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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
禁断の薬編
225/438

215.エリクサーの奇跡

 水曜日。


<例のアレ・効果報告会(二日目)>


 前回の会議がだいぶ長引いてしまった事もあって、

 今日は、『うなぎ屋』で昼食がてら報告会をすることになった。


 なぜ『うなぎ屋』かというと……

 部長が精力をつけたいからだそうだ。

 調査を名目にハッスルし過ぎなんじゃないか?



「それでは、第二回、例のアレ・効果報告会を開催いたします」



 俺の報告は、また1cm増えたというだけで、

 部長の報告は、また乳繰り合っていた報告だった……


 昨日、アレだけ凄い社長の話を聞いたにも関わらず、しれっと普通に会議を進める部長って、結構大物なのかもしれないな。



「では、最後に社長の報告をお願いします」


「うむ

 先ずは、わた…Aさんだが、左右の生き残り区域と産毛地帯が、だいぶ広がってきている…そうだ。

 孫娘は、どか食いがなくなって、ちゃんと満腹を感じられるようになったのと、顔が若干ほっそりしてきた感じだ」


「もしかして孫娘さんと一緒に住んでいらっしゃるんですか?」

「ああ、私と妻と、長男家族、次男家族、3世帯住宅だ」


 ずいぶん大所帯なんだな~


「最後に、長男だが……

 顔の凍傷が若干治りかけてきている」

「ホントですか! それは凄い!」


 社長の報告に、部長も驚いている。


「ありがとう、手足の方も何やら痛みが引いてきていて、希望が持てそうだ」


 効果報告会は、終始和やかに進み。

 美味しいうなぎに、三人仲良く舌鼓をうった。


~~~~~~~~~~


 木曜日。


<例のアレ・効果報告会(三日目)>


 今日は、『寿司屋』に来ている。

 もちろん、回っていない。

 そして、ここは社長のおごりだ。


 何故か他のお客さんがいないと思ったら……

 今日は、この店を貸しきっているそうだ。


 お昼時に、お寿司屋さんを貸しきるとか、一体いくらかかるんだろう?



「では、例のごとく丸山君から」

「はい、今日は2cm増えたそうです」


「ほう、ここに来て2cmとは、凄いな」

「ええ、ブラがキツくなってきてしまったそうです」


「なるほど、そういった弊害もあるのか……」


「まあ、本人は喜んでいるので、問題無いです」


----------


「続いて私ですが」


 部長は、いやらしい顔で報告を開始したが。

 突いたり、摘んだり、弾いたり、挟んだりと、

 調査の名目でやりたい放題したことを、わざわざ報告しなくても結構です!


 夫婦共に、若かりし頃の体型を徐々に取り戻しつつあるということで、かなりハッスルしてしまった、ということらしい。

 そんな情報はどうでもいいんだけどね……


----------


「では、最後に社長の報告をお願いします」

「うむ」


 社長は、改めて俺の方を向いて。


「丸山君、君にはとても感謝している」


 改まってなんだろう?


「しかし、あの飲み物は……

 一体何なんだ!」


 うーむ、社長もアレの異常性に気がついちゃったかな?

 まあ、無理も無いけど。

 上手く誤魔化さないとマズイな。



「何なんだと言われましても、一体何があったんですか?」

「他のも常識外れだが、

 特にあの傷の治りを早くする奴!

 アレは異常だ」


 まあ、エリクサーだしな~


「長男の凍傷だが、

 まず、痛みが完全に和らいだそうだ。

 そして、手首あたりまで壊死していた両手が、手のひらの半分ほどと親指の付け根辺りまで、回復してしまっている。

 さらに、顔だ!

 顔の凍傷が半分ほど回復して、残りは鼻と頬だけになっている。

 こんな事は、ありえない」


「そ、そうですか……

 そんなに治ったのですか……」


 うーむ、予想以上の治り方だな。



 ちょっと釘を差しておく必要がありそうだな。


「私としても、予想以上の効果に驚いています。

 ただ、このことが(おおやけ)になって大騒ぎになれば……

 もう二度と手に入れることは出来なくなると思います」


「そ、そうだよな。

 丸山君とて予想外の状況なのだよな。

 うむ。

 手に入れられなくなってしまうのも問題だ……」


 社長も分かってくれたらしく、それ以上は突っ込んだりはしてこなかった。


 部長は、ちちくりの事しか考えていないので大丈夫だろう。


「続いて、孫娘の件だが……

 顔のむくみが完全になくなって、ほぼ元の可愛い顔に戻ってきている。

 あの子自身も元気を取り戻したらしく、閉じこもっていた部屋から出て、普通に接してくれるようになった」


 ほう、可愛いのか……

 ちょっと見てみたいかも。



「最後に、ハゲのAさんだが……

 実は、Aとは……

 ……私の事、なんだ……」

「……ナ、ナンデスッテー!!」


 ここは、驚いたふりをしてあげるのが大人というものだ。

 しかし、よく打ち明ける気になったな。


「まあ、見てくれ」


 社長は、恐る恐る、カツラを外した。



 カツラの下から現れた頭は……

 五分刈りの状態だが、左右の部分が若干伸びた変な感じの状態だった。


「五分刈り?」

「あ、ありがとう」


 俺の思わず出た一言に対して、社長は感謝の言葉を発した。


「これでも、アレを飲む前は、不毛の大地だったんだ」


 これは信じられない、ものすごい発毛速度だ。

 まあ、部長の生え際もだいぶ目立たなくなってきていることだし、これがアレの実力のほどなのだろう……


「日曜日に床屋に行って整えてもらったら、来週からカツラをやめることにする。

 会社の奴等の驚く顔が、早く見てみたいものだ」


 社長は、そう言ってニッコリ微笑んだ。


