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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
悪魔族編2
227/438

217.エビスの街


「それじゃあ、俺はマサムネさんの所に行って刀を受け取ってくるけど、みんなはどうする?」


「ボクは魔法を使った動きを確認してみたいかな。

 日本じゃおいそれと魔法を使えなかったからね~」


「じゃあ私が、部長の相手をしてあげる」

「アヤくんありがとう」



「私も魔法の特訓をしたいです」


 ヒルダも、そう言い出した。

 先週せっかくマナ結晶を廻ったのに、使って見る機会がなかったからな~


「それじゃあ、私がヒルダに魔法を教えますね」



 舞衣さんの特訓にアヤが、

 ヒルダの特訓にエレナが付くと言うことは……


 けっきょく誰も、俺には着いてきてくれないということか……

 寂しくなんかないやい! グスン……



 4人は、シンジュの街の外で特訓することとなり、

 俺は一人寂しく、マサムネさんの所へ。


~~~~~~~~~~


「こんにちは~」

「おう、来たか」


 マサムネさんは、さっそく鍛え直した刀を出してくれた。


「あれ? 何だか前と違う感じですね」

「そうじゃ、今回鍛え直したことで、もう『試練の刀』ではなくなっている。

 こいつの名前は『白帯刀(しろおびがたな)』だ」



 鑑定してみた。


┌─<鑑定>────

│【白帯刀】

│刀術を認められた証となる刀

│使用者の癖を吸収し、強くなる

│能力:【刃風】の威力上昇

│レア度:★★★★

│試練:

│ 風属性魔物討伐 0/10

│ 水属性魔物討伐 0/10

│ 土属性魔物討伐 0/10

│ 火属性魔物討伐 0/10

└─────────


 白帯ってことは、この上に黒帯とかもあるのか?

 試練が、なんだか面倒くさそうな感じになってる!

 今回の試練は、一日二日で出来そうにないな。


 俺は、マサムネさんにお礼を言って、シンジュの街へ戻った。


~~~~~~~~~~


 シンジュの街の外の草原で、

 舞衣さんとアヤ、ヒルダとエレナが特訓していた。


 舞衣さんとアヤは、

 目にも留まらぬスピードで、空手の試合をしていた。


 まあ、空手とは言っても―

 爆発したり、竜巻が巻き起こったりしているので、通常の空手とはちょっと違うけどね!



 ヒルダとエレナは、

 氷の竜巻を発生させたり、炎の竜巻を発生させたりしていた。



 それとは別に、街の入口付近で、数名の兵士や冒険者達が、こちらの様子をうかがっている。

 様子をうかがうというよりかは、あまりの出来事に口が半開きのまま、唖然としているだけなのだが。



「あ、兄ちゃん、もう用事は済んだの?」


 アヤが舞衣さんとの戦闘を中断して、こちらに駆け寄ってくる。


「出来上がった刀を受け取ってきたけど、

 今度はこれからエビスの街まで、ひとっ走りしてくるから、そのまま特訓を続けてていいぞ」

「はーい」



 俺はアヤ達と別れ、シンジュの街から南に向かって走り始める。


 しばらく走って、誰にも見られていないことを確認し、【電光石火】を使って速度を上げた。


~~~~~~~~~~


 一時間ほど走った所で、丘の向こうから煙が上がっているのが見えてきた。


 あれが『エビスの街』かな?



 丘を超えると、山脈の(ふもと)に広がる街並みが見えてきた。


 しかし、様子がおかしい。


 街のあちこちから黒い煙が上がっていて、

 建物や塀などが、色んな所で崩れている。


 更に近づいてみると、怪我人がそこかしこで横たわり、命が失われてしまっていると思われる人達もいる。



 やっと街の入口にたどり着いた俺は、怪我を負って座りこんでいる兵士に聞いてみた。


「一体何があったんですか?」


「シンジュの街から来た冒険者か?

 実は、昨日の夜中に、街が奇襲にあったのだ」


「奇襲!?

 もしかして悪魔族ですか?」


「悪魔族? ああ、そうか、悪魔族か!

 確かに角が二本生えた奴等が居た。

 そいつらが、大量の魔物を引き連れて襲ってきたんだ」


 くそう、悪魔族の奴等、とうとう実行に移しやがったのか!


「怪我人がたくさんいるみたいですが、

 この街に回復魔法師は居ないんですか?」

「何を言うか!

 この街は【回復魔法の神殿】がある街だぞ?

 どこよりも沢山の回復魔法師が居る」


「では、何故、怪我人がこんなに居るんですか?」


「回復魔法師達が住む地区へと続く道が、崖崩れで通れなくなっているんだ。

 いま、生き残った者たちで復旧作業を急いでいる。

 しかし、人手が足りなくて……」


 その兵士は、そこまで話すと、座ったまま気を失ってしまった。



 これはかなりまずい状況だな。急がないと!



 俺は、【瞬間移動】でシンジュの街へ舞い戻った。


~~~~~~~~~~


「みんな! 特訓は中止だ!」

「あ、兄ちゃん、お帰り。

 どうかしたの?」


「エビスの街が、悪魔族に襲われて、

 怪我人がたくさん出ている。

 みんなで、復旧の手伝いに行くぞ」

「「はい!」」「「おう!」」


 俺は、みんなを連れて、急いでエビスの街に戻った。


~~~~~~~~~~


「エレナは、怪我人の治療をしてくれ。

 一人に時間をかけ過ぎないように、

 あと、なるべく重傷者を優先だ」

「はい」


「ヒルダもエレナの手伝いをしてやってくれ、

 もしもの時のために、飴を渡しておく、

 頼んだぞ」

「はい」


「舞衣さんとアヤは、俺と来てくれ。

 崖崩れ現場の復旧作業を手伝う」

「「おう」」



 怪我人の治療をエレナとヒルダに任せ、

 俺たちは崖崩れ現場に急いだ。


----------


 崖崩れ現場には、10人ほどの人が復旧作業にあたっていた。


 しかし、みんな何処かしらに怪我をしていて、体力的にも限界が来ているように見える。



「俺達は、シンジュの街から来た冒険者です。

 復旧作業を手伝います」

「あ、ありがとう、助かるよ」


「すいませんが、危ないので皆さん下がって下さい」


 怪我人達を下がらせると―



 舞衣さんが拳で、大岩を砕き、

 アヤが吸引力の変わらない竜巻で砕いた岩を吸い上げ、脇に積み上げていく。

 俺は俺で、大きな岩をインベントリにしまったり、崩れそうな崖を【土の魔法】で補強したりしていた。



「あんたら何者だい!?」


 あまりの手際の良さに、驚かれてしまった。


ご感想お待ちしております。

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