286.日の出の塔21階~
いったん家に帰って、おやつを食べてから
日の出の塔21階の攻略を再開した。
異変は、21階に向かう階段から始まっていた。
「兄ちゃん、なんか暑くない?」
階段を登るたびに、徐々に気温が上昇してきているのだ。
「あ、暑い!!」
徐々に気温が上がり始め、
階段を登っている途中で、我慢ができなくなり、一枚、また一枚と服を脱いでいったのだが……。
「これ以上は無理!!」
俺たちは暑さに負けて、大急ぎで階段を逆戻りした。
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「なんなんだ、あの暑さは! 暑すぎるぞ!
しかも、まだ階段の途中だぞ?
上の階は、どんだけ暑いんだよ」
「じゃあ、着替える必要があるね」
俺たちは、【変身魔石】で『水着』に変身し、もう一度階段を登った。
「水着でも暑いな」
俺がグチをこぼしていると、
なぜかエレナは涼しい顔をしている。
「あれ? エレナ、その服はなに?」
エレナは、水着の上から、スケスケのドレスのようなものを着ていた。
「これは、水の魔法で服を作ってみたんです」
「おお! それいいね、涼しそう!」
俺、アヤ、ヒルダは、エレナのマネをして、
水の魔法で服を作ってみた。
「じゃーん、水アーマーだ!」
俺がドヤ顔で、水の鎧を自慢していると、
アヤとヒルダも、水で体を覆っていた。
「けっこう難しいね」「はい」
二人は水の魔法がそれ程得意じゃないこともあり、
まるで透明な『きぐるみ』を着ているようだった。
「よし、ちょっと大変だけど、しばらくコレを維持したまま探索を続けるぞ」
「「はーい」」
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途中で水アーマーの水温が上昇してきて、ノボセそうになったが、
氷の魔法で水温を下げ、何とか探索を続けていた。
「セイジ様、道が塞がれています」
見てみると、道が『溶岩流』で塞がれてしまっていた。
『溶岩流』は、右から左に絶え間なく流れていて、
アレを渡るのは難しそうだ。
「地図で見る限りでは、この先が怪しいんだけど、
迂回するしか無いのか?」
「兄ちゃん、水で溶岩を冷やせない?」
「うーむ、そうだな、やってみるか!」
俺たち四人は、溶岩流に向けて【水の魔法】を使って放水し始めた。
ジューーーーー!!
ものすごい音とともに、爆発的な水蒸気が発生した。
「あちち!」
アヤは、ひとり放水を中止して、迫り来る水蒸気を【風の魔法】で吹き戻す係を買って出た。
溶岩が冷えて固まり、なんとか歩いて渡れそうな感じになった。
「よし、渡るぞ!」
「「はい」」
俺たちは、まだジンワリと温かい溶岩の上を大急ぎで渡り、何とか突破することができた。
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「ふー、暑かった!」
溶岩流を突破して、一息ついていると……。
また『溶岩』が襲ってきた。
今度の溶岩は、溶岩流ではなく、
『ゴーレム』だった。
『溶岩ゴーレム』、体が溶岩で出来ているゴーレムだそうだ。
こんなゴーレムに大事な刀を使いたくないな。
「よし、水攻撃だ!」
「「はい」」
溶岩ゴーレムは、俺たち四人の水攻撃を受け、激しい水蒸気をもうもうと発生させていた。
そして、冷えて固まり……。
ギギギギ……。
溶岩ゴーレムは動けなくなってしまった。
ゴーレムのくせに、固まったくらいで動けないとは、
軟弱だな。
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その後、階段を見つけて22階に登ると……。
『ビル火災』が起きていた。
まあ、『ビル』じゃなくて『塔』なんだけどね。
風景は21階と似た感じなのだが、
あちこちで油のようなものが燃え盛っていた。
そして、この階も熱かった。
「まだ、熱いの続くの?」
アヤも、少しげんなりしている。
しばらく進むと……。
「何だアレは!」
炎が襲ってきた。
【鑑定】してみると、『油スライム』という魔物だった。
ってか、火がついちゃってるから油スライムってより、炎スライムという感じだ。
まあ、『放水』で火を消すんだけどね。
火が消えたスライムは、簡単に倒すことができた。
やはり、弱点属性の魔法が使えると楽勝だな。
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その後、次の階への階段は見つけたのだが……。
暑いなかを進んできたこともあって疲れてしまったので、
少し時間が早いが、今日の探索は終わりにすることにした。
「あー疲れた~」
アヤは、家に帰るなり、水着姿のままでソファーに座り込んだ。
「くつろぐのは着替えてからにしろよ」
「はーい」
アヤは、疲れた様子で『どっこいしょ』と立ち上がリ、風呂場へ向かう。
俺は、そんなアヤを呼び止めた。
「そう言えばアヤ」
「なあに、兄ちゃん」
「期末テストがもうそろそろじゃないのか?」
「えーっと……来週一週間はテスト休みで、
その次の週にテストだよ」
「なに!?
じゃあ、アヤは明日のダンジョン攻略をお休みにして、勉強しないとな」
「そんな~」
「留年したら大変だぞ」
「それは…そうだけど……」
「先輩に相談して、過去問とか見せてもらえよ」
「わかったよ~
舞衣さんと百合恵さんに聞いてみる」
ずいぶん素直だな。
まあ、アヤにとっては短大での初めてのテストだしな。
その日は、早く寝て翌日に備えることにした。
ご感想お待ちしております。




