283.日の出の塔15階
日の出の塔15階、雲海に突き出る山の頂上。
そこで急に襲ってきたのは、ジャングルに居るカラフルな鳥を巨大化させたような魔物だった。
「【バリア】!」
キィーーー!!
その巨大な鳥は俺のバリアに衝突し、急接近をやめて、大きく一声鳴くと、
俺たちのまわりを旋回を始めた。
「うわー、でっかい鳥だ~!!」
なんというアヤの小並感。
【鑑定】してみると、『風鳥』という名前だった。
そして、レベル4風の魔法を持っている。
「風鳥だって、風の魔法を使うから気をつけろよ」
「はーい」「「はい」」
ここまで弱い敵ばっかりだったが、流石にちょっと危なそうなので、
俺は、アヤたちをかばうように前に出て、風鳥の出方をうかがった。
キィーーー!!
風鳥は高々に鳴くと、空中で左右の羽根をバサバサとはためかせ、風を巻き起こし始めた。
巻き起こった風は、小さな竜巻を大量に巻き起こし、俺達の右と左それぞれから、襲いかかってくる。
左からの竜巻は、エレナが氷の壁で防ぎ。
右からの竜巻は、アヤが大きな竜巻を巻き起こして、竜巻で竜巻を相殺していた。
ヒルダがその隙に、炎を巻き起こして攻撃しようとしたが、
風鳥は、さらに竜巻を発生させ迫り来る炎にぶつけて打ち消してしまった。
「兄ちゃん、こいつ結構強いよ」
「だから気をつけろって言っただろ」
魔法では分が悪いと考えたのか、風鳥は俺達に向かって突撃してきた。
ガチッ!
俺は、白帯刀で風鳥のくちばし攻撃を受け止めた。
巨体の攻撃で、かなりの威力があるものの、
土の魔法で地面に衝撃を流しているので、
俺に受け止められて風鳥の巨体が急停止する。
風鳥は、急停止の影響で前につんのめりそうになったが、体を曲げて足を地面に着地させ、なんとか体勢を立てなおそうとしている。
そこへ、ヒルダの炎と、アヤの竜巻が襲いかかる。
ギィーーー!!
風鳥は右の翼を大きく焦がしながら悲鳴のような鳴き声を響かせ、上空へと逃げ延びた。
「けっこうしぶといな」
しかし、上空へと逃げ延びた風鳥の背中に、アヤの【ダウンバースト】が襲いかかる。
風鳥は背中にダウンバーストを食らいながらも、なんとかそこから抜け出し体勢を立て直そうとしているが、
アヤがなんどもダウンバーストを発生させるので、
とうとう、地面に不時着してしまった。
「すきあり~」
地面に落ちた風鳥めがけてアヤが突撃する。
ブスリ。
アヤお得意の、例の急所攻撃である。
ギュアーー!!
風鳥が叫び声を上げる。
そして……。
風鳥がまとっていた風の魔力が暴走した……。
「あ」
巻き起こった風に煽られ、
アヤが上空へと投げ出されてしまったのだ。
そして、アヤの下は足場がなく、雲海の雲が広がっている。
「ぎゃー、落ちる~!!」
急なことで気が動転しているのか、アヤはうまく風の魔法を使うことができていない。
そして、アヤは……。
「し、死ぬかと思った……」
まあ、俺が【瞬間移動】で助けたさ!
「あれくらい風の魔法でなんとかなっただろう」
「だって……」
「さて、この階は、あいつ以外いないみたいだし、
さっさと、次の階に行くぞ」
「に、兄ちゃん、ちょっと待って」
ん? 怪我でもしたのか?
「ちょっとだけ家に帰ってもいい?」
「家に? どうして」
「ちょっと着替えたいの」
「着替える? どうして??」
「どうしてでもいいでしょ!」
アヤのやつ、なに怒ってるんだ?
それに何かモジモジしているし……。
と、その前に
アヤに止めを刺された風鳥をインベントリに入れ、
ヒルダが拾ってきてくれた魔石を受け取った。
魔石を【鑑定】してみると、『竜巻の魔石』とかいう初めて見る魔石だった。
「お、よさ気な魔石だ」
「兄ちゃん、そんなの後でいいから……」
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俺たちは、アヤに急かされ、いったん家に帰ってきた。
そしてアヤは、そそくさとお風呂場に行ってしまった。
「アヤ、着替えるんじゃなかったのか?」
「ちょっとシャワー浴びる」
ドア越しに話しかけると、そんな返事が帰ってきた。
何だよ、アヤのやつ勝手なやつだな。
「アヤのやつが勝手にシャワー浴び始めちゃったから、ちょっと休憩にしよう」
「じゃあ、お茶を入れますね」
エレナとヒルダは、テキパキとお茶を用意してくれている。
しばらく待って、やっとアヤが戻ってきたので、日の出の塔の攻略を再開した。
しかし、けっきょく、アヤが何故急にシャワーを浴びだしたのかは謎のままだった。
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16階は、山の頂上っぽい岩場が何ヶ所か点在していて、
両側が崖になっている細くて危なっかしい道が、それらをつないでいる感じだ。
そして、またもや眼下には雲海が広がっていた。
しかし、あたり一面、夕焼けのように真っ赤に染まっている。
ん?
なんか、暑い風が吹いている。
夕焼けなのに暑い?
よく見たら、夕焼けなどではなく、
なぜか、雲海の雲が……メラメラと燃えていた……。
雲が燃えるって、どうなってるんだ、これ?
「兄ちゃん、熱いよ」
「熱いなら脱げばいいだろ」
「兄ちゃんのエッチ!」
妹が服を脱ぐくらいのことで欲情する兄がどこにいる!
しかし、エレナとヒルダが恥ずかしそうに上着を脱いでいる姿は、じっくり観察してしまった。
「兄ちゃん、あれ見て!」
「ん?
エレナとヒルダのことなら、じっくり見ているぞ?」
「違うよ! アレ!」
アヤの指差す方を見てみると、
燃え盛る雲海の中から、火の玉?がいくつも飛び出し、ふわふわ浮きながら道を塞いでいた。
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