285.日の出の塔19階~
昼食をとったあと、日の出の塔の攻略を再開した。
19階は、山道が迷路っぽくなっている感じのフロアだった。
そして、遠くに鳥が数匹飛んでいるのが見える。
おそらくあいつらが、この階の敵なのだろう。
しばらく歩いて行くと、遠くで飛んでいた鳥の1匹が俺たちに気がついたらしく、近づいてきた。
【鑑定】してみると『雷鳥』だそうだ。
メールソフトかな? それとも特別天然記念物?
どうやら普通に魔物らしく、いきなり襲ってきた。
しかし、鑑定結果で気になっているのは、
こいつ、雷の魔法がレベル3だということだ。
「みんな気をつけろよ、
雷の魔法を使ってくるぞ」
「「はい」」
しかし、気をつけると言っても、
雷を撃たれてしまえば、防御することは出来ず、
確実にダメージを食らってしまう。
ここは、【攻撃予想範囲】を使って、確実によけていく必要がある。
しばらく、慎重に戦いを進めていると、
雷鳥が俺の真上の位置を取ろうとしてくる。
糞でも落とすつもりなのか??
そして、俺の頭上に【攻撃予想範囲】が表示される。
来たか!
俺は、とっさにバックステップで範囲の外へ。
そして、俺がいた場所に……。
糞ではなく、電撃が落ちてきた。
危ない危ない。
俺なら避けられるけど、他の人だと食らってしまうかもしれない。
しかし、雷鳥は、そそくさと距離をとって様子を見ている。
「アイツどうしたんだ?」
ふたたび【鑑定】してみて、理由がわかった。
あいつ、MPが少なくて、電撃を1回しか撃てないのだ。
「アヤ、あいつを撃ち落としてくれ」
「はーい」
MP切れならもう怖くはない、
アヤの【ダウンバースト】で落っこちてきた雷鳥を、白帯刀でやっつけた。
雷鳥をやっつけると、『ビリビリ魔石』が落ちていた。
まあ、たくさん持っているので必要なかったかな。
~~~~~~~~~~
20階は、天空の島だった。
雲海とかそんなちゃちなもんじゃない、
本当に、島が空中に浮いている。
「ラピュータは本当にあったんだ!」
アヤのボケはそっとしておいて、
ラピュータ観光…じゃなく、探索を再開させた。
しばらく歩いていると、道が切れていて、虹の架け橋が隣の島へ続いている。
「これを渡るのか?」
みんなを待機させて、俺は虹の橋を叩いて渡った。
「おーい、大丈夫みたいだ。
みんな渡ってこい」
渡りきったところで、みんなを呼び寄せる。
エレナとヒルダは楽しそうに虹の橋を渡っている。
まるで天使みたいだ。
アヤは、おっかなびっくり四つん這いに這いつくばって渡ってくる。
「アヤ、そんなにビビらなくても大丈夫だぞ?」
「そそそんなこと、いいったって」
さっき落ちそうになったのがトラウマになっているのだろうか?
仕方ないので、アヤのところへ迎えに行き、
お姫様だっこしてやった。
「きゃあ、兄ちゃんなにするの!」
「お前が、のろのろ渡ってるからだろ」
アヤは、俺の腕の中で、拾ってきた子猫のようにブルブル震えながら、きつく俺に抱きついてきている。
「なんだ、ずいぶん怖がりだな」
「しししかた、なないでしょ!」
俺は、アヤを抱きかかえながら虹の端をゆっくり歩いて渡った。
「なんで歩いて渡るの!
【瞬間移動】すればいいでしょ!」
「そんなMPの無駄遣いはできないよ。
それに、あんまり暴れると、落ちるぞ?」
「ヒッ!」
アヤは借りてきた猫のようにおとなしくなった。
いつもこうだと、可愛げがあるんだけどね~。
渡りきって、しばらく歩くと
後ろから急速に近づく魔物の反応が!
「後ろから魔物が近づいてくる、気をつけろ!」
「「はい」」
しかし、いっこうに魔物の姿が見えない。
「兄ちゃん、魔物はどこ?」
「うーむ、反応は上のほうなんだけど……。
ん?」
太陽の中に何かがいる。
そう、魔物は、太陽を背にして接近してきていたのだ。
そして、【攻撃予想範囲】がエレナを捉えているのが見えた。
「エレナ!」
俺は、とっさにエレナをかばい、白帯刀で敵の攻撃を防いだ。
そしてその敵は、甲高い声で一声鳴くと、再び上空へ舞い上がった。
「ひ、光ってる」
そう、形は鳥なのだが、
その体は、光に包まれているのだ。
【鑑定】してみると『光の鳥』というらしい。
どうやら、体に光の魔法をまとっているようだ。
火の鳥の光バージョンかな?
光の鳥の攻撃は、突撃のみだ。
速度は早いものの、ほぼ直線にしか突っ込んでこない。
攻撃としてはたいしたことはないのだが……。
眩しいのだ。
直視できないほど眩しくて、まともに戦えやしない。
「兄ちゃん、眩しいよう。目がチカチカする」
仕方ない、アレはあまり使いたくなかったが……。
やむを得ない。
俺は、インベントリからとあるものを取り出し、装着した。
「兄ちゃん、なにそれ!?」
だからコレは使いたくなかったんだ。
「兄ちゃんが、サングラス。似合わね~」
前に、街で見つけて思わず買ってしまったのだが、
家に帰って装着してみると……。
似合わないのだ……。
買った時はあんなにかっこいいと思ったのに。
まあ、でも、サングラスのおかげで眩しくなくなり、
突撃してきた光の鳥を、難なく白帯刀で倒す事ができた。
光の鳥は、【光の魔石】を落とした。
┌─<鑑定>────
│【光の魔石】
│煌々と光る魔石
│魔力を込めるとさらに明るくなる
│レア度:★★★★
└─────────
「お、これは初めて見た」
前に【微光の魔石】という、弱々しい光を放つ魔石を見たことはあったが、
おそらくこれは、それの上位版のようなものなのだろう。
「エレナ、この魔石はエレナが持っていてくれ」
「いいんですか?」
エレナは【光の魔石】を嬉しそうに受け取った。
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