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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ゴールド編
311/438

301.さすが忍者


「ふう」

「ただいま」


 俺は、エレナをつれて自宅に帰ってきた。



 しかし困った。

 とうとう魔法を見られてしまった。


 しかも帰りは【瞬間移動】で帰ってきちゃったし。

 教会の外には警察が押し寄せてきていて、歩いて帰ることは出来なかったんだよね~。



「セイジ様、すいません。

 人前で魔法を使ってはいけないと、おっしゃられていたのに……」

「目の前にケガで困ってる人がいたんだから、仕方ないさ」



 しかし、『ジュエリーナンシー』と『アーク・ゴールド』が仲が悪いからって、ここまでするか?


 マフィアも、なに考えてるんだろう?

 『アーク・ゴールド』に金をもらったくらいで、こんなことをするか?



 黒幕である『ゴールド』の様子を【追跡用ビーコン】で覗いてみたが……。

 誰かからの連絡を待っているようで、

 事務所で落ち着きなくウロウロしているだけだった。



 うーむ、この件、

 何か裏がありそうだな。



 そんな事を考えていると――。



 【警戒】魔法が、

 また、けたたましく『危険』を知らせてきた。


 今度は誰だ?



 こんどは、ヒルダとめぐみちゃんだった。


 二人は、セーラー服を着ていた。(えっ?)

 そして、野球部員たちに囲まれている。(えっ??)


 どうやら場所は、めぐみちゃんの通う高校みたいだ。



 どういう状況だ??



 と思ったら、

 『黒ずくめの奴ら』が小銃を持って、野球部員を取り囲んでいた。


 野球部員たちは、ヒルダとめぐみちゃんをかばおうとしているのか。



「エレナ、

 今度はヒルダが襲われているみたいだ。

 ちょっと行ってくるから、留守番を頼む」

「はい! お気をつけて」


 俺は、エレナを残し、

 忍者の格好のまま、【透明化】をかけ直し、

 ヒルダとめぐみちゃんの所へ飛んだ。


----------


「お前たち何者だ!」


 現場では、『野球部員たち』と黒ずくめの奴らが、

 野球のグラウンドで睨み合っていた。


「めぐみ、ヒルダちゃん、

 俺達の高校野球初出場の応援に来てもらったせいで、こんなことに巻き込んじゃって、ごめんな」


 野球部員たちの中で、一番先頭に立っている格好よさ気な男子があやまっている。

 おそらく、キャプテンなのだろう。


 しかし、銃を持った奴らを目の前にして、勇気があるやつだな~。



「おいお前ら、そんな玩具の銃で脅しても無駄だぞ!」


 あ、おもちゃだと思ってるのか……。



『撃て』


ババババッ!


 黒ずくめの奴らの威嚇射撃が、キャプテンの足元に炸裂する。


「うぎゃー!

 ほ、本物!?」


 キャプテンは後ずさりして、他の部員のところまで下がった。


「キャ、キャプテン、どどどど、どうする!」

「ととと、とりあえず、警察に、ででで、電話を」

「わわわ、分かった。

 ……ひゃくとうばん、って、何番だっけ?」


 他の部員たちも、銃が本物と分かってパニック気味だ。



 しかし、マフィアの奴ら、

 高校生にまで平気で銃を撃つとは……。


 なるべく姿を見られたくなかったが、そんなことも言っていられない。



 俺は、【透明化】の魔法をといて、姿を現した。



「あ、忍者!」

『あ、忍者だ!』


 両方から驚かれてしまった。



「に、忍者!?」


 めぐみちゃんも、俺の登場に驚いた様子で、

 姿を見ようと、野球部員たちを押し分けて、前に出ようとする。


「めぐみ、

 危ないから、後ろに隠れているんだ」


 キャプテンが、前に出ようとしていためぐみちゃんを押しとどめる。



「だ、だって、忍者が……」


「めぐみ、あの忍者のことを知っているのか?」

「うん、前に、私がマフィアに誘拐された時に、助けてくれた人…だと思う」


「そうか、じゃあ味方なんだな!」



 野球部員たちは、俺の登場で、すこし冷静さを取り戻した。



『あの忍者は、報告にあったやつかもしれない。

 まずアイツからやっつけるんだ』


 黒ずくめの奴らは、標的を俺に変更したようだ。

 望む所だ!


