260.変身魔石
「兄ちゃん、それ何だったの?」
「【変身魔石】という物らしい」
鑑定結果はこんな感じだ。
┌─<鑑定>────
│【変身魔石】
│魔力を込めると、変身できる
│格納空間に装備を格納できる
│腕や手に装備したものは対象外
│レア度:★★★★★
└─────────
「え! 変身できるの!?
私、やってみる!!」
「おいバカ止め…」
「変身!!」
アヤは、俺が止めるのも聞かず―
【変身魔石】を掲げて変身ポーズを決めた。
まるで、アニメの変身シーンのように、
アヤは、謎の光りに包まれた。
アヤは、ビシっとポーズを決め、
光が収まる。
すると……
「キャー!!!
なにこれ!!!」
アヤは……
『すっぽんぽん』になっていた!!
手で大事な所を隠しながら、しゃがみ込むアヤ。
「兄ちゃんは、こっち見んな!」
アヤは泣きそうになりながら悪態をつく。
こんなことなら、エレナあたりに試してもらえばよかったな~
アヤは、唯一残された【格納の腕輪】から服をだして着替え、
なんとか落ち着きを取り戻した。
「もう! 何なのよこれ!!
【変身魔石】とか言って、
裸になっちゃったじゃない!!」
アヤは腹立ちまぎれに、【変身魔石】を俺に投げつけた。
「格納している装備に変身できる魔石だから、
何も格納されていない時に使えば、ああなって当たり前だろ」
「兄ちゃん、そんな事言わなかったじゃん!!」
「俺が説明する前に、アヤがいきなり使ったんだろ!」
「そうだけど……
それより、さっきまで着てた水着はどうなったの?」
そう言えばそうだな。
【変身魔石】を、じっくり調べてみると―
さっきまでアヤが付けていた水着が、【変身魔石】の中に格納されている映像が頭に浮かんだ。
「今は、この魔石に格納されているみたいだ、
おそらく、格納されている服と着ている服を入れ替える魔石なんじゃないか?」
「なるほど、
じゃあもう一回使えば……」
「たぶん、さっきまで来てた水着に戻るんじゃないかな」
「やってみる」
「おう」
アヤは、俺から【変身魔石】を受け取ると、
もう一度使ってみた。
すると、また変身シーンの様な光が発せられ、
アヤは、もとの水着姿に戻っていた。
「やった! 変身できた!!」
「アヤさんすごいです!!」
「私もやってみたいです」
エレナもヒルダも大喜びだ。
「魔石だから、コピーできるかもな」
「セイジ様! 本当ですか?
私も欲しいです!!」
エレナが欲しがるなんて珍しいな。
「よし、じゃあ、この階の階段を見つけたら、
ちょっと早いけど今週は終わりにして、家に帰るか」
「帰るの?」
「ここで、【変身魔石】をコピーしても家に帰らないと使えないし」
「なんで?」
アヤ、お前はアホか?
「【変身魔石】をコピーしても、最初は装備が登録されてないから、
使う時に1回は裸になっちゃうだろ?」
「あ、そうか!」
あ、失敗した。
言わなきゃ気づかなかったかもしれないのに!
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魔物がすっかりいなくなった浜辺をどんどん進んでいくと、
浜辺の端に洞窟があり、その中に上の階に登る階段を見つけた。
「よし、じゃあ今週のダンジョン攻略は終わり。
帰るか!」
「「はーい」」
俺たちは、自宅に帰還した。
~~~~~~~~~~
「セイジ様、早く作って下さい!」
エレナがこんなにテンション高いなんて珍しいな。
エレナに急かされながら、
【変身魔石】をコピーすると、
【変身魔石+3】が出来上がった。
どうやら【時空魔法】系列の魔石だったらしい。
『+3』になったことで、
格納中の装備に対して、洗濯と、修復の効果がかかる物になった。
これはいいな。
俺は、魔石を3つ作って、3人に1つずつ渡した。
「セイジ様、ありがとうございます!!」
「セイジお兄ちゃん、ありがとう!!」
「兄ちゃん、大儀であった!!」
三人は、大喜びして部屋に入っていった。
俺の前で使ってくれたりはしないのね……
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俺が、一人寂しく夕飯の準備をしていると―
「セイジ様」
弾んだ声で、エレナに呼ばれた。
「ん、夕飯の準備はもうちょっとかかるぞ?」
「違いますよ。
ちょっと見て下さい」
ん? なんだろう?
手を止めてエレナを見てみると、
エレナはにっこり微笑み―
「インポート、ジャヴァ・ユーティル・コスチューム!」
エレナは踊りながら、珍妙な呪文を抑揚を付けて歌うように唱え始めた。
あ、そうか!
『魔法少女・シィ』に出てくる『アプレちゃん』の変身呪文だ。
「ニュー、コスチューム・イニシャライズ!!」
呪文を言い終わると―
エレナは光りに包まれ……
『アプレちゃん』のコスチュームで、決めポーズをバッチリキメたエレナが、ニッコリ微笑んでいた。
俺が盛大な拍手を送ると、
エレナは、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいた。
か、かわええ……
「コスチューム・ファイナライズ!!」
エレナは、変身解除の呪文をとなえ、
もとの服装に戻った。
「すごいじゃないか!!」
「ありがとうございます!」
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夕食後は、アヤとヒルダも加わって、変身ショーが開催された。
変身中に一瞬だけ、裸に……
なんてことが無いのが残念だが―
それは、やむを得まい。
その後、3人にせがまれ、
銀で指輪を作って、【変身の魔石】を取り付け、
【変身の指輪】にしてあげた。
3人とも、変なことに使うなよ?
ご感想お待ちしております。




