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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ゴールド編
302/438

292.個人情報保護法


 土日は、俺とエレナとヒルダで、日の出の塔攻略に行った。


 37階からは氷に閉ざされた寒いフロアが続いた。


 だいぶ敵のレベルが高くなってきて、なかなか先に進めず、土日の二日間で44階までしか行けなかった。


 3人のレベルは、俺が50→52、エレナが42→46、ヒルダが35→42に上がった。


 アヤはヒルダにレベルをすっかり抜かれてしまって、

 悔しそうにしていた。



 そして、何よりのニュースは、

 ヒルダの火の魔法が、レベル5に到達したのだ。



 ヒルダは、巨大爆発を起こす新しい魔法を覚え、


 一度使ってもらったのだが、

 それなりに強い敵集団が、一発で壊滅し、

 その衝撃波が、俺達にもズンと響いてきた。


 俺たちはその魔法を『ヒルダズン』と命名した。



 あと、帰りにマサムネさんのところによって、白帯刀を預けてきた。

 白帯刀のさらなる強化は、3日でできるそうだ。

 いつもながら仕事が速い人だ。


~~~~~~~~~~


 翌週の月曜日、

 朝からナンシーの所へ行くと、

 めぐみちゃんが、いた。


「めぐみちゃん、朝からどうしたんだ?

 学校は?」

「丸山もけっこうバカなのね。

 高校はもう夏休みよ」


 相変わらず口が悪い。

 まあ、アヤに比べたら可愛いもんだけどね。



ウウウウゥーーーー!!


 そんな会話をしていると、奥の部屋から

 けたたましいサイレンの音が聞こえてきた。


「丸山、何事なの!?」

「ああ、平気だよ」


 俺はニッコリ微笑んでめぐみちゃんを落ち着かせ、

 ゆっくり、奥の部屋に入っていった。


----------


火山ひやまあいさん、何をしているんですか?」


 奥の部屋にいたのは、慌てふためく『火山ひやまあい』だった。

 まあ、ビーコンの映像を見ていたから、

 この部屋にいて、何をしているかも知っていたんだけどね。


「セイジ、何事なの?」


 ナンシーも駆けつけてきた。


「ナ、ナンシーさん、私はなにも……」


 俺は、おどおどする『火山ひやまあい』の右手を掴み、

 手に握っていたUSBメモリーを取り上げた。


「あいさん、このUSBメモリーは何ですか?」


「そ、それは……

 あの……

 便利なアプリがあるので、このパソコンに入れようかと……」


「ダメですよ、あいさん。

 そのパソコンには、『顧客情報』が入っているんですから、

 個人情報保護法の関係から、アプリをインストールするのも、USBメモリーをさすのも禁止ですよ。

 ナンシーから聞いてないんですか?」


「す、すいません、

 忘れてました……」


 俺のにらんだ通り、あいさんは色々情報を盗むつもりなのは確定的に明らか(・・・・・・・)だな。



「ナンシーどうする?」

「まあ、誰にでもミスはあるし、

 以後気をつけてね」

「は、はい……」


 ゆるしちゃうのかよ!

 まあ、『悪気はなかった』と、しらを切られたら、今のところどうしようもないんだけどね。



「そう言えば、面接を受けた他の人達は?」

「4人共働いてくれることになったんだけど、

 火山ひやまだけ、即日で働けるっていうから、

 先に来てもらってる」

「なるほど~」



 そんな『あいさん』は、申し訳無さそうにしている。

 だが、目が怒りに満ちてる。

 あー怖い怖い。


----------


「先程は失礼しました。

 お茶です、どうぞ」


 『あいさん』は、汚名返上とばかりに、お茶をれてきてくれた。


「あ、俺はのどが渇いてないから、

 あいさん、代わりにどうぞ」

「え!? で、でも……」


「せっかくれてくれたお茶がもったいないから、

 遠慮せず、ぐいっとどうぞ」

「そ、それでは……

 い、いただきます……

 うっ……」

「う?」


「い、いえ、美味しい…です」


 あーあ、雑巾の絞り汁入のお茶、飲んじゃった。

 えんがちょ~。


 まあ、ビーコンの映像を見てるから、

 お茶に雑巾の絞り汁を入れているの、見てたし!


「ちょっと失礼します」


 『あいさん』は、飲みかけの湯のみを持ったまま出て行ってしまった。



  『うげー。

   あの野郎、絶対に許さない!!』


 『あいさん』は、トイレで吐きながら、

 雑巾の絞り汁入りのお茶を洗面台に流し、

 俺に対する怒りを露わにしていた。



 なんか俺、意地悪かな?

 でも、ぜんぶ向こうが仕掛けてきたことだし、仕方ないよね?



 けっきょく、その日は、

 『あいさん』を見張るために、一日中ナンシーのところにいた。


~~~~~~~~~~


「お先に失礼します」


 『あいさん』が帰るので、やっと俺も帰れる。


 とは言っても、『あいさん』が外で待ち伏せしているんだけどね。

 めぐみちゃんは先に帰っちゃったし、誰を狙うつもりなんだろうか。



 俺でした。



 俺が店を出ると、『あいさん』がこっそり後をつけてきやがった。


「さーて、最近運動不足だから、マラソンしながら帰るかな~」


 俺は、わざとらしい独り言をつぶやき、走り始めた。


 『あいさん』は、しばらくついてきたが、

 俺が徐々に速度を上げていくと、

 ヒーヒー言いながら、途中でパンプスが脱げてズッコケてしまい、膝を擦りむいてしまっていた。


 『くそう!! 何なのよ、アイツは!!!』


 『あいさん』は、地団駄じだんだを踏みながら、悔しそうに帰っていった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 態とらしく『あい』に聞こえるように ここから自宅のある板橋まで徒歩で何分かな? 何時災害が起きて徒歩で帰るの想定して 新しいビジネスウオーキングシューズの 慣らしをしようと態と独り言を言う!…
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