~~~~~~~~~~


 金曜日。


<例のアレ・効果報告会(最終日)>


 今日は、開催時間を夜に移し、

 場所はなんと!最終日らしく『料亭』だ。


 料亭なんて初めて入ったよ。



 社長は、今日一日ずっと帽子をかぶっていたが、

 部屋に入って一息つくと、帽子を脱いだ。


 帽子を脱いた下から現れた頭は……

 普通の短髪頭だった。


「社長、その髪の毛、もしかして……」

「そう、本当の地毛だ」


 部長は、社長の髪の毛を褒めちぎっていたが、

 部長は部長で、生え際が普通の状態に変化していた。


 しかし部長、貴方の部下たちは、貴方のことを『増毛だ』と噂していましたよ?


----------


「まあ、お互いの髪の毛のことは、もう十分だろう。

 他の報告をしようじゃないか」


 社長はニコニコ顔でそう切り出した。


「そうですね! では。

 例のごとく、丸山君から」



「月曜日から今日までの変化の合計は

 アンダーが変わらず、トップは+6cmでした。

 あと、若干寄せてあげている状態になっていることと、

 トップ周辺が、若干くすみが減ったそうです。

 最終報告は以上です」


「うむ、トップの増え方はそれなりだが、

 それ以外の変化は微妙だな。

 もともとそれほど問題のなかったオッパイだったのかな?」


 部長……

 部屋に俺たち3人だけだからって、オッパイ言うな!


----------


「続いて私の報告ですが」


 部長が、そういいながら、ポリポリ頭をかいている。


「そのですね、今朝くらいはちゃんとした計測をしようと思っていたのですが……

 計測中にムラムラとしてしまいまして、

 結局、計測する事をわすれて…ハッスルしてしまいまして」

「君は、朝からナニをしているんだ!」


 社長に怒られてやんの。


 そして、俺と社長の白い目が、部長に向けられる。


「いや、ですが……

 もう、なんと言いますか~

 こう、アイツの体型がですね、出会った頃みたいでして、

 体がですね、その頃のことを思い出してしまってですね」


 部長、きもいよ!



「もう報告は結構だ」

「申し訳ありません」


 とうとう、社長が止めに入った。


「まあ、あれだ、正確な数値は分からなくても、

 印象というか、そういった面で、効果が明確にあったことは理解できたから、それで良しとしよう」

「社長ありがとうございます」


 まあ、部長の説明を聞いてても得るものは何も無いだろうしね。



----------


「最後に私の報告だが……」


 社長が最後の報告を始めた。


「奇跡とは本当にあるものなんだな……

 というのが、正直な感想だ」


 奇跡(・・)ね……


「私の髪の毛は、見たとおりだ。

 そして、孫娘は、

 食事の量などは、完全に正常に戻り、

 体型も、すこしポッチャリしているかな?と言った程度にまで改善した。

 顔に至っては、太る前よりちょっとスリムになったかもしれない。

 そして、アイツときたら……

 またアイドルを目指すとか言いよって、ランニングをしたりダンスのレッスンもしておった。

 まったく、こりんやつだよ」


 しかし、そんな事をいいつつ、社長の顔は終始デレデレだった。



「そして長男の状態だが、

 顔の凍傷が完全に消えた。

 あと、両手の凍傷は、指先が少し残っている程度で、それ以外すべて回復した。

 おそらく土日で両手も完治するだろう。

 これは、ありえないことだ。

 足は治っていないが……

 もしかして、もう一本飲めば治るのではないか?」


「どうでしょう、例の物はもう一本ありますが、試してみますか?」

「是非譲ってくれ!」



 俺は、エリクサーをもう一本、社長に渡した。


「前回は、月曜の夜に飲んだということでしたので、

 次を飲むのも、今度の月曜日の夜以降にしたほうがいいと思います」

「うむ、分かった」



「そう言えば、部長もコレをお渡ししましたよね?

 アレは使ってないんですか?」

「すまん、勢いで受け取ってしまったが、

 こんな凄いものだとは思ってなくて、

 怪我をした時の為に取っておこうと……」


「別に構いませんよ、

 もしもの時は、使って下さい。

 また手に入るようでしたらご報告しますから」

「すまないね」


----------


「ところで丸山君」

「なんですか?社長」


「代金の件なのだが、

 どうしたものかと思ってな……」

「まあ、アレの効果は1週間で、まだ土日もありますから。そういう話は、その後でということで」


「分かった、では来週、それなりの用意をしておく」

「はい、分かりました」



 こうして俺達は、固い握手を交わし―

 料亭で、素晴らしい料理とお酒を頂いた。


 さて、来週が楽しみだ!


ご感想お待ちしております。

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