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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
禁断の薬編
223/438

213.ホウレンソウ

 出社した俺は、さっそく部長に話を持ちかけた。


「部長、少しお話があります」

「ん? 何の話だね?」


「えーっと、社長にもお話を聞いていただきたいのですが……」

「なるほど、例のアレ関係の話だね」


 部長は、俺が何を話したいかを理解してくれたらしく、さっそく社長に連絡を入れてくれた。


~~~~~~~~~~


「おう、丸山くん、例の薬の時は本当に世話になったね」


 忘れてる人が居るかもしれないが、『丸山』は俺の事だ。


 俺と部長と社長は、社長室のソファーでヒミツの会議を行っていた。



「で、改まって何の話なんだい?

 まあ、君のことだから、また凄い話なんだろうけど」


 社長の中で、俺の評価がうなぎ登りだ。



「実は、例のアレとはまた違う物を手に入れまして、

 真っ先に部長と社長にご報告をと思いまして……」

「アレもすごかったが、また違う物?

 ものすごく、興味がそそられるな」


「実は……」


 俺は、応接セットのテーブルの上に、4種類の薬を並べた。



「ん? 幾つか種類があるのかね?」

「ええ」


 先ずは、エリクサーを手に取り―


「これは、かなりな大怪我などに対して、治りを早める飲み物です」

「なん、だと!?」



 俺は、続けざまに他の薬を説明する。


「他のは、頭髪、肥満、胸の問題に対応する飲み物です」


「!!?

 ……すまん、今なんて言った?」


「噛み砕いて言いますと……

 ハゲ、デブ、ペチャパイに対応する飲み物です」


 社長と部長は、口をあんぐりと開けたまま固まってしまった。



「いやいや! まさかそんな!」


 そうだよな、いきなりこんな話、信じるはず無いよな。


「信じていただけないのは、ごもっともです。

 今回の話は忘れて下さい。

 他を当たることにします」


 俺は席を立ち、一礼をして、退出しようと……


「ちょっと待った、丸山くん!」

「はい、なんでしょう?」


「べ、別に信じないとは言ってないだろ。

 まあまあ、座りなさい」

「はあ」



 俺が元の席に座るやいなや、部長が俺の肩をたたいた。


「私は、はじめから君の事を信じていたぞ!

 頭髪、肥満、胸のやつを1つずつ譲ってくれ」

「あ、ずるいぞ!

 私も傷のやつを含めて全部だ!」

「いや私は、全部2つずつで!」

「では私は、3つずつだ!!」


 部長の抜け駆けがきっかけとなり、二人は競うように欲しがり始めた。



「おふたりとも、落ち着いて下さい。

 そんなに沢山はありませんよ。

 胸のやつは、妹が1つ使ってしまったので2つしかなくて、

 他のやつは、3つずつだけです」


「そ、そうか……

 では私は、頭髪のやつを2つで、他を1つずつにしてくれ」

「では私は、肥満のやつを2つで、もちろん他のやつも1つずつで」


 社長が頭髪、部長が肥満を2つずつか……

 部長は体型的にうなずけるが……

 社長のは、誰が使うんだろう?



 俺が社長の頭辺りをチラチラみていると……


「か、勘違いするでないぞ?

 私のこの頭は、地毛だからな!

 嘘じゃないぞ!!」


 俺は、何も言ってませんが……



「えーと、知り合いに譲る場合でも、他言無用をくれぐれもよろしくお願いしますね」

「ああ、もちろんだとも!!」



 社長と部長は、薬の瓶をいそいそとかばんにしまいこんだ。



「ところで丸山君、

 君の妹が胸のやつを飲んだのかね?」

「ええ、自分としては飲む必要がないと思うのですが、

 本人たっての希望でして」


「で、効果はどうなんだね?」

「今朝飲んだばっかりですので、そう直ぐには……

 あ、でも、飲んでみた感想をメールで送ってくるはず」


ピコン!


「あ、ちょうとメールが届いたみたいです」


 社長と部長は、身を乗り出してくる。


「えーと、

 とりあえず、飲んですぐ効果が現れたりはしないみたいです」

「そ、そうだよな」


「で、味は抹茶味だそうです」

「ほうほう」


「あとは、エレナちゃんの触り方がエッ…

 おっと、これは関係ない内容でした」



「うーむ、今のところ分かったのは抹茶味ということだけか……」


 やはり社長も部長も、薬の効き具合が気になるらしい。



 社長は何やら考え事をしていたが―

 急に立ち上がり、こんな事を言い出した。


「では、こうしよう、

 今週は毎日、3人で集まって報告会を行おう。

 仕事の基本は、『ホウレンソウ』と言うしな!」



 社長の提案に、部長も俺も同意し、

 今週いっぱい『例のアレ・効果報告会』の開催が決定した。


ご感想お待ちしております。

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