251.時空魔法
「ねえ、兄ちゃん、どうしたの?」
【時空魔法】のレベルが6になったことに驚いていると、アヤが心配そうに声をかけてきた。
「い、いや、なんでもない。
後で説明するよ」
今は、エクセターが側に居るし、
さっさと街に帰してあげるのが先決だ。
「じゃあ、街に帰ろう」
「はーい」
「それじゃあトキ、達者でな」
「トキちゃん、バイバーイ」
アヤは、手を振り。
エレナとヒルダとエクセターは、トキに対して深々とお辞儀をした。
『人族のセイジよ』
「なんですか?」
『その者たちを街に帰したら、後で一人で来てくれませんか?』
「へ? まあ、別にいいですけど……」
『頼みましたよ』
トキはそう告げると、翼を広げて飛び立ち、
沼の中央にある、小島へと帰っていった。
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トキの街に【瞬間移動】で戻ると、
エクセターは、トボトボと屋敷に帰っていった。
自分の特技である『占い』が出来なくなってしまったのだ。落ち込むのも無理は無い。
「兄ちゃん、これからどうするの?」
「俺はもう一度トキに会ってくる。
みんなはこの街でしばらく暇をつぶしててくれ」
「兄ちゃん、もしかしてあのトキって……
メスだったりする?」
「ああ、声を聞いた感じではメスっぽかったけど、
それがどうかしたのか?」
「いや、なんでもない……」
アヤは何を気にしているんだろう?
さっぱり分からん。
「兄ちゃん!
暇をつぶすならお小遣いちょうだい!」
「ああ、そうか、
それじゃあ……」
俺は、インベントリから100G金貨を3枚取り出し、一人一枚ずつ渡そうと……
思ったけど、エレナに3枚とも渡した。
「なんでエレナちゃんに3枚とも渡すの!?」
「お前に渡すと無駄遣いするに決まってるからだ」
「そんなことないもん!」
「それじゃあ、エレナ頼んだぞ」
「は、はい」
「それじゃあ、俺は行ってくる」
ぐずるアヤを放っておいて、
俺はトキの所へ舞い戻った。
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沼地の中央の島へ【瞬間移動】で渡ると、
トキが待っていた。
『よく来てくれました、こっちです』
トキに付いて行くと、島の中央に、下へ降りる階段があった。
地下鉄の入り口を少し大きくした感じだ。
トキは、少し身をかがめながら、階段を降りていく。
「ここは一体なんなのですか?」
『到着すれば分かります』
なんか、この階段、やけに長いな。
かれこれ50mくらいは降りてるんじゃないかな?
しばらくして、やっと階段が終わり、
何かの入り口らしきものが見えてきた。
『ここです』
トキに促されて中に入ってみると―
そこは、巨大なドーム型の空間だった。
この空間、見覚えがある。
日の出の塔の地下でゴーレムと戦った場所と同じ感じだ。
「もしかして、ここであなたと戦うのですか?」
『戦う? 何故?』
あれ? 違うのか?
「土の精霊と契約する時、このような場所で戦ったので、そうなのかと……」
『精霊の中には、戦いを好む者もいます。
私は、戦いをあまり得意としていません』
その割には、襲ってきた人たちを返り討ちにしてたんじゃなかったっけ?
『目的はアレです』
トキが羽根で指差す方を見ると―
マナ結晶が、あった!
「マナ結晶!」
『そうです、【時空のマナ結晶】です』
「時空魔法にも、マナ結晶があったんですね。
アレに参拝しろって事ですか?」
『はい、そのために貴方をお呼びしました』
「でも、俺はもう【時空魔法】を覚えていますよ?」
『貴方はまだ、【時空魔法】をちゃんと使いこなせていません。
参拝すれば、正しく使いこなせるようになります』
俺が、【時空魔法】を使いこなせていないだと!?
もし、俺の活躍がweb小説になるようなことがあれば、タイトルに【時空魔法】と入るんじゃないかと思えるほど使いまくっているというのに……
『さあ、参拝してください』
俺は、ゴクリと唾を飲み込んで、
恐る恐るマナ結晶に触れた。
すると!
マナ結晶が、激しい光を放ち始めた。
なんだこれは、何が起こっているんだ!?
しばらくして、激しい光が俺の中に無理やり入り込んできた。
「うわーーー!!!」
……
やっと、光が治まってきた時、
いつものアナウンスが、頭のなかで鳴り響いた。
『時空魔法が最新状態に更新されました。
【クイック】が更新されました。
時間の加速が最大3倍に更新されました。
【スロウ】が更新されました。
時間の減速が最大1/3に更新されました。
【バリア】が更新されました。
バリアの強度が上昇しました。
バリアの形が自由になりました。
【未来予測】が更新されました。
攻撃予測の範囲が可視化出来るようになりました。
【インベントリ】が更新されました。
ヌルポ魔石に格納空間を生成出来るようになりました。
【瞬間移動】が更新されました。
異世界移動時の1日1回制限が解除されました。
【トキ召喚】が追加されました』
なんか色々来たーーー!!
【クイック】が通常の3倍の速さで動けるようになった。
そして、【スロウ】が1/3だったら―
敵とタイマンで戦うような場合だったら、3×3で9倍の速度で動けるってことになる。
【バリア】の強度と形に関しては、使ってみないとなんとも言えない。
【未来予測】の攻撃予測の範囲の可視化も使ってみないとわからないな。
【インベントリ】魔法の、ヌルポ魔石に格納空間を生成って、どういうことだろう?
ヌルポ魔石をアイテムボックス的な物として使えるようになるってことかな?
俺自身は【インベントリ】があるから意味ないけど、
アヤたちにアイテムボックス的なものを持たせることが出来るってことかな?
【瞬間移動】の異世界移動が制限なしに使えるのは、一番嬉しいかも。
こっちで宿を取らなくても、日本に帰ってぐっすり眠れるし、
土日以外でも、平日の夜に日帰りで来ることも出来る。
【トキ召喚】は、よくわからないな。
本人が目の前に居るから聞いてみるか。
「すいません、【トキ召喚】というのを覚えたのですが、
これはどう言うものですか?」
『私の能力は、時間を止めることです。
私を呼び出せば、暫くの間、時間を止めることが出来ます』
マジか!!!
無敵じゃん!!!
ご感想お待ちしております。




