265.新幹線
「一人じゃ寂しいよ、
セイジ、今夜は泊まっていって……」
ナンシーがそういうので、
みんなで泊まっていくことにした。
スイートルーム内の4部屋の部屋割りは、
1部屋目をナンシー、
2部屋目をアヤとりんご、
3部屋目をエレナとヒルダ、
4部屋目は、俺が一人で使うことになった。
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草木も眠る丑三つ時、
俺は、みんなに気づかれないようにこっそり起きだし、
行動を開始した。
狙いは、もちろん!
ホテルの外で見張っている不審者だ。
俺は、インベントリから、とある『魔石』を取り出した。
「【変身】!!」
俺が、バカっぽくそう叫ぶと―
俺の体は、忍者の格好に変身していた。
こんな事もあろうかと、『ジャパニーズ忍者マン変身セット』を仕込んでおいたのだ。
変身時に掛け声を掛ける必要があったのかだって?
必要あるに決まってるだろ!!
ごめんなさい嘘です、やってみたかっただけです。
俺は、【夜陰】を使用して姿を隠し、
ホテルの近くで俺たちを見張っている不審者の所へ、【瞬間移動】で飛んだ。
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「我為什麼必須做像這樣子的樸素的工作」
「不正說牢騷而默默看守」
「不要自以為是地講大道理」
おそらく中国語なのだろう、
ワゴン車の中で強面の男が2人、言い合いをしていた。
とりあえず、言語習得を使用して『中国語』を習得してみた。
「こんな時間に、対象者が現れるわけ無いだろ!」
「いや、対象者と一緒に居た男、アイツは只者じゃない。
俺たちの尾行に気がついていた。
夜中にこちらの様子を伺いに来る可能性も考慮すべきだ」
リーダーっぽい人、するどい!
あたしセイジさん。今、あなたの後ろにいるの!
男たちを【鑑定】してみると、職業が『マフィア』になっていた。
そういう奴らか……
さて、どうするかな。
「【睡眠】!」
「え!?」
二人の男に【睡眠】の魔法をかけると、
一瞬、驚いた顔をしたが、
二人とも、すぐにぐっすりと深い眠りについた。
後は、リーダーっぽい人に『追跡用ビーコン』を取り付けて、
とりあえず、これだけでいいか。
この二人以外にも、あと2台のワゴン車に二人ずつ怪しい人物が張り込みをしていたが、
それぞれ【睡眠】をかけた。
流石に『追跡用ビーコン』を全員にかけることは出来ないので、リーダー1人だけにしておいた。
代わりに、イケブの街の冒険者に付けていたビーコンを外した。
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追跡者もぐっすり眠っているので、俺も安心して朝までぐっすり眠れた。
スイートルームのベッドはフカフカで、気持よかった。
朝も、豪華な朝食が部屋に運び込まれ、
みんなで美味しくいただいた。
「セイジ、今日は京都に連れて行ってくれるんでしょ?」
「ああ、京都で一泊して、明日の夜帰ってくるスケジュールだ」
「そうか、楽しみだな~」
朝食を終え、
俺たちは、早めにチェックアウトした。
「あ、俺はちょっとトイレ」
俺は、そう言ってトイレの個室に駆け込んだ。
「変身!」
そして、【光の魔法】の【透明化】を使用して姿を消し、
不審者が眠る3台のワゴン車に【瞬間移動】で飛び、
【睡眠】の魔法をかけ直して回った。
京都までついて来られたら嫌だし、
東京に残るアヤやりんごを付けられたりしたら困るからね。
そして、トイレに戻って、元の姿に戻り、
ナンシーたちと合流して、堂々とホテルを出ることが出来た。
アヤとりんごは短大と専門学校へ
俺たちは、東京駅へ向かった。
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「これが東京駅か!
カッコいい駅だね!」
ナンシーは赤レンガの丸の内口駅舎に感心しきりだった。
俺たちは窓口に行き、すでにある2枚の指定席の近くの席を2枚購入した。
お願いしたら、ちゃんと4人席のチケットを取ってくれた。
これで電車の旅を楽しく過ごせるぜ!
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なんと!
ナンシーは日本の電車に乗るのが初めてだそうだ。
「前に日本に来た時も、電車に乗らなかったのか?」
「飛行場からタクシーに乗って、セイジの会社とホテルを行き来しただけだったから」
日本で最初に乗る電車が『新幹線』なのか!
それはそれで凄い経験だな。
ヒルダも電車に乗るのが初めてということで、
ナンシーは俺に、ヒルダはエレナに付き添われて改札を通過した。
「切符を入れると、あっちから出てくるので、それを取るんですよ」
とか説明している。
エレナが初めて電車に乗った時は大変だったもんな~
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俺たちは、大勢の人をかき分け、
何とか『新幹線』のホームに到着した。
「日本の駅は、人がたくさん居て目が回りそうだよ」
ナンシーだけでなく、
エレナとヒルダも、人をかき分け進むのにだいぶ疲れてしまった様子だ。
しばらく待つと、ホームに『新幹線』が入ってきた。
「なにこの電車!!」
流線型の車両を見て、3人ともびっくりしていた。
「『新幹線』カッコいいだろ?」
「ええ! まるで飛行機みたいだね!」
清掃員のお姉さんたちの作業が終わり、新幹線に乗り込んだ。
「中もすっごく綺麗だ!」
3人共、初めての新幹線に興奮しっぱなしだ。
「この席だな」
おれが、4人席になるように椅子を回転させると。
「Oh!! 椅子が回った!!!」
ナンシー、何にでも驚き過ぎだよ。
平日だけあって、だいぶ空いていて、
ほぼ貸切状態のまま、新幹線は静かに発車した。
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「すごく静かだし、けっこう早いね」
「まだまだ、
新横浜を過ぎたらもっと早くなるよ」
「もっと早くなるの!?」
エレナとヒルダは新幹線から見える景色を、身を乗り出し、お互いのほっぺをくっつけながら、食い入るように眺めている。
しばらくして、新横浜を過ぎ、速度が出始めた。
「は、早い!」
速度が早くなるに連れて、ナンシーは驚きまくっていた。
「こんなに早くて、脱線とかしないの?」
「乗客の乗った新幹線の脱線事故は、
2004年にマグニチュード6.8の地震の直撃を受けた事故が1度だけ起こったことがある」
「マグニチュード6.8!!?
その時は、何人死んだの?」
「脱線での死傷者は0人だよ」
「0人!? なんで!?
あれ? 大地震って2011年じゃなかったけ?」
「2011年の大地震の時は、
試運転してた車両が1本脱線しただけで、
運転中だった27本の新幹線は、1本も脱線していないよ」
「えぇ!??
だって、凄い被害が出た地震だったんでしょ?
なんで??」
「新幹線には【早期地震検知システム】っていうのが積まれてて、地震の揺れが来る前に、停止するようになってるんだよ」
「ほぇ~~!!」
うーむ、
ナンシーが『新幹線』に乗りたいって言うから、事前に予習をしておいたんだけど……
俺ってまるで、鉄道会社の回し者みたいだな。
鉄オタではないので、間違っている情報があったら教えて下さい。
ご感想お待ちしております。




