209.本来の使い方
俺たちは、シンジュの街に戻ってきた。
「リルラ、今戻ったぞ~」
「お帰りなさい!」
やけに嬉しそうだが、なにか良いことでもあったのかな?
「あ、そうだ、頼まれてた【双子魔石】。手に入れてきたぞ」
「あ、ありがとう……」
リルラは、頬を染めて、ニッコリ微笑んだ。
あれ?? リルラって、こんなだっけ?
「兄ちゃん私のは?」
「セイジ様、私のも……」
アヤとエレナが割って入ってきた。
「リルラの分しか買ってきてないよ」
「なんでよー!」「そんな……」
「アヤもエレナも、いつも一緒に行動してるんだから、
必要ないだろ」
「そんなこと無いよ!
兄ちゃんが会社行ってる時とか~」
「その時は、スマフォがあるだろ」
「そ、そうだけど……
魔石を叩いて兄ちゃんを呼び出すってのを、やってみたかったんだよね~」
「俺は、『ランプの魔神』かなにかかよ!」
「セイジ様、私はスマフォを持ってないですよ!」
アヤの後は、エレナか……
「じゃあ今度、エレナとヒルダにスマフォを買ってやるよ」
「セイジ様、ありがとうございます!」
「セイジお兄ちゃん、私もいいの?」
「ああ、ヒルダも持っておいた方が何かと便利だしな」
「わーい、セイジお兄ちゃん大好き!!」
うーむ、月々の使用料が凄いことになりそうだ……
しかし!
可愛い子から言ってもらえる『ありがとう』や『お兄ちゃん大好き』は、プライスレス!
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ふと見ると、
リルラは、双子魔石を見つめてウットリしたままだった。
「おーいリルラ、どうしたんだ?」
「え? あ、べ、別に……」
リルラは、ニコニコ顔のまま、小さな小袋に双子魔石を入れ、その袋を紐で結わえて、自分の首に掛けた。
すると―
俺の持っていた双子魔石の片割れが、トクントクンとかすかに振動を伝え始めた。
これが、双子魔石本来の使い方か~
俺も、双子魔石の片割れをずっと持っててもしょうが無いので、自分の胸ポケットに仕舞った。
すると、リルラは自分の胸に手を当てて変な顔をしている。
よくわからん奴だな。
「さて、双子魔石の話は置いておいて、これの話をしよう」
俺は、そう言って、魔石屋のキセリさんと繋がっている双子魔石糸電話を取り出した。
「ん? これはお父様に渡したのではなかったのか?」
「これは、また別の人と繋がってるやつだよ」
「他の人?」
「イケブの街の魔石屋の、キセリさんだ」
「ああ、あの魔石屋か」
「リルラ、キセリさんを知っているのか?」
「ああ、有名な店だからな」
キセリさんの店って、そんなに有名だったのか。
「それで、なぜキセリなんだ?」
「キセリさんの店の魔石が、いくつか悪魔族に渡ってしまったらしいんだ」
「なんだと!?」
「まあ、キセリさんも街が悪魔族に狙われているなんて知らなかったんだし、仕方ないんだけどね。
今度のこととかをリルラと相談したほうがいいと思って」
「そうか、お父様とも話し合って、対応を検討しよう」
「俺からの話はこれくらいかな。
【聖水】の方は、どれくらいできたんだ?」
アヤがドヤ顔でテーブルの上に掛けられた布を取ると―
100円ショップで買っておいた100個の小瓶全部に聖水が詰められていた。
「全部つくったのか……」
「頑張ったんだからね~
例の薬を作ったら、私が優先だからね」
例の薬?
ああ、胸の薬か!
「アヤ、お前は別に必要ないだろ?」
「見たこと無いくせに!」
「ちっちゃい頃は、いつも見てたぞ?」
「その頃とは違うの!!」
どう違うか確かめたいような、確かめたくないような……
まあ、実験台にはちょうどいいからいいか。
「さて、もう日も傾きかけてきちゃったけど、
あと二箇所、さっさと廻って帰るか」
「あと二箇所も廻るの?」
「王都に戻って、風と雷のマナ結晶参拝でしょ、
最後は、マサムネさんに刀を預けに」
「マサムネさんて魔族の街でしょ、
最初によればよかったのに」
「途中で魔物とかと戦うことになったら困るだろ」
「他の武器もあるじゃん!」
「まあ、そうなんだけどね……」
~~~~~~~~~~
俺たちは、王都とマサムネさんの武器屋を廻って、日本に帰宅した。
ちなみに、ヒルダと舞衣さんの風と雷のレベルは……
ヒルダが、風と雷、