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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
魔法少女オラクルちゃん編
322/438

312.瞬間移動の魔石

 翌日の日曜日、俺達4人は、

 昨日に引き続き手分けして森を探索していた。



 しかし、ここまで見つからないとは、

 この森、けっこう広かったんだな。


 もしかしたら探索している方角がずれているのかもしれない。



 しばらくすると、アヤがハンカチを振っているのが【追跡用ビーコン】の映像で見えた。

 俺はすぐさまアヤの所へ【瞬間移動】で駆けつける。



「アヤ、どうした?」

「兄ちゃん見て」


 アヤの周りには、オークが10匹近く死んでいた。

 なんだかオークを久しぶりに見た気がする。


「こいつら、アヤが倒したのか?」

「ううん、違う。

 もとから死んでた」


 よく分からんが、オーク10匹を倒す様な何かがいるということか。


「なんか危なそうだから、手分けするのはもう止めておこう。

 エレナとヒルダを迎えに行こう」

「うん」


 俺はアヤの手を取って、二人を迎えに行った。


----------


「セイジ様、これからは一緒に行動するのですか?」

「ああ、北に進むにつれて、魔物が強くなってきているし、

 用心のためだ」

「はい」


「それじゃあ、みんなで出発!」



 一緒に行動するということは、速度を一番遅い人に合わせる必要が出てくる。


 4人の中で一番足が遅いのは、ヒルダ、

 なのだが‥‥。


 思ったよりヒルダの速度が速い。

 どういう訳だろう?


 ヒルダを鑑定してみると、

 ヒルダの【肉体強化】魔法のレベルが2から3に上昇していた。

 おそらく昨日今日と森のなかを走り回ったおかげで、【肉体強化】魔法のレベルが上昇したのだろう。


 それにヒルダは、一生懸命に俺達に追いつこうと、全ての魔法を駆使して、努力をおこたらない。



 俺達は、それなりの速度で森の探索を進めた。


----------


 しばらく探索を進めている途中、


「みんなストップ!」

「どうしたの兄ちゃん、なにかいた?」

「ああ」


 反応のある方へ、こっそりと近づくと、

 そこで二種類の魔物同士が戦っていた。


 『普通のオーク』と『黒オーク』だ。


 どうやら普通のオークの拠点に黒オークが襲いかかっている状況らしい。


「兄ちゃん、どうする?

 やっつける?」

「探索が遅れるけど……

 ほっとけばどこかで人が襲われる可能性もあるし、

 やっつけるか」


 白と黒のオークたちは、

 戦いの途中で、横から襲撃を受け、

 赤子の手をひねるように、あっけなく全滅した。


「あれ?

 オークってこんなに弱かったっけ?」

「俺達が強くなったんだよ、

 日の出の塔攻略で、だいぶレベルがあがったからな~」


 倒したオークたちをインベントリにしまいつつ、

 俺達はさらに北を目指した。




「うーむ、ここらへんは黒オークばっかりだな」


 北に進むと、何度も黒オークと遭遇した。


 結局、日没までに100匹近い黒オークを倒したが、

 目的の悪魔族の街は見つからなかった。


 黒オークがこの辺を平気な顔をしてうろついているということは、

 悪魔族の街は別の所にあるのだろう。



 捜索の範囲を広げるため、【追跡用ビーコン】を放射状に森の探索に出発させ、

 俺達は帰宅することにした。




「兄ちゃん、帰宅用の【瞬間移動の魔石】を使ってみていい?」

「ああ、試してみるか」


 なにげに他の人が【瞬間移動】を使うところを見るのは始めてだ。



「兄ちゃん行くよ!」


 アヤは、【瞬間移動の魔石】を握りしめ、魔力を込めた。


 ……。


「あれ?

 動かないよ?」

「なんでだ?」

「兄ちゃん、

 これ不良品じゃん!」


 どうしてだ?

 なぜ動かない?



「試しにエレナ、やってみてくれないか?」

「はい!」


 エレナが【瞬間移動の魔石】を握りしめ、

 魔力を込めると……。


シュッ!


 風の音とともに、エレナは消え去った。



 【追跡用ビーコン】の映像を確認してみると、

 エレナはちゃんと自宅に戻っていた。



「エレナはちゃんと使えたみたいだ。

 次、ヒルダやってみて」

「はい」


シュッ!


 ヒルダも使えた。



 しかし!

 【追跡用ビーコン】の映像を確認してみると、

 ヒルダが瞬間移動した先の自宅で、座り込んでしまっていた。



「ヒルダの様子が変だ、

 アヤ、すぐ戻るぞ」

「うん」


 アヤを連れて自宅に戻ると、

 座り込んでしまったヒルダを、エレナが介抱していた。


「ヒルダ、どうした!?」

「ま、魔力を、だいぶ使っちゃったみたいです」


 なに!?

 ヒルダを【鑑定】してみると――。


 ヒルダのMPが、ほぼ空になっていた。



「ヒルダ、早く飴を舐めるんだ」

「は、はい」


 ヒルダは飴を舐めてMPを回復し、

 なんとか体調が元に戻った。




「ねえ、兄ちゃん、

 これってどういう事?」

「どうやら【瞬間移動の魔石】は、かなりMPを使うみたいだ」


「かなりって、どれくらい?」

「おそらく3000だろう

 ヒルダのMPが3000をちょっと超えたくらいだから、

 ヒルダでギリギリ1回、

 エレナはMPが7000あるから、2回は使える」


「じゃあ、私は?

 私のMPっていくつだっけ?」

「アヤのMPは2500くらい」


「私、使えないじゃん!」



 その後、色々と実験を行った結果――。


 地球と、異世界をまたぐ移動の場合は3000。

 世界をまたがない移動の場合は1000のMPを消費することが分かった。


 また、以前の俺と同じように、

 世界をまたぐ移動は、1日につき1回しか使えないことも分かった。



「くやしい!

 私だけ使えないなんて!」


 アヤが、じだんだを踏んでいた。


「地球にいれば、使えるだろ。

 それにMP2500だって、普通の人よりはるかに多いんだぞ?」


「私だって異世界と地球を行ったり来たりしたいもん!

 兄ちゃん、MPってどうすれば増えるの?」

「魔法のレベルを上げると増えるよ」


「魔法のレベルは、どうしたら上がるの?」

「勉強しろ」


「そ、そんな~」


ご感想お待ちしております。

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