255.日の出の塔6階ボス戦
『サメ』をいくら倒しても、白帯刀の試練は進まなかった。
『サメ』以外の魔物がいる場所を優先して行ってみると、
角のある巨大な『サメ』に出くわした。
【鑑定】してみると『ツノザメ』というらしい。
そいつを倒すと『水属性魔物討伐』がカウントされ、
しばらく進み、『ツノザメ』を倒し続けていたら、
水属性魔物討伐をクリアすることが出来た。
「やった、試練の一つをクリアしたぞ」
「セイジ様、おめでとうございます」
「兄ちゃん。
試練ばっかりで、ぜんぜん進まないじゃん!
どんどん、進もうよ」
アヤの意見も一理あるが……
アヤに言われると、すげームカつく。
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地図上で、唯一正体不明の敵の場所に移動してみると……
そこだけ足場が木ではなく、岩のようなものでできていた。
おそらく特別な場所なのだろう。
敵の反応は、この場所を示しているのだが、
敵は見当たらない……
そして、くさい!
なんか変な匂いが漂っている。
辺りを調べてみると、足場の中央付近に何かの穴が開いているのを見つけた。
「この穴の中に敵が居るのか?」
俺が、その穴の中を覗こうとしたその時!
グラグラと足場が揺れ始めた。
「みんな大丈夫か?」
揺れはそれほど大きくなかったおかげで、
みんな大丈夫みたいだ。
ブシュー!!
揺れが収まると同時に、先ほどの穴から水と空気の混ざったものが吹き上がった。
『間欠泉』だったのか。
「くさ!!」
匂いの原因は、この間欠泉だったようで、
間欠泉が吹き上がると同時に、辺りの匂いは一段ときつくなった。
「兄ちゃん臭いよ!」
その言い方だと、俺が臭いみたいじゃないか!
「ねえ、あの穴臭いから、何かで埋めちゃおうよ」
確かに、アヤの意見も一理ある。
鼻をつまみながら戦いなんて出来ないもんな。
俺は、インベントリに入っていた何の変哲もない岩を取り出し、穴の上にかぶせた。
「これで、少しは臭くなくなるだろう」
俺が一仕事を終えて、両手に着いた砂をパンパンと払っていた。
突然、足元全体が【攻撃予測の範囲】として、赤く表示された。
「みんな、この足場から離れるんだ!!」
急いで全員を足場から退避させると―
岩の足場が激しく揺れ始めた。
「危なかった、すごい揺れだ」
揺れはものすごく、周囲の水面も大きく波打っている。
そして!
バシューン!
穴の上にかぶせた岩が、ものすごい音を出して、ものすごい勢いで上空へ吹き飛んだ。
「びっくりした!」
そして、やっと揺れが収まったと思ったら……
岩の足場が、ゆっくりと沈んでいってしまった。
「沈んじゃったよ?」
「お前が穴を埋めろとか言うから!」
「最終的には兄ちゃんがやったんでしょ!」
俺とアヤが、そんなやり取りをしていると―
水面からアブクがブクブクと上がってきた。
「なんだあれは?」
みんなで水面を覗いていると―
下から何かが浮かんでくるのが見えた。
そして、水面が徐々に膨らんでいき、
水面の膨らみが爆発したかと思ったら、
中から巨大な白いクジラが飛び出してきた。
「クジラだーーー!!」
アヤの小並感をよそに、
クジラは飛び上がった勢いでくるりと半回転しながら、しっぽを水面に激しく叩きつけた。
激しい衝撃によって、巨大な『津波』が巻き起こる。
「津波だーーーー!!」
アヤは、慌てふためき、
エレナとヒルダは魔法でなんとかしようと頑張っている。
「ドーム型・水バリア!!」
俺が魔法を使うと、
ドーム型のバリアが俺たちを包む。
そして、その上から津波が覆いかぶさる。
「うわー!」
バリアの上を水が物凄い勢いで通り過ぎていく。
アヤは目をつぶってしゃがみ込んでいるが、
エレナとヒルダは、目を丸くしていた。
「アヤ、何やってんだ。
ちゃんとしろよ」
「え!? えっと……」
津波が通り過ぎ、俺たちが無事なことを確認したクジラは、
巨大な口を開けて威嚇している。
「ほらアヤ、あの口の中に入って中から攻撃してこいよ」
「いやよ、くさそう……」
「じゃあ臭くなさそうな方法で、なんとかしてみろよ。
最近ぜんぜん役に立ってないぞ」
「む! 気にしてるのに!!」
気にしてたのか。
「わかったよー
見てなさい~」
アヤは、腕をぶんぶん振り回している。
一体何しているんだ?
しばらく様子を見ていると、クジラの周りに風が回り始めた。
風は、徐々に早くなっていき―
巨大な『竜巻』になっていった。
クジラは慌てて水の中に逃げようとしたが、
竜巻が水を持ち上げ始め、潜ろうにも潜れなくなっていた。
さらに竜巻が強くなり、クジラは徐々に回転しながら上空に巻き上げられていく。
クジラは完全に水面から持ち上げられ、竜巻の中でぐるぐる回り始めた。
「ど、どうよ!」
「アヤ、息が上がってるぞ?」
「ヒルダちゃん、飴ちょうだい」
「はーい」
アヤは、口にヒルダ飴を放り込んでもらい、
もう一度クジラの方に向き直し、
「てやー!!」
アヤは、竜巻ごとクジラを水面に叩きつけた。
「どやー!」
【鑑定】をしてみたら、クジラはHPが0になっていた。
「よくやったぞ、アヤ」
「えへへ~」
今後は、たまには役に立てよな!
俺は、【水コントロール】で水面張力をコントロールし、アメンボの様に水面の上に立った。
そのまま、水面の上をスイーっと滑って、動かなくなったクジラに近寄り、インベントリにしまいこんだ。
「さて、アレがボスだったはずだけど、
上に行く階段は何処だろう?」
辺りをキョロキョロ探してみると―
最初にクジラがいた場所に、水の下から石の柱がニョキニョキ生えてきた。
石の柱が、青空の絵が書かれた天井まで届くと、
石の柱に扉が空いた。
「セイジ様、この中に階段があります」
やったぜ、これで6階クリアだ!
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