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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族編2
234/438

224.ゲスい店長

 俺たちはエビスの街を離れ、スガの街の武器屋に来ていた。


「こんにちは~」

「なんだ、うちの庭を壊したやつか」


 いつまでそのネタを引っ張るんだ。


 皆さん忘れてるかもしれないが、前に【魔力のロッド】を購入した時、試し殴りさせてもらって、庭にクレーターを作成したのだ。

 そして、この店長さんは、美人店長さんだ。



 しかし、店長さん、なんだかいつもより不機嫌そうだな。

 どうかしたんだろうか?



「何しに来たんだ?」

「えーと……

 杖を作ってもらおうかと思いまして……」


「杖を、作る?

 出来合いのものじゃダメなのか?」


 エレナは、作りたてほやほやの【回復強化魔石+5】を店長さんに差し出した。



 店長さんは、その魔石を見た途端、目の色を変え、

 魔石をジロジロと見ている。


「なるほど、えらく品質の高い【回復強化魔石】だね。

 出来合いの物じゃ勝負にならないな。

 しかし……

 こんな高級な魔石を使うなら、杖の素材もそれなりのものにしないと」


「とりあえず、一番いい素材で頼みます」

「ほう、そりゃまた豪儀(ごうぎ)だね~

 50000ゴールドでどうだ?」


 た、高い……

 まあ仕方ないか。


「それでお願いします」

「まいど!」



 店長さんは、急に機嫌が良くなり、

 散らかっていたテーブルの上を片付け始めた。



 あれ?

 いま片付けようとしている物って……


 テーブルの上には、ひょうたん型の魔石と、木製の小さな樽の様なコップ。


 ひょうたん型の魔石は【双子魔石】だろう。

 そして、木のコップの底に、その双子魔石の片割れが埋め込まれていた。



「これってもしかして……」

「あー、ダメだダメだ、それは極秘の依頼のものだ」


「しかし……

 木のコップだと、声の振動が双子魔石に届かないのでは?」

「こ、声!? 振動??

 もしかして、この作りかけの魔道具がなんだか分かるのか?」


「離れた人と会話するための魔道具でしょ?

 キセリさんに依頼されたんですよね?」

「な、なぜ、それを知っている!?」


 やはりそうか。


「キセリさんの所で、紙コップの試作品を見ませんでしたか?

 あれを作ったのは俺ですよ」

「なん、だと!?」


 店長さんは、血走った目でにじり寄ってきた。


「どうしても上手く出来ないんだ。

 問題点を指摘してくれ」


 どうやら、依頼されたものの、上手く作れず焦っていたようだ。



「素材が木ではダメです」

「しかし、試作品みたいな上等な紙などないし、

 紙でコップなど、作れるものが居ない」


「魔物の革はどうですか?」

「ああ、魔物の革ならあるが……

 革でコップを作るのも無理だ」


「コップ全体を革で作る必要はありませんよ、

 コップの底だけ革にして、後は木でも大丈夫です」


「なるほど、コップの底の素材が重要なのか」


 店長さんは、木のコップの底を金槌で乱暴にぶっ壊し始めた。

 けっこう豪快だな。



「あ、革を張るときは、たるみがないように張ったほうがいいですよ」

「わかった」


 底に穴を開けた木のコップに革を張り付け、接着剤のようなもので、革部分の中央に魔石をくっつけた。


「これでいいのか?」

「大丈夫だと思います」


 動作テストをやってみると……


 丈夫な上に、紙コップ版より音がクリアに大きく聞こえる。

 これはいいな。



「やった! 成功だ!!」


 店長さんは、俺の手を取ってぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる。

 この人、けっこう可愛らしい一面もあるんだな。


「ぐへへ~ これで大儲けだ!」


 この人、けっこうゲスい一面もあるんだな。



「店長さん、悪魔族の件はご存じですか?」

「ああ、なんか人族の街を襲ってるらしいな」


「その件が片付くまでは、この魔道具を一般の人に売ったりはしないで下さいね」

「ん?

 ああ、そうか!

 これが悪魔族に渡ったら、悪用されるのか!」


 今気がついたんですか?


「まあ、しょうが無いな。

 それまでに、双子魔石を……

 買い占めておくか…ぐへへ」


 ゲスい、ゲスすぎる!!



 杖の作成は5日ほどかかるそうなので、

 俺たちは、魔石を預けて武器屋さんを後にした。


~~~~~~~~~~


 最後の目的地である『シナガの街』に向かうため、

 みんなにスガの街で待っててもらって、

 俺は、悪魔族と戦った場所から、【電光石火】で東に走っていた。


 一時間ほど走った所で、『シナガの街』が見えてきた。

 街にはみんな一緒に入るつもりなので、いったんスガの街に戻って、【瞬間移動】でみんなを連れて戻ってきた。



「へー、あそこが『シナガの街』か~

 ん?

 なんか、煙が上がってるけど…大丈夫なの?」

「あ、ほんとだ」


 アヤに言われるまで気が付かなかったが、

 街のあちこちで煙が上がっている。



「セイジお兄ちゃん、あれは鍛冶屋の煙ですよ」

「ん? ヒルダ、この街を知ってるのか?」


「ええ、私、この街出身なんです」


 へー、ヒルダはこの街出身なのか。


 しかし、煙はたくさん上がっている、

 ずいぶん鍛冶屋が多い街だな。



 街の入口に到着すると、警備をしていた兵士に呼び止められた。

 悪魔族の侵入を防ぐための警備とかで、身体検査をされてしまった。


 おいバカ、変な所を触るな!



 あ、ちなみに、女子たちの身体検査は女性兵士が担当していたので大丈夫だ。



 『シナガの街』は、ほんとに鍛冶屋が多かった。

 大通りに並ぶ店は、2軒に1軒は鍛冶屋な程だ。


 まあ、鍛冶屋には用がないので、

 俺たちは、道行く人に場所を聞いて【火のマナ結晶】と【光のマナ結晶】の場所へ急いだ。


~~~~~~~~~~


 【火のマナ結晶】の場所に到着すると、

 なにやら工事が行われていた。


「すいません、【火のマナ結晶】を参拝したいのですが……」


 警備兵に話しかけてみた。


「現在、参拝禁止だ」

「え!? どうしてですか?」


「悪魔族対策だそうだ。

 悪魔族に【火の魔法】を悪用されないためだとさ」

「そんな……

 せっかくここまで来たのに」


「えーと、現在参拝が許されているのは……」


 なにか条件があるのか?


「魔法で火を出すことが出来る者だけだそうだ」

「え? それって、【火の魔法】が使える人だけしか参拝できないってこと?」

「まあ、そういうことになるな」


「それって、ぜんぜん意味無いですよね」

「まあ、そうだ」


 うーむ、どうしよう……

ご感想お待ちしております。

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