表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族編2
238/438

228.森の中の兄妹

 綿密な科学捜査が行われたが、けっきょく警察の捜査の進展はなかったようだ。



 余談だが、社長の長男さんは金曜の朝の時点で、両手だけではなく、両足も完全に治ってしまったそうだ。

 俺は、社長と部長に毎日呼び出されて昼食をごちそうになった。


----------


 金曜日の夕方。


 舞衣さんに家に来てもらって、召喚された可能性について説明した。



「じゃあ、百合恵くんは異世界にいるかもしれないって事かい?」

「これだけ警察に探してもらっても見つからないとなると、それしか考えられない」


「なるほど……

 それで、これから百合恵くんを探しに異世界に行ってくれるのかい?」

「ええ、そのつもりです。

 舞衣さんも来ますか?」

「もちろん行くさ!」


 話がまとまり、

 いつもより早いが、金曜の内に出発することにした。


~~~~~~~~~~


「王様、来たぞ」

「セ、セイジ!

 いきなり現れるな!

 しかも、今回は人が多いな」


「まあ、紹介とかは置いておいて、

 例の魔法使いの行方は分かったか?」

「あ、ああ、

 だいぶ前に、ニッポの街で目撃されたらしい。

 詳しくは、ロンドに聞け」


「ニッポか、じゃあ行ってくる」


「もう行ってしまうのか?

 せめてエレナを置いて…」

「じゃあな!」


 王様の話を遮って、俺たちはニッポの街へ向かった。


~~~~~~~~~~


「よう、ロンド、久しぶり」

「セイジ、エレナ様、

 それに…ア、アヤさん!」


 ロンド、なぜ照れる……


「アヤさん。

 今からディナーの準備をさせるから、食べていって下さい」

「ロンド……

 そんな事より、王様のところの魔法使いが、この街で目撃されたらしいけど、その話を聞かせてくれよ」


「ああ、あの事か」



 ロンドの指示で、一人の気弱そうな兵士がやって来た。


「例の魔法使いの事について話してやってくれ」

「はい、かしこまりました」



 その兵士の話によると……


・2ヶ月とちょっと前に、ニッポの街から出て行くのを見かけた。

・街を出て北へ向かった。

・それっきり街には戻ってきていない。


 以上の事が聞けた。



 魔法使いの事は、ロンドと一緒に王都に行った時に、王様と一緒にいた所を見て顔を覚えていたらしい。

 2ヶ月前といえば、ちょうどニッポの街で闘技大会に出場した頃だ。

 もしかして、あの時の闘技大会を見ていたのか?


 そしてニッポの街から北に向かって帰ってきていない。

 普通に考えると、魔物などに襲われて帰らぬ人となったという可能性が高いが……


 百合恵さんの件に絡んでいるとすると、どこかで健在なはずだ。

 街の北に何かあるのかな?



