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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
禁断の薬編
220/438

210.カツアゲ

唐突ですが、投稿者の『かつ』です。

この前書きには、特に意味は無いです。

「お風呂入ろ!

 部長も一緒に!!」


「アヤ、お前は日本に帰ってくると、いっつも真っ先に風呂にはいるな」

「だって異世界だと、お風呂に入れないでしょ」


 アヤ達4人は、楽しそうにバスルームに入っていった。


 まあいい、俺はさっそく薬品製作をしよう。

 早く、エリクサーや例の危ない薬を作ってみたいしな。


----------


 黙々と作業を続けていると、双子魔石が微かに振動しているのが感じられた。

 この振動、なんか心地いいな。

 リルラも、俺の鼓動を感じているのだろうか?


 俺は、そんな心地よさに包まれながら、作業を続けていた。


----------


「兄ちゃん、上がったよ~」


 どうやら、4人が風呂から上がってきた様だ。

 ずいぶん長いこと入ってたな。


 4人共バスローブを着て、頭から湯気を上げている。

 舞衣さんは、ヒルダ用の予備のバスローブを着ているが、少しぶかぶかだ。



 アヤがドライヤー魔法でみんなの髪を乾かしてあげていて、

 ヒルダが、その魔法を興味津々で見つめている。


「ヒルダちゃんもやってみる?」


 ヒルダが、アヤに魔法のやり方を教わってるけど、

 そんなに簡単に出来るわけ無いじゃん……


 って、出来てる!


 ヒルダは、アヤのドライヤー魔法をいとも簡単にやってみせた。

 ヒルダはやっぱり、天才なんじゃなかろうか!


 後でヒルダをナデナデしてやらねば!



「ところで、兄ちゃん、

 さっきから、なにジロジロ見てるの?」


「え!? あ! ち、違うんだ。

 エッチな気持ちで見てたワケじゃないぞ!

 『ほほえま~』な感じだ!」


「私、エッチとか一言も言ってないし。

 語るに落ちるとはこの事だね、兄ちゃん」


 アヤと舞衣さんが、俺を白い目で見ている。

 ヒルダは、事情がよく分かっていないみたいだが、

 エレナは、俺を恥ずかしそうに見つめている。


 ち、違うんだ。誤解なんだ!

 くそう、アヤの奴。覚えておけよ!!



「ところで兄ちゃん、夕飯は?」

「あ、忘れてた」


「もう、ダメじゃない!」


 なんで俺が飯を作る事が決定しているんだ?

 納得出来ない!


「あ、兄ちゃん、薬作ってたの?」

「そうだ、兄ちゃんは薬作りで忙しいんだ。

 俺は手が離せないから、出前でも取れよ」



「じゃあ、私が夕飯作ってあげる」

「ア、アヤが!?」



「私が作ります。ヒルダも手伝ってね。

 アヤさんは、疲れているでしょうから、ゆっくりしてて下さい」

「う、うん。

 エレナちゃんがそう言うなら、任せるね」


 エレナがアヤを止めてくれたおかげで、俺達の命は救われた。

 エレナ、まじ天使。



「舞衣さんは、何が食べたいですか?」

「ボクもごちそうになっていいのかい?」


「せっかくですから食べていって下さい。

 セイジ様、いいですよね?」

「ああ、食材はたんまりあるから、まったく問題ないぞ」

「ありがとう、そうするよ。

 そうなると、ボクが今食べたいのは……

 エレナ君は、『カツカレー』作れるかい?」


「『カツカレー』ですか、

 私も『カツカレー』は大好きなんですけど……

 『カツ』は、まだ作ったことないです」


 『カツカレー』か、考えただけでよだれが出てきてしまった。



「仕方ない、『カツ』は俺が作るから、

 エレナとヒルダはカレーを担当してくれ」

「「はーい」」



 俺は、インベントリに入れておいた『鹿児島産高級黒豚のロース』を惜しげも無く使って『カツ』を揚げていく。

 本当なら、カレーが出来上がってから揚げるところだが、俺にはインベントリがある。

 揚げたての熱々の『カツ』を、そのままインベントリにしまっておいて、食べるときに取り出すだけだ。



 俺が『カツ』を揚げ終わると、エレナとヒルダがカレー用の野菜を切り終わっていた。


 コンロの前をエレナ達に明け渡し、俺は薬品製作作業に戻った。


----------


 しばらくすると、カレーのいい香りが漂い始めた。


「セイジ様、カレーが出来ました。

 『寝かし』をお願いします」


 と、エレナが俺を呼ぶ。


「うむ、分かった」


 俺は、カレールーの鍋を、インベントリにしまう。


「お兄さん、何をするんだい?」

「カレーは、一晩寝かせるとおいしくなるだろ?

 魔法で、『一晩寝かせた状態』に、するんですよ」


「そんな事まで出来るのかい? すごいんだね~」


「セイジ様、ご飯も炊きあがりました」

「うむ」


 インベントリ内の時間を操作して、

 ご飯を30分蒸らし、カレーを一晩寝かせてから温めなおして、全て完成だ。



 熱々のご飯に、揚げたての『カツ』を乗せ、

 そこにエレナとヒルダのルーをかけていく。


 エレナとヒルダは、サラダと飲み物の準備をしてくれていた。



「「「頂きます!」」」


 5人が一斉に『カツカレー』へ襲いかかる。


「おいひー!」

「アヤ、口に物を入れたまま喋るなよ」


「らってー、おいひいんだもん! ゴクン。

 特に、この『カツ』が美味しすぎる!

 私、『カツ』大好き!

 愛していると言っても過言じゃないくらい!

 いやむしろ、『カツ』に抱かれたいくらい!!」


「おいおいアヤ、

 『カツ』だって相手を選ぶ権利があるだろ」


「そんなことないもん、

 私と『カツ』は相思相愛なんだから!

 ねー、カツ~

 『うん、ボクもアヤの事が大好きだよ』

 ほらー」


「!?

 いま、『カツ』が喋らなかったか!?」

「きっと『カツ』に宿る神様的な何かが、喋ったに違いないよ」



 アヤが『カツ』を褒めちぎっていると―


「セイジ様の揚げた『カツ』、とっても美味しいです」

「お兄ちゃんは、『カツ』揚げの天才です」


 ヒルダ、それじゃ俺が『カツアゲ』の天才ってことになるぞ。


「いやー、ボクもこんな美味しい『カツ』を食べたの初めてだよ」



 恐ろしい。

 みんな、『カツ』を褒め称えている。

 おそらく『カツ』に宿る悪魔的な何かが、アヤ達を操ってあんなことを言わせているに違いない。


 俺も、今後は『カツ』に逆らわないようにしよう……


ご感想お待ちしております。

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