『撃て!』


 あ、マズイ、

 避けたら流れ弾が野球部員たちに当たる!


ババババッ!


 俺は、【クイック】をかけて素早く『茶帯刀』を取り出し、

 奴らの発射した弾を、

 全て、

 斬り落とした。



パラパラパラパラ……。


 真っ二つに斬られた弾丸が、俺のまわりに散らばっていた。


 まあ、単純に刀で斬っただけじゃなく、【土の魔法】や【バリア】も併用して、弾丸の勢いを殺したりもしたんだけどね。

 見ていた人には、全て刀で斬った様に見えただろうな。


『ば、バケモノだ!

 刀で弾を斬ったぞ!!』


「忍者すげー!!」


 黒ずくめの奴らは、恐れおののき。

 野球部員たちは、大興奮している。



 ちょっと、サービスしちゃおうかな~。



 俺は、野球部員たちからも見えるように、少し場所を移動してから、

 意味ありげに両手でそれっぽい『印』を組み。


 【火の魔法】で黒ずくめの奴らの周りに『火柱』を出現させた。


『うわ!!

 忍者の魔法だ!!』


「すげー!!!!

 忍術だーーーー!!!!」


 ちょっと野球部員たち、興奮し過ぎだぞ!



 あ、


 騒ぎを聞きつけたのか、

 学校の先生が、少し離れた場所で、慌ててどこかに電話をかけているのが見える。


 そろそろ潮時かな。



 俺は、さっきよりさらに、難しそうな『印』を組んで、


『ヤバイ、また、忍者魔法が来るぞ!』


「忍者、がんばれー!!」


 逃げようとしていた黒ずくめの奴らに、


バリバリバリバリ!!


 特大の電撃を食らわせた。


 まあ、見た目が派手なだけで、

 電圧は下げてあるから、死にはしないだろうけど。



 激しい電撃(見た目だけ)が止むと、

 黒ずくめの奴らは、

 感電して、全員倒れていた。



「やったー!!

 忍者強い!!」


 野球部員たちが大喜びしている間に、


 俺は、姿を消した。



「忍者が消えた!!」

「カッコいい!!」


 まあ、野球部員たちの称賛はほっておいて、

 ヒルダを回収しないとマズイな。



 俺は少し離れた位置に移動し、

 ヒルダに電話をかけた。


「ヒルダ、ケガはないか?」

「あ、セイジお兄ちゃん、

 大丈夫です。ケガはないです」


「ヒルダ、よく聞いてくれ、

 その場に居るとマズイから、

 なんとか、その場から離れるんだ」

「はい、わかりました!」


 さて、なんとかなるか?



「ヒルダ今の電話、丸山から?」

「ええ、そうです。

 ここにいると良くないから、離れなさいって」


「もしかして、丸山は今起きた事件のことを知ってたの?」

「えーっと……」


「これから警察が来るだろうけど、

 それがヒルダにとって良くないってこと?」

「……」


 うーむ、めぐみちゃんに色々と感づかれちゃったかな?


「分かったわ、私がなんとかする」


 どうやら、めぐみちゃんは色々と察してくれたみたいだ。



「すいません、キャプテンさん。

 私たち、警察が来る前に、この場を離れたいんです」

「ん?

 そうか、めぐみはアイドルだもんな、

 揉め事は良くないか……

 分かった、俺達がなんとかする。

 みんな! めぐみはここにいなかった。 いいな!」

「「おー!!」」


 どうやら、野球部員たちもナイショにしてくれるみたいだ。



 ヒルダとめぐみちゃんは、

 野球部員に見送られて、その場を離れることに成功した。



 手をとり合って逃げるヒルダとめぐみちゃん、

 なぜか、二人とも少し楽しそうな表情をしていた。



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