245.ジュエリーショップ日本店
誰これ?
「どちら様ですか?」
「ゆ、百合恵です……」
まあ、そうだろうけど……
なんだこの、もじもじしている可愛らしい生き物は?
しかし、これだけ別人なら、変装としては申し分ないな。
アヤと舞衣さんと百合恵さんは、短大に。
りんごは専門学校へと出かけていった。
おっと、俺も会社に行かないと。
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会社で、百合恵さんの様子を確認していたが―
レポーターに見つかることもなく、普通に短大に行くことができていた。
よかったよかった、
あとは、自宅を張り込んでいる奴らがいなくなるのを待つだけだな。
「……丸山君……」
さーてと、俺も仕事に戻るかな~
「丸山君!」
「わ! 部長!
どうかしましたか?」
いつの間にか、部長に話しかけられていたのか。
「集中しているところ悪いんだが……
君って、英語ができたよね?」
「ええ、まあ」
英語の書類をそのまま読めるようにするために、
前に、【言語習得】で習得したんだよね。
「英語がどうかしたんですか?」
「いや、来週辺りに英語が必要になる仕事が来そうなんで、その時君にお願いするかもしれない」
「そうですか、了解しました」
まあ、ドイツ語でもフランス語でも、なんでも平気だけどね。
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仕事を終え、家に帰ってくると、
今日も6人にお出迎えされた。
「今日も、百合恵さんの家はハリコミされてるのか?」
「うん、今日もいた」
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
百合恵さんが、しおらしい……
「悪いのはレポーターだし、百合恵さんは気にすること無いよ」
「そうだよ、そうだよ!」
「それじゃあ、その、ワイドショーでも見てみるか」
俺は、リビングのテレビをつけた。
しかし―
「あれ? 百合恵さんのことやってないな」
どのチャンネルも百合恵さんのことをやっていない。
もう飽きたのかな?
「なんか、有名アクセサリーブランドが日本に店を出す話でもちきりみたい」
「アクセサリーブランド!?」
『アクセサリー』と聞いて、りんごが激しく食いついてきた。
「りんご、このブランドって有名なの?」
「もちろんです!!
世界の国々の何処に2号店を出すかで、だいぶもめてたらしいです。
日本に決まったのか~ 嬉しいな~
早く開店しないかな~」
へー、ブランド名『ジュエリーナンシー』か、
そう言えば、世界一周旅行をしていたナンシーは元気かな?
同じ名前だからって、関係ないよね?
まさかね……
そんなことを考えていると―
急に俺のスマフォが鳴り出した。
誰からだろう?
着信画面を見てみると……
ナンシーだった!
まさに、『噂をすれば……』だな!
『ナンシー久しぶり、元気にしてたかい?』
『セイジ、私は元気にしてたよ。あなたはどう?』
『俺も元気だったさ』
「あ、お兄さんが英語で誰かと話をしてる!」
「すごいです!」
百合恵さんとりんごが驚いている。
「でもいま、『ナンシー』っていいませんでした?」
「言ってたかも」
君たち、電話中にうるさいよ。
『それでナンシー、急に電話してきてどうしたんだい?』
『実は、もうすぐ日本に行くことになったから、その報告をしようと思ってね』
『また旅行に来るのか?』
『今回は、ビジネスだ。
でも、前回日本に来た時は、あまり観光できなかったから、観光もしたいな』
『ビジネス? そう言えばナンシーって何の仕事をしてるんだ?』
『アクセサリーブランドの日本店がオープンするから、そこで働くんだ』
『へー、なんてお店?』
『ジュエリーナンシー・東京店』
なんだって!
あのワイドショーで言ってた店じゃないか!
まあ、なんとなく、そんな予感はしてたけど……
『じゃあ、ナンシーは日本に住むのかい?』
『そうなる。
日本のことは良くわからないから不安ではあるんだけど、困ったことがあったら助けてくれるかい?』
『もちろんさ』
『日本にはいつ来るんだい?』
『来週の月曜日の予定だよ。
その時になったらまた連絡するね』
ナンシーとの会話を終え、俺がスマフォを切ると、りんごがにじり寄ってきた。
「今の電話、ナンシーさんという人なんですか?」
「ああ、そうだけど」
「その人、日本に来るんですよね?」
「うん。
りんごってもしかして、英語わかるの?」
「はい!
英語は得意です!」
「じゃあ、こんどナンシーを紹介してあげるよ」
「ホントですか!」
りんごが飛び跳ねて喜んでいる。
外人さんとお友達になりたいのかな?
「ところで、アヤは英語を話せないのか?」
アヤは目をそらしている……
舞衣さんや百合恵さんの方を向いてみると―
二人も目をそらした。
なんだ、みんな英語できないのかよ。
俺は…魔法で覚えただけだから自慢はできないけど……
ん、魔法?
そう言えば、【言語一時習得の魔石+2】を使えば、英語を習得できるじゃないか!
本当は真面目に勉強すべきところだけど、
今度、アヤたちを【瞬間移動】でアメリカに連れて行って、
【言語一時習得の魔石+2】を使わせて、英語を覚えさせよう。
そうすれば、ナンシーが来た時もちゃんと会話ができるし。
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その日はみんな泊まっていったものの、
翌日にはワイドショーで百合恵さんが取り上げられることもなくなり、
百合恵さんは、自宅に戻ることが出来た。
しかし舞衣さんは、まだ百合恵さんを一人にしておくのは不安だということで、百合恵さんの家にお泊りしに行った。
舞衣さんが百合恵さんの所に泊まるとか、前の百合恵さんだったら、心配でたまらないところだけど……
今の百合恵さんなら問題無いだろう。
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その後、何日過ぎても、
百合恵さんは、性格が変わってしまったまま、戻ることはなかった。
ちゃんと、元に戻るのだろうか……
ご感想お待ちしております。




