293.マネージャー
バシッ!
『ひっ! 申し訳ありません』
『あいさん』は、例のゴールドに、
ムチで叩かれていた……。
何をやっているんだ、こいつらは。
『あれほど、失敗はゆるさないと言っておいたのに!』
バシッ!
『ひぃ! も、申し訳ありません!
で、ですが……。あの通訳のガードが硬くて』
通訳じゃないんだけど。
『通訳などどうでもいい!
それより、二人の子供の調査はどうなった』
『はい、そちらはバッチリです。
一人は、りんごとかいう、デザイナー。
もう一人は、めぐみという、専属モデルだそうです』
『そうかそうか、
あの二人へのアプローチは、別の者に依頼するとしよう』
『あの二人をどうなさるおつもりなのですか?』
『お前には関係ない!』
『は、はい、申し訳ありません』
これは、聞き捨てならないな。
何かしらの対処を考えないと……。
ピシッ!
『ひー』
それから『あいさん』と『ゴールド』は、
しばらくの間、
ビシバシと、変態的な事をやっていた……。
もう見るのをやめよう……。
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「どうしよう」
俺はリビングで考え込んでいた。
りんごはアヤと同じで、今週がテスト期間で来週から夏休み、
めぐみちゃんは今週から夏休みだ。
俺は仕事があるから、日中は動けない時間が多い。
そして護衛対象は、
ナンシー、りんご、めぐみちゃん、ついでにナンシーママだ。
どう考えても人手が足りない。
「セイジ様、どうかされたんですか?」
「セイジお兄ちゃん、どうしたの?」
エレナとヒルダが、考え込んでいた俺を心配して近寄ってきた。
「じつは……
ナンシーとりんごとめぐみちゃんが悪い奴らに狙われるかもしれないんだ」
「それは大変です!!」
「どうするんですか?」
「出来る限り守るつもりだけど、
仕事の時間だと、どうしても動けないことがある。
アヤもテスト中だし」
「では、私がお手伝いします」
「はい、私も手伝います」
エレナとヒルダがそう言ってくれているけど、
二人を巻き込んでしまっていいもんだろうか……。
まあ、二人は俺の次にレベルが高くて、能力的には真っ先に頼るべきなんだろうけどな。
「二人にお願いするか」
「「はい!」」
ということで、
エレナがりんごを、
ヒルダがめぐみちゃんを
ナンシーは俺が護衛することになった。
ナンシーママは、とりあえず【追跡用ビーコン】のみで何とかするしかない。
まあ、護衛対象のみんなにはナイショなんだけどね。
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翌朝、俺はエレナとヒルダを連れて、
朝からナンシーの所へやってきた。
「セイジ、おはよう。
あれ? エレナとヒルダ、どうしたの?」
「エレナとヒルダが、りんごとめぐみちゃんのお手伝いをしたいと言い出してね、
いいかな?」
「ああ、構わないよ」
そんな話をしていると、ちょうどめぐみちゃんがやって来た。
「丸山、部外者を勝手に入れて何しているの!」
「いま、ナンシーに許可をとった所だ。
めぐみちゃんは、エレナとヒルダの事はしっているよね?」
「この前のパーティーの時にあったけど、
この二人がどうしたの?」
「ヒルダ」
「はい」
ヒルダは、めぐみちゃんの前に進み出て、
お辞儀をした。
「めぐみちゃんもモデルとして活動し始めて、芸能人の仲間入りをしたから、
マネージャーくらいいたほうがいいかと思ってね。
ヒルダが、めぐみちゃんのマネージャーをしたいって言うから連れて来たんだ」
「芸能界の仲間入り! 私にマネージャー!?
……。
ま、まあ、いいわよ。
私のマネージャーをやらせてあげる。
感謝しなさい」
「はい!」
ヒルダは、素直に返事をして、
めぐみちゃんの横についた。
「お荷物をお持ちします」
「う、うん」
めぐみちゃんは、少し戸惑いながらも、嬉しそうにヒルダに荷物を手渡した。
自分にマネージャーができたことが、嬉しいらしい。
ヒルダも、前まで奴隷をやっていただけあって、マネージャーもお手のものだ。
めぐみちゃんは、ヒルダにお茶を淹れてもらってのんびりしている。
ってか、めぐみちゃん、何しに来たんだろう?
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さらにしばらくして、りんごもやって来た。
「こんにちは、あ、エレナちゃんとヒルダちゃん」
りんごにも、さっきと同じ説明をする。
「エレナちゃんが、私のマネージャーをしてくれるの!?
そんなことしてもらっていいのかな?」
「りんごだって、デザイナーとして活動し始めて、
テスト期間中だっていうのに、わざわざここに来たりしてるんだろ?
エレナも手伝いたいって言ってるし」
「はい、私もりんごさんの手伝いがしたいです」
「それじゃあ…お言葉に甘えちゃおうかな~」
「はい!」
そんなこんなで、エレナとヒルダは、二人のマネージャーとしてしばらく動くこととなった。
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「そろそろ時間だわ」
めぐみちゃんが、ソファーから立ち上がる。
「どこかに行くのか?」
「これから、ダンスレッスンなのよ」
ほう、そんなレッスンを受けてるのか。
「ヒルダも付いてくるの?」
「はい、もちろん!」
「ヒルダ、めぐみちゃんの事を頼んだぞ」
「はい、お任せ下さい」
こうして、めぐみちゃんとヒルダは、ダンスレッスンへと出て行った。
俺は、【追跡用ビーコン】で、出て行った二人の様子をしっかりチェックする。
二人は仲良く手をつないで、楽しそうに町中を歩いていた。
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