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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ブータン編
338/438

328.ブータン


 昨日まで異世界で冒険をしていたというのに、

 今日から、いきなり海外出張だ。


 出張先は、『ブータン』。

 【ヌルポ石】の関係でトラブルがあったらしく、

 ナンシーママと行くことになった。


 まあ、名目上は『ブータンの宝石採掘所の在庫管理システムのため』ということになっているが、

 実質、通訳として働かされるに決まっている。


 まあ、そこら辺は諦めて、

 ブータン観光でもしてこようかな。


 出張の準備はあまりしてなかったけど、

 申請とかの処理はナンシーママがやってくれたし、

 荷物なんかはインベントリに、なんでも入れて持ち歩いているので、

 俺が用意したのはダミーのスーツケースだけだ。


----------


 朝の5時、家を出発するとき、

 アヤとヒルダは、まだ寝ていたが、

 エレナは、眠い目をこすりながら起きてきて『いってらっしゃい』を言ってくれた。

 いい娘やね~。



 ナンシーママと待ち合わせていた空港につくと、

 もう一人、別の女性もいた。


「セイジ、おそいわよ」

「約束の時間通りじゃないですか。

 それより、そちらの女性は?」


「わたくしは、今回秘書として同行させていただくことになりました、『リリィ・スミス』といいます。

 お見知り置きを」


 リリィさんは、俺に握手を求めてきた。



 『秘書』ね~。

 背が高く、目つきが鋭い、そしてスキがない。

 どう見ても、秘書って感じじゃないんだよね~。


 某なんちゃら機動隊の少佐とか、格ゲーのキャラとか、そんな感じの雰囲気なんだよね~。


 鑑定してみると『外交保安局』の人らしい。


 ジュエリーナンシーは、何度か中国マフィアに狙われてるから、ナンシーママの護衛でもするのかな?


 悪い人ではなさそうだけど……。

 そんな人が護衛につくってことは、危険な旅なのか?


~~~~~~~~~~


 ナンシーママとリリィさんと3人で飛行機に乗り、

 ブータンへ。


 最近は世界中でテロも多く、入国管理が厳しくなっていると聞いていたので、

 入国のさい、ちゃんと説明できるか心配でドキドキしていたのだが、

 俺が日本人とわかると、急に係の人の態度が良くなり「ようこそ!」と、にこやかに握手を求められた。

 心配して損した。



 ナンシーママとリリィさんは、入国に手間取っていたらしく、少し待たされてしまった。

 やっと二人と合流し、空港ロビーに出ると、

 現地の案内人が出迎えてくれた。

 その人がブータンで使用できるSIMカードを用意してくれていたので、自分のスマフォにそれをさす。

 スマフォが使えるようになって一安心。



 その日は空港近くのホテルで一泊。

 ディナーでブータン料理を食べたけど、死ぬほど(から)かった。

 どんだけ唐辛子が入っているんだよ!!



~~~~~~~~~~~


 翌日、車で移動して、

 【ヌルポ石】が取れるという村に到着した。


 そこは、山の中腹にできた集落で、

 伝統的な家が、まばらに点在していた。



 俺たちは、まず村長さんのところへ挨拶に行った。


『ようこそいらっしゃいました』


 村長さんは、黒髪で和服っぽい民族衣装を着ているので、日本人かと思ってしまった。


「セイジ、通訳よろしく」


 やっぱり通訳をやらされるのね……。


『こんにちは、俺は通訳をやらされて(・・・・・)いる丸山誠司です。よろしくお願いします』

『なんと! 日本人の方でしたか!』


 俺が日本人だとわかると、村長さんは急に態度が変わった。

 よほど日本好きなんだろうな~、

 とか思っていたら……。


『ニシオカ殿には大変お世話になりました』


 西岡さん?

 だれそれ?


 そこから村長さんのニシオカさん話が30分ほど続いた。

 だから、西岡さんってだれだよ?



「セイジ、ちゃんと通訳しなさいよ!」


 ナンシーママは意味がわからず、プンプン怒り気味だ。


「いや、村長さんが、ニシオカさんの話を始めちゃって……、

 その話、通訳します?」

「ニシオカって、だれ?」

「さあ……」



『ところで、何の話じゃったですかな?』


 やっと村長さんのニシオカさん話が終わった。


「ママさん、村長さんの話、終わったみたいです。

 何の話をすればいいんですか?」



 しばらく、ママさんと村長さんの通訳をしていたのだが……。

 どうやら、【ヌルポ石】の採掘現場になっている洞窟が、山賊に占拠されてしまった、ということらしい。


 しかも、この山賊、

 かなりの武器で武装していて、ブータンの警察でも手が負えないとのこと、

 それによって【ヌルポ石】の採掘ができず、

 約束していた量の確保ができないということらしい。



「困ります!

 なんとか予定通りに用意してもらわないと!

 やっとヌルポ石の加工にも目処が立って、日本の町工場に手付金も払ってしまっているんですよ!」


『そんな事を言われましても、こんな小さな村の警察ではまるで歯が立ちませんで……』


 武装した山賊か……。


 俺は完全な部外者だけど、

 やっぱり俺の出番なんじゃないのか?


 しかし、外国であまり勝手な動きをするのもダメだよな……。

 さてどうするか。



 通訳をしながら、そんなことを考えていると、

 部屋のドアが勢い良く開き、一人の美少女が飛び込んできた。


『ニマ、お客様がいらっしゃるのに失礼だぞ』


 ニマちゃんというのか、

 歳は高校生くらいだろうか、黒髪のかわいい娘だ。


 だいぶ急いで来たのだろう。

 その娘は、呼吸が乱れて話ができないでいた。



 呼吸を整えて、やっとニマちゃんが発した言葉は……。


『が、学校が…… 山賊に襲われました』

『『なにーーー!!』』


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― 新着の感想 ―
[一言] 基本ブータン人はUNは信用してませんよ! だからアメリカも中国も信じませんよ! だからUNと敵対し戦った日本は信じてるよ? 中国はUNと野合したアジアの裏切者だから 警戒してるよ? 朝鮮もア…
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