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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ナンシー来日編
288/438

278.デザインの問題点1

 俺は、会社帰りにニッポの街の武器防具屋のドワーフ、『ガムドさん』の所へ来ていた。


 ナンシーママとりんごが作成したデザインがあまりにも奇抜だったため、銀では強度が足りず、新しい金属をガムドさんに相談しに来たのだ。


「こんにちは」

「ようセイジ、また酒を持ってきてくれたのか?」


「二言目には酒ですか……

 まあ、持ってきてますけど!」


 俺は、持ってきたアルコール度数96%のウォッカを差し出した。


「おう、いつもありがとよ」

「今回の酒は強い酒なので気をつけてくださいね」


「バカを言うんじゃねえよ!

 ドワーフにとって酒は水みたいなもんなんだよ、

 人族といっしょにするんじゃねえよ」


 ほんとうに大丈夫なんだろうか……。

 まあ、本人が大丈夫って言ってるんだからいいか。



「ところで今日来たのは、ちょっと相談したいことがあってですね」

「相談? なんだ? 武器か? 防具か?」


「いえ、金属について相談なんです」


 俺は、アクセサリに使える金属について聞いてみた。


「うーむ、それだったらミスリルがいいんじゃないか?

 銀より強度が高いし、魔力の馴染みもいいぞ~」


 地球でアクセサリとしてしか使わないから、魔力は使わないんだけどね~。


「じゃあ、そのミスリルを少し分けてもらえませんか?」

「お前さんにはいつも凄い酒をもらってるから分けてやりたいんだが……、残ってたかな?」


 ガムドさんは、奥にミスリルを取りに行ってすぐに戻ってきた。


「悪い、これしか無かった」


 ガムドさんが持ってきたのは、100円玉くらいの大きさのミスリルの切れ端だった。


「ミスリルって、どこに行ったら手に入ります?」

「この前の悪魔族との戦いで、取ってあった材料をほとんど武器や防具に変えちまったからな~

 シナガの鉱山まで行かないとどこにもないかもしれないな」


 シナガか、火と光のマナ結晶がある、ヒルダの故郷の街だけど、

 この前は素通りしちゃったんだよね。


「分かりました、今度行ってみます」



「酒をもらったのに役に立てなくて悪かったな。

 あ、そうだ! この酒を飲んでみなくっちゃな」


 ガムドさんは、そう言ってウォッカをクイッと一飲みし……。


バタン!


 そのまま後ろに倒れてしまった。


「ちょっ! ガムドさん!!

 ドワーフにとって水じゃなかったのかよ!」


 俺は、ガムドさんをベッドまで運んで介抱かいほうした。



「くそう!

 ドワーフのわしが酒で倒れるなんて!! 一生の不覚。

 悔しい…… でも、もう一口だけ」


 けっこう大丈夫そうだな。



 俺はガムドさんの店を後にして、帰ることにした。


~~~~~~~~~~


 平日の仕事帰りに異世界によったので遅くなってしまい、シナガには行かずに、家に帰ってきた。


「兄ちゃん、良い金属は手に入った?」


 アヤが出迎えてくれた。

 エレナとヒルダはお風呂に入っているところだそうだ。


「ミスリルがいいんじゃないかって話だけど、これしか手に入らなかった」


 と、アヤにミスリルの切れ端を見せる。


「ミスリル製のものだったらいくつかなかったっけ?

 例えば、兄ちゃんの剣とか」

「アレは使うからだめだよ」


「最近使ってないじゃん」

「いざという時に使うんだよ」


「じゃあ、どうするの?」


「シナガの街に行けば買えるかもってさ」


「ふーん、

 でも、兄ちゃんだったらミスリルくらい作れるんじゃないの?」


 作る? 金属を?


「錬金術じゃあるまいし、そんな事出来るわけ無いだろ」

「そうなの?」


 本当にそうなのかな?

 自分で言ってて、なにか方法がありそうな気分になってきてしまった。



 しかし、『ミスリル』ってなんなんだろう?


 とりあえず、鑑定してみた。


┌─<鑑定>────

│【ミスリル】

│魔力を含んだ銀

はがねの強さを持ち

│黒ずんだり曇ることがない

│レア度:★★★

└─────────



 うーむ、銀が元になっていそうだけど、

 銀に魔力を込めたくらいじゃミスリルになったりはしないよな。


ピコン!


「いいことを思いついた」

「ミスリル作れそう?」

「まだわからないよ」


 俺は、ミスリルの切れ端を手に持ち……。


「【分解】!」


 【雷の魔法】でミスリルを分解してみた。


パラパラ……。


 そこには、銀色の粉と、透明な粉が出来上がっていた。


 銀色の粉を鑑定してみると『銀』だった。


 そして……。

 透明な粉を鑑定してみると――。


┌─<鑑定>────

│【ヌルポ魔石の粉】

│ヌルポ魔石を粉状にしたもの

│レア度:★★

└─────────


「マジか!」

「兄ちゃんどうしたの?」


「銀と、ヌルポ魔石でミスリルが作れそう」

「おお、やったじゃん!」



 俺は、大量に持っている『ヌルポ魔石』を【分解】してみた。


パラパラ……。


 やった!!

 【ヌルポ魔石の粉】が出来上がった。

 あとは、これと銀を混ぜれば――。


 銀貨を【分解】して作った『純銀』と【ヌルポ魔石の粉】を適当に混ぜ、【金属コントロール】で固めてみた。

 粉状のものを金属に戻すのに少し手間取ったが……。



 ミスリルは出来上がった。

 しかし、少し品質が悪い。


 【鑑定】してみると『ミスリル-1』となっていた。

 うーむ、分量を間違えたかな?



 俺は、分量を少しずつ変えて色々実験を繰り返した。

 アヤは、実験を繰り返している途中で、飽きて部屋に戻ってしまった。



 そして、ついに完成!


 『ミスリル+3』


 それは、申し分ない品質だった。


 とても軽いのに丈夫で、銀よりさらにいい色合いをしている。

 まさに完璧な金属だ。



 見てろよナンシーママ、この完璧な金属でアクセサリーを作ってやるからな!!



 まあ、ナンシーママとりんごによるデザインの問題点は、これだけじゃないんだけどね……。



『【金属製錬】魔法を習得しました。

 【合金作成】魔法を習得しました』


ご報告です。

現在、書籍化に向けて作業中。出版元は双葉社様で、時期は夏頃の予定です。

その他の事情もあり、更新頻度が若干遅れる可能性があります。m(_ _)m


ご感想お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] ミスリル銀って銀原子の回りを電子に代わって 魔素が回ってるのでは?銀と魔石の化合物で 脳波の影響を受けやすいのでは? 電子の替わりに魔素があるので 酸化しにくいのかも?
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