「俺はこれから、北を捜索してみる。

 みんなは、ここで待っていてくれ」


「ボクも一緒にいく」

「舞衣さん、悪いけど―

 魔法で探しまわるから連れてはいけない。

 なにか見つけたらすぐ知らせるから、みんなと待っていてくれ」


「そうか……

 わかった……」



「そうと決まればアヤさん、ご一緒にディナーを……」


 ロンドは急に元気になり、アヤの手をとってエスコートしようとしている。

 悪いやつじゃないんだけど……

 なんかムカつくな。


~~~~~~~~~~


 日が沈み、真っ暗な森の中を、

 俺は【電光石火】で駆け抜けていた。


 最近、一人で森の中を駆けずり回っていることが多い気がする……



 もうかれこれ3時間は走り回っているが、

 出会うのは、ゴブリンやオークや普通の魔物ばかり。


 もう、だいぶ北の方まで来てしまっている。

 流石に、こんな森の奥深くまで魔法使いが一人で来るはずはないか―


 もうちょっと東西に幅を広げて探してみるか。



 さらに3時間ほど経過し、完全に真夜中。

 俺は、西方面の探索を終えて、

 今度は東方面を探し始めたばかりだった。



 やっと悪魔族の反応があった!


 どうやら、何かと戦闘中らしい。

 俺は、気づかれないように近づいた。



 悪魔族の男が一人と、男女の二人組が戦っていた。


 女が怪我をしていて、男はかばいながら戦っている。

 そのせいで、男は防戦一方となり、かなり旗色が悪い。


 そして、その男女は、知っている人物だった。



 俺は、悪魔族の背中に【瞬間移動】し、【電撃】で気絶させた。


「なっ!?」


 男は、突然の出来事に驚いていた。


「久しぶりだな『ガドル』、『ハルバ』」

「!?

 お、お前は……『セイジ』!」


 悪魔族と戦っていた男女は、竜人族の兄妹、

 『ガドル』と、『ハルバ』だった。


 忘れている人がいるかもしれないが、

 この二人は、ニッポの街の闘技大会で俺やアヤと戦った竜人族の選手だ。



「セイジ、なぜここに!?」

「俺は、人探しだ。

 そっちこそ、なんで悪魔族と戦っていたんだ?」


「狩りの途中に野営をしていたら、ハルバの見張りの番の時に背後から襲われた」

「そう言えば、ハルバの傷は大丈夫か?」


「だ、大丈夫だ」


 ハルバはそう言っているが、あまり大丈夫には見えない。

 背中を切られ、おそらく毒に侵されている。



 エリクサー作成のついでに多めに作った【傷治癒薬】と【毒治癒薬】があったので、一本ずつ飲ませると、

 ハルバの顔色と傷は、ゆっくりと治っていった。



「すまない」「ありがとう」


「まあいいさ、悪魔族退治のついでだ。

 それよりニッポの街まで送ろうか?」

「いや、俺たちはニッポの街ではなく竜人族の村に帰る」


「竜人族の村? この近くなのか?」

「すまないが、場所は教えられない」


 隠れ里、と言うことか。



「おっと、忘れるところだった。

 ガドルには、もう一つ用事があったんだ」

「ん? なんだ?」


「前に槍を預かったままだったよな。

 あれを返さないと」


「あの槍か……

 しかし、あの槍は呪われていて、処分したのではなかったのか?」

「まだ手元にある。

 それと、【呪い治癒薬】が手に入ったから、呪いを解くことが出来るぞ。どうする?」


「【呪い治癒薬】……

 高価なのだろう?」

「まあ、それなりにな」


 嘘です。

 ぶっちゃけ、スキル上げで作ったのが大量にあるから、余ってるんだよね~



「実は、あの槍は村に代々伝わる大事な物なのだ。

 すぐに代金を払うことは出来ないが、

 できれば、呪いを解いて欲しい」

「そうか、ではさっそく」


 俺はその場に、例の槍、【魔人の槍】をボロンと出した。

 そして、【魔人の槍】に【呪い治癒薬】をふりかける。


ジュッ!


 槍から何やら黒い煙のようなものが立ち上がり、上空に登って消えていった。


 槍を【鑑定】してみると―


┌─<鑑定>────

│【竜人の槍】

│装備した者のステータスを上昇させ

│精神を落ち着かせる

│竜人族が装備すると、さらに効果上昇

│レア度:★★★★

└─────────


【魔人の槍】が【竜人の槍】に変化していた。


「呪いは解けたぞ」


「すまない、ありがとう」

「ありがとうございます」



「槍のお礼がしたい、村に来てくれないだろうか?」

「村の場所は教えられないんじゃなかったのか?」


「危ない所を助けられ、

 さらに槍の呪いを解いてくれた恩人とあらば、

 村の者たちも分かってくれるだろう」



 人探しの途中だったが……

 竜人族たちにも悪魔族の事を教えておいたほうがいいだろうし、

 ちょっと行ってみるか。




「所で、この悪魔族はどうする?」

「殺す」


 ガドルは、気を失っている悪魔族の心臓めがけて、槍を躊躇なく突き刺した。


 容赦ねえ……


ご感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