309.新たな魔法少女?
土曜の朝、
俺達は日の出の塔59階に来ていた。
「みんなはここで待っててくれ」
「え? なんでよ」
「全体攻撃とかしてくるボスだったら、ヤバイだろ」
「う、うん」
アヤも分かってくれたみたいで、
俺は、一人で60階へ。
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「おっそーい!!
なんですぐに登ってきてくれなかったの!!!」
女子高生風のちっちゃい女の子が浮いていた。
ちっちゃいと言っても、年齢的にではなく、
大きさ的にだ。
「あなたは何者ですか?」
「何者だと思う?」
わからない……。
なぜなら、【鑑定】がきかないからだ。
【鑑定】しようとすると、魔法が失敗してしまう。
悪魔族が持っていた盾も魔法を阻害してきたが、
今回は、また違う感じだ。
【鑑定】の魔法そのものが、なぜか発動しない感じなのだ。
そして、こいつからは、何やらプレッシャーの様なものを感じる。
「【鑑定】が効かないくらいで、
おどおどしちゃって、情けないわね!」
くそう、こっちの情報が見ぬかれている。
一体なんなんだ、この子は!
「下で待ってる女の子たちも、今のあなたをみたらゲンメツしちゃうかもね」
アヤたちのことまで知っているのか!
せっかく下に残してきたのが裏目に出たか!?
「ねえ、
○○株式会社の丸山 誠司くん」
なんだと!
なぜ、そんな事まで!
「さて、お遊びはこれくらいにして……」
来るのか!?
ボス戦か!?
「クイズです!
私は誰でしょう?」
ク、クイズだと!?
まあいい、当ててやろうじゃないか。
ここまでの会話で幾つかヒントはあった。
「あなたは……
【情報魔法】の精霊ですね?」
「大正解!!
どうして分かったの?」
「この国には8つの街がある。
東西南北と斜め方向にそれぞれ1つずつだ。
東西南北には属性魔法のマナ結晶があり。
斜め方向の街の3箇所には、属性魔法以外のマナ結晶があった。
唯一、マナ結晶が確認されていないのは――。
イケブの街だけだ。
そして、俺が知っている魔法の中で、まだマナ結晶を見つけていないのは、
【情報魔法】だけ。
以上のことから、イケブの街に【情報魔法】のマナ結晶があると推測していた。
そして、イケブの街にマナ結晶があるとしたら――。
その在処は、
まだ誰も辿り着いたことのない、この『日の出の塔』の最上階しかない。
そして、そこにいた、
俺の情報を知り尽くした存在、
そんなの【情報魔法】の精霊以外ありえないだろ」
「正解、正解、大正解ーー!!
さすが私が見込んだだけあって、情報分析能力はピカイチね!」
精霊がそう言うと、
その場を包んでいたプレッシャーのようなものが、消えた。
「どう?
相手がどんな人なのかわからない事の恐ろしさ、
分かってくれた?」
「ああ、こっちの【鑑定】が効かないのに、
相手には【鑑定】されている、
そんな状態が、これほど怖いことだとは、
思っても見なかったよ」
「そうでしょ、そうでしょ~
【情報魔法】の凄さ、分かってくれた?」
「ああ」
「ああ、理解者がいるってこんなに幸せなことなのね~
この世界の人達、情報の怖さというものをあまり分かっていないのよね~
仲間の精霊達も、私の事役立たずだとか言う奴もいるのよ~」
なるほど、
俺が情報の価値を分かっているかをテストしていたのか。
SEなめんなよ!
「それでは改めて、自己紹介するね。
私は……、
『魔法少女オラクルちゃん』でーす❤」
「ウソだ!」
思わず、最速でツッコミを入れてしまった。
「ウソじゃないよ~
私は魔法を使えるし~、
少女だし~、
私の名前は『オラクル』だし!
ね?
『魔法少女オラクルちゃん』でしょ?」
なんかめんどくさい精霊だな~
「それで、その『オラクルちゃんさん』に聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「いいよ~
百合恵ちゃんの太ももの黒いアレの事でしょ?」
「さすが情報魔法の精霊、何でも知っているんだな」
「何でもは知らないわよ~」
何でもじゃなければ、どこからどこまでを知っているというのだろう?
「まあ、そんなことより、
私と【精霊契約】しましょ」
なんかちょっと抵抗があるけど、
【情報魔法】の強化もできるし、まあいいか。
オラクルちゃんさんが、俺のおでこにキスをすると……
『【情報魔法】がレベル6になりました』
というアナウンスが流れた。
やったぜ!
「後は、マナ結晶の参拝をしたいんだが、
いいかな?」
「マナ結晶はこっちよ」
オラクルちゃんさんが、スーッと飛んで壁に近づくと、
壁全体が左右に割れて、金色に輝くマナ結晶があらわになった。
「さあ、どうぞ」
うながされてマナ結晶に触れると……。
『情報魔法が最新状態に更新されました。
【警戒】が更新されました。
感知する範囲が拡大されました。
危機をもたらす相手を
自動で【鑑定】するようになりました。
【地図】が更新されました。
正確な地図であれば、
情報を取り込めるようになりました。
【鑑定】が更新されました。
魔力感知で感知されなくなりました。
読み取る情報に、罪状が追加されました。
【隠蔽】が更新されました。
魔法による追跡を遮断する様になりました。
【追跡】が更新されました。
ビーコンを遠隔操作できるようになりました。
【言語習得】が更新されました。
言語が自動習得されるようになりました。
【スキル習得度上昇】が更新されました。
上昇度が増加しました。
【オラクル召喚】が追加されました』
おおお!
なんか色々凄いぞ!
まず【地図】だ、
『正確な地図』なんて地球側にはいくらでもある。
ググレマップの情報を全部取り込むことが可能じゃないか!
次に【追跡】、
ビーコンを動かす?
ちょっとやってみたら、ドローンみたいな感じでコントロールできる。
移動速度は遅いけど、これはかなり便利!!
最後に【オラクル召喚】だ。
「オラクルちゃんさん?
【オラクル召喚】とはどんな魔法なんだ?」
「さっきから『ちゃんさん』って何よ!
ちゃんと、『オラクルちゃん』って呼ばないと教えてあげないんだから!」
めんどくさいな~
「オラクルちゃん、教えてください……」
「よーし!
じゃあ教えてあげる。
私の魔法は……
魔法を魔石に込めて、新しい魔石を作り出す魔法よ」
「おおソレは凄い」
いろんな魔石を作り放題じゃないか!
ご感想お待ちしております。




