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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族編2
248/438

238.ニッポ防衛戦

 各街の様子を見てみると―


 イケブの街と、リルラのいるシンジュの街は、敵が少なく、かなり押し気味だ。

 舞衣さんのいる魔族の街も、危なげない戦いをしていて大丈夫そうだ。


 アヤとヒルダのいるニッポの街は、若干押され気味になっている。

 先ずはここから加勢するか。


 他の街も、一応確認したが、新たな敵は確認できていない。

 悪魔族も、もう駒を出し尽くしたと見える。



「ライルゲバルト、その悪魔族の女の事は頼んだぞ。

 後で拷問して事情を吐かせるから、殺したりするなよ」

「わかった」



 俺は、エレナと百合恵さんの所に戻り―


「エレナ、しばらく百合恵さんを見ていてくれ、

 アヤとヒルダの手助けに行ってくる」

「分かりました、お任せ下さい」


 ここは、エレナに任せておけば大丈夫だな。


 俺は、【瞬間移動】でニッポの街へ飛んだ。


~~~~~~~~~~


 ニッポの街につくと、すでに日が沈み、暗くなってきていた。



「アヤ、ヒルダ、大丈夫か?」

「あ、兄ちゃんが来た!

 これで勝つる!!」

「セイジお兄ちゃん、もう飴がないです」


 あれだけ渡していた飴が、もうなくなっているとは……

 けっこう大変な戦いだったみたいだな。



「百合恵さんが見つかったぞ。

 いまエレナが介抱している」

「本当!?

 介抱って何処か怪我しているの?」


「怪我はしていない、眠ってるだけだ」

「そうか、良かった~」



「兄ちゃん、ヒルダちゃんの事は任せた。

 私は、ちょっくら行ってくる」

「トイレか?」


「違うよ!!

 悪魔族たちをやっつけてくるの!」

「ちょっと待て」


「なによ!

 止める気?」

「違う。

 あいつらは、百合恵さんに対して酷いことをした。

 遠慮は要らない、懲らしめてやりなさい」


 俺は、アヤに【クイック】の魔法をかけてやった。


「任された!」


 アヤは、餌を出された時の犬のように、

 ものすごい勢いで飛び出していった。


 そして、遠くで魔物や悪魔族が何体も吹き飛ぶのが目撃された。




 そこへロンドが、疲れた様子で話しかけてきた。


「セイジ、戻ってきていたのか。

 今、何かがすっ飛んでいったが、アレは何だったんだ?」

「アヤだよ」


「アヤさん?

 はは、また冗談を」


 どうやらロンドは、アヤのことをちゃんと理解していないようだ。



「戦況はどうだ?」

「敵の数が多くて苦戦している」


 やはりそうか、ここに加勢に来て正解だったな。




 そんな話をしていると、一人の兵士が大急ぎで駆け寄ってきた。


「大変です! 悪魔族が街に侵入しました!」

「なに!?」


 俺とロンドは、兵士に案内され、急いで現場に急行した。


----------


 現場には、たくさんの兵士が何かを取り囲んでいた。

 円の中心を見てみると―



 悪魔族が一人……


 笑い転げていた……



「なんだこれは!?」

「分かりません、発見した時にはすでにこのような状況になっておりました」


 なるほど、そういうことか!


「これはエレナの魔法の効果だな」

「セイジ、それはどういうことだ?」


「エレナが、この街を覆う魔法をかけただろ?

 アレの効果で、侵入してきた敵には、くすぐり攻撃がおそいかかるんだ」

「そうだったのか!

 エレナ様のおかげということか!

 なんと素晴らしい!!」


 ロンドは跪き、感謝の祈りを捧げた。

 完全に『信者』だな……




 そこにまた別の兵士が、息を切らせてやってきた。


「ロンド様、敵の連携が崩れています」

「なんだと!?」


 敵の方を見てみると、

 遠くで敵が、打ち上げ花火のように、ドッカンドッカン打ち上がっている。


 アヤの仕業だな。



 しばらくすると、その『(きたね)え打ち上げ花火』は―

 円を描くように、一定の場所を回り始めた。


 そして―


 敵のど真ん中に、巨大な竜巻が出来上がっていた。



 巨大竜巻に巻き上げられた魔物や悪魔族たちは、四方八方に飛び散り、雨のように降ってきた。



 しばらくして、竜巻が消えた後には―


 動かなくなった魔物や悪魔族の山と、

 その中心に仁王立ちするアヤの姿があった。



 俺は、アヤのもとに駆け寄った。


「お疲れ」

「ひゃー! 暴れた暴れた!」


 アヤは肩で息をしながらニッコリ微笑んだ。


----------


 巨大竜巻が決め手となり、

 魔物と悪魔族は、ちりぢりに逃げ惑っていた。



「突撃ーー!!!」


 ロンドの合図とともに、兵士たちが逃げ惑う魔物の群れに突撃を開始した。


「「おおーー!!!」」


 兵士たちが魔物を蹴散らし進む。

 これでもう大丈夫だろう。


----------


 しばらくして、戦いは完全勝利に終わった。


「セイジ、アヤさん…、ヒルダさん、ご協力感謝します」


 ロンドはそう言って、アヤに握手を求めたが、

 アヤは俺の後ろに隠れてしまった。


 ロンドも大変そうだな。



「ヒルダ、強くなったね…」


 ミーシャさんが、ヒルダをナデナデしまくっている。


「ミーシャさんのお役に立てて良かったです」


 ヒルダも、撫でられて嬉しそうだ。



 さて、他の街の様子はどうだろう。


 イケブとシンジュは、細かい戦いがまだ続いているが、だいぶ余裕がありそう。


 魔族の街は……

 まだ激しい戦いが続いている。



「アヤ、ヒルダ、舞衣さんがまだ戦ってる。

 助けに行くぞ」

「「はい!」」


 【瞬間移動】をしようと、二人が集まってきた所で、

 ロンドとミーシャさんもやって来た。


「セイジ、もう行ってしまうのか?」

「ああ、仲間がまだ戦っているんだ」

「そうか…… あまり無理をするなよ」

「ああ」


「アヤさんも、また来てくださいね」

「……」


 アヤ、なんか言ってやれよ。



 ミーシャさんは、ヒルダの手をとって、別れを惜しんでいる。


「ヒルダ、また遊びに来てね」

「はい」


 俺たちは、ロンドとミーシャさんに見送られながら、

 魔族の街へ飛んだ。


ご感想お待ちしております。

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