃあオレも!」


ゴゴゴゴ!


 大きな地鳴りが鳴り響くと、山賊の足元に地割れが発生し、

 何人かが飲み込まれていった。


----------

「ちょっと、そんなに引っ付かないでください」

「あらあら、いいじゃない~」


 氷精霊と水精霊は、なにをやっているんだ?


「邪魔しないでください。

 早く山賊を退治しないと!」

 氷精霊は、猛吹雪を巻き起こした。


「あらあら~、私も混ぜてくださいな」

 水精霊も大雨を巻き起こしたが、

 吹雪と雨が交じり合って、(みぞれ)になっていた。


「くっ、私の氷が……」

「あらあら~」


 しかし、激しい(みぞれ)は、山賊たちの体温を急激に奪い取り、

 壊滅的な被害を及ぼしていた。


----------

「あなたたち、匂いますわよ!」


 風精霊は、鼻をつまみながら、

 竜巻を巻き起こして、山賊たちを吹き飛ばしていた。


「森の木々の香りが、あなた達の臭さで台無しです。

 しっしっ!」


 今度は突風が発生し、

 山賊たちは、花火のように打ち上げられていた。


----------


 他の村は、大丈夫そうだな。

 さて、そろそろ、こっちの戦いに集中しないと。



「セイジ~、山賊の本隊が動き出しそうだよ~」

「おう」


 全体が見える位置に移動すると、

 山賊たちと村人たちが、にらみ合いをしていた。


「いっちょ派手にやるかな」

 俺が動こうとしたちょうどその時!



「止まれ!」


 村長が山賊たちに話しかけ始めた。


 なにやっているんだ! 危ないぞ!!


「この村は、お前たちを歓迎しない。

 そっこく、立ち去れ」


 村長は、おっかなびっくり叫んだ。


 しかし、山賊たちは村長を見て笑っていやがる。


『なんだ、あの老いぼれは』

『なに言っているかわからんが、バカなんじゃないか?』

『それより、金目かねめの物がたくさんあるといいな』

『女は、いないのか?』

『いたとしても、早い者勝ちだぞ』

『俺様が一番乗りしてやる』


 聞くに堪えない。



 山賊たちは、速度を上げて村に襲いかかった。



 その時!!



バリバリッ!



 山賊と村人のちょうど真ん中に、雷が落ち。

 山賊たちの足が止まる。


 そして、雷が落ちた場所に、一人の男が立っていた。



「忍者マン、只今参上!!」


ご感想お待ちしております。

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