267.東京駅
富士山頂上の夢を見た。と思っているナンシーも、やっと起き出してきて。
スイートルームに運ばれてきた朝食をみんなで美味しくいただいた。
「ナンシーまたね~」
アヤは、今日も短大があるので、
俺が【瞬間移動】で東京へ送った。
「アヤちゃんも忙しいね」
「まあね」
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京都見物2日目は―
『伏見稲荷』からスタートした。
「セイジ様、ここはなんだか不思議な力が満ちている気がします」
「確かに、そんな感じがするな」
魔法を習得した影響だろうか―
なんとなく魔力が満ちている様な気がする。
「Oh! なにこれ!
たくさんのゲート?が、ずっと続いてる!」
「これは、千本鳥居というものだよ」
「セン・ボトリー??」
「千・朱色・鳥居ゲートかな」
「なるほどー
しかし、綺麗な朱色だね」
「この朱色は辰砂っていう鉱石から作った染料で塗られているらしいよ」
【辰砂】といえば、前に作った『エリクサー』の材料の『賢者の石』を作る時、材料として使ったっけ。
あの時は異世界の【辰砂】を使ったけど、地球上の【辰砂】でも賢者の石が作れるのかな?
そんな話をしながら、俺たちは千本鳥居をくぐっていった。
その後、通りかかったリウマチのお婆さんをエレナが【回復魔法】で治しちゃったりしたけど、
特に問題なく、『伏見稲荷』の観光を終えた。
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『伏見稲荷』を後にした俺たちは、
次にタクシーで『姫路』に移動した。
姫路では、まずランチに『あなご飯』を食べて、
その後『姫路城』を観光した。
「シメジ・キャッスルはクールだね。
特にあの白い壁がカッコいいよ」
「シメジじゃなくて、ヒメジね。
そろそろ東京へ帰る準備をしないと」
「えー!
私、今日は帰りたくないの……」
どこでそんな言葉を覚えたんだ!
それに、そんなセリフは、二人っきりでバーで飲んで酔っちゃった時とかに言うセリフだ。
ナンシーはそう言いつつ、楽しそうにケラケラ笑っている。
まあ、楽しんでくれたみたいで良かったよ。
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帰りの電車にのるために、俺たちは姫路駅へやってきた。
「とうとう帰るのか~ なんだか名残惜しいね」
「まあ、明日もう一日あるから、東京近辺でどこか行こうよ」
「そうか! じゃあ何処にしようかな~」
そんな話をしていると、遠くの方から何かが迫ってくる気配を感じた。
「あれ? なにか来るよ」
ゴゴー!!
「ひえー!!」
あまりの出来事に、ナンシーが俺に抱きついてきた。
エレナとヒルダも抱きついてきている。
「3人とも、落ち着きなよ。あれは新幹線だよ」
「新幹線!? 行きの新幹線はあんなに早かったっけ?」
「この駅を通る時は、時速300kmで通過する事があるんだよ」
「時速300km!? しゅ…しゅごい…」
何回か新幹線が通り過ぎ、ナンシーとヒルダは慣れたらしく、大喜びしていたが、
エレナはいっこうに慣れないらしく、新幹線が通る度に、俺の体に2つの柔らかいものをぎゅーぎゅー押し付けてきた。
俺はしばらくの間、じゃっかん前かがみな態勢のままエレナの頭をなでなでしてやっていた。
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東京に戻ってきた時には、もうすっかり日が沈んでしまっていた。
「あーあ、東京に戻って来ちゃった~」
「でも、楽しかっただろ?」
「うん!」
みんな笑顔で東京駅に降り立ったのだが、
俺は、地図上に嫌な物を見つけてしまった。
東京駅周辺にたくさんの『危険』を示す点が取り囲んでいるのだ。
その数、30!
これはマズイな。
と、その時。
俺のスマフォに電話がかかってきた。
「部長からだ、なんだろう?」
ナンシーたちに待っててもらい、電話にでる。
「もしもし部長、どうかしましたか?」
「……う」
う? 部長はいったいナニをしてるんだ?
「た……」
「た?」
「たすけて!」
「え? 部長!?」
部長の助けを呼ぶ声の後に、人を殴るような音が聞こえてきた。
いったいどうしたんだ!?
「お前、マルヤマか?」
部長からの電話から、部長ではない声が聴こえてくる。
この声は聞いたことがある。
例のマフィアのボスの声だ。
「何者だ?」
とりあえず、知らないふりをして話を合わせる。
「この男を拘束した。代わりにナンシーを連れて来い」
どうする!?
よし、無視しよう!
「くだらない冗談はやめろ。忙しいから電話を切るぞ」
「まて、冗談じゃな……」
俺は、最後まで聞かず、電話を切った。
すぐさま、また部長の携帯から電話がかかってくる。
俺は、電話に出ずに、スマフォの電源を切った。
もちろん、冗談ではないことはわかっている。
しかし、ここで交渉をしてはいけない。
先ずは、ナンシーを安全な所へ連れて行くのが先決だ。
部長は、殴られたりする可能性もあるが、我慢してもらうしかない。
俺が冗談だと思っていると思われている内は、殺されることはないだろう。
おそらく、前回の追跡者を拷問していた場所、あそこに部長も囚われているのだろう。
なんとか部長も助けださなければ。
「セイジ様、電話はもういいのですか?」
「ああ……」
先ずは、30人のマフィアに見つからないように東京駅を脱出しなければならない。
新幹線の出口改札は全部みはられているのだが、乗り換え口は、バカなことに一箇所しかみはられていない。
俺は、ナンシーたちを連れて、みはられていない方の乗り換え口から在来線の方へ。
在来線も見張られているが……
東京駅を舐めるなよ!
ホームの数は日本一、出入り口も無数にあるのだ。
その全てをたった30人でカバーできるはずはない。
俺たちは、見張りのいないホームから電車に乗り、ゆうゆうと東京駅を脱出した。
「ナンシー、今日は俺の家に泊まりにくるといい」
「セイジの家!? う、うん、いいよ……」
なぜかナンシーはもじもじしていた。
トイレにでも行きたいのかな?
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