268.潜入マフィアのアジト1
ナンシーを俺の家に連れて来た。
どうやらマフィアたちも俺の家までは知らないようで、気づかれていない。
部長が俺の家の場所を吐かなかったおかげか……。
はたまた、部長が俺の家を知らないのか……。
とりあえず、ナンシーを匿わなければ。
「ここが俺の家だ」
「ここがセイジの家か。
日本の家は『うさぎ小屋』だと聞いていたが……
それ程でもないな!」
うーむ、褒められているのか?
「あ、ナンシー連れて来たの?」
アヤが出迎えてくれた。
「ああ、日本の文化を理解するには、普通の生活を見るのもいいかと思ってね」
「そんなこと言いつつ兄ちゃん、家に連れ込んで変なことしたりしたら…ぶっ殺すからね!」
「するか!」
とは言え、今はアヤがいてくれて助かった。
「アヤ、しばらくナンシーのことを頼む」
「ん? どういうこと?」
「別にどうもしないさ、
俺はちょっと出かけてくるから、その間アヤがこの家を守ってくれ」
「う、うん」
なんかフラグっぽい会話になってしまった。
アヤも変な顔をしている。
しかし、なんで助けに行く相手が部長なんだろうな~
こういう場合、助けに行くのは可愛い女の子と相場が決まっているはずなのに。
俺は、アヤたちを残し、家を出た。
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例の追跡用ビーコンを取り付けた奴は、まだ東京駅を警戒し続けている。
こいつがアジトに戻っていればアジトの様子が分かったんだけどな~ まあ、仕方ない。
俺は、公園のトイレで『ジャパニーズ忍者マン』に変身し、【夜陰】を使用して姿を消してから【瞬間移動】でマフィアのアジトへ、こっそり侵入した。
例のマフィアたちが拷問を受けていた部屋につくと……
人が、居た。
何者だ!?
一瞬あせったが、【夜陰】を使って姿を消しているので気づかれるはずはない。
気を落ち着かせてもう一度その人を見てみると――。
女の子だった。
しかも、部屋の中央の椅子に縛り付けられて、サルグツワまでされている。
そして、女の子以外には誰もいない。
誰これ!?
いちおう【鑑定】してみたけど、一般人らしい。
別件で誘拐されちゃった人かな?
まあ、後で縄をほどいてやるぐらいはしてやろう。
俺は、女の子を放っておいて部屋の出口を探す。
どうやらこの部屋は地下室だったらしく、上に登る階段があり、階段を登り切った所に重厚な鉄の扉が閉まっている。
鉄の扉は、外からカギがかかっているらしく、簡単に開きそうにない。
まあ、でも、マフィアのアジトっぽいし、ドアくらい壊しちゃってもいいよね?
俺は、【土の魔法】の【金属コントロール】を使って、ドアのカギ部分を変形させ、開けることに成功した。
さて、部長は居るかな?
ドアの向こうは一階だったらしく、マフィアの戦闘員?が、30人ほど警戒をしていた。
そして窓からは、庭が見える。
庭には、二羽の鶏などはおらず。
頑丈そうな壁が四方を囲んでいる。要塞かよ!
そして、庭にも戦闘員の方々が10人ほど警戒している。
戦闘員のみなさんに気づかれないように探索してみたが、1階には部長はいなかった。
しかし、2階への階段を見つけた。いるとしたらこの上かな?
2階に上がってみると……。
ボスが居た。
そして、部長も居る!
ボスは、だいぶイラついているようで、部下たちに当たり散らしている。
部長は、後ろ手に縛られ、目隠しをされ、殴られたのか顔がはれている。
さーて、いっちょ暴れるか!
俺は、姿を消したまま、部長を見張っている戦闘員に対して、飛び蹴りを食らわせた。
バゴン!
もんどり打って床を転げる戦闘員。
「「!?」」
ボスと、取り巻きの戦闘員がそちらに気を取られている隙に、俺は部長の肩に手を置き、【瞬間移動】で地下室へ飛んだ。
「うわ!? なんだ!」
部長は目隠しをされたままなので、何が起こったかまったく理解していない。
部長が騒いだせいで、縛られていた女の子も気がついたようだ。
「うーうーうー」
女の子はサルグツワをされたまま、うーうー唸っている。
ごめんね、後で助けに来るから。
俺は、部長と女の子を残し、1階へと登った。
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「一体何ごとだ!」
「敵は何処だ!」
一階では、戦闘員たちが戦闘態勢に入っていた。
「ジャパニーズ忍者マン・参上!!」
俺は【夜陰】を解いて、姿を見せ、名乗りを上げた。
「はあ? お前、何やってんの?」
し、しまった。戦闘員たちがドン引きしている。
せっかくカッコイイ台詞とポーズを決めたのに……。
「さ、参上……」
「お前、薬でもやってるのか?」
禿げててデブな戦闘員が、俺を心配して近寄ってくる。
くそう、俺をコケにした罪は重いぞ!
俺は、禿デブ戦闘員の腹を殴り飛ばした。
「ぐげ!」
禿デブ戦闘員は吹き飛び、床を転がって行き、窓ガラスを突き破って庭に転げ落ちた。
「者ども、であえ! であえ! クセモノだ!!」
時代劇かよ!
まあでも、俺はコレがやりたかったんだよ!!
はじめからちゃんとそうしろよ!
俺は、すっかり戦闘員に囲まれてしまっていた。
「何者かは知らんが、生きて帰れると思うなよ!」
おお、怖い怖い。
ということは、お前らも殺される覚悟はあるということだよね?
まあ、俺は優しいから、殺しはしないけど。
俺を取り囲んでいる戦闘員の一人が、ナイフを持って特攻してくる。
おそらくいちばん下っ端のやつで強さを見極めるつもりなのだろう。
ガシ!
つきだしてきたナイフを指でつまむと、奴はナイフを動かせなくなってしまった。
俺は、奴を蹴飛ばす。
「ぐご!」
蹴飛ばされて吹っ飛び壁に激突した奴は、それでも立ち上がろうとしてくる。
ちょっと手加減しすぎたかな? 調整が難しいな。
「忘れ物だよ」
俺が、ナイフを投げると、奴の耳のすぐ上をかすめて壁に突き刺さった。
「ひえー!!」
奴は、真っ青な顔をして、その場にへたりこんだ。
そして……。
パン!
乾いた音とともに、床に赤い血が広がっていった。
状況が変わってサイクルが変わったおかげで、若干戸惑い気味です。
ご感想お待ちしております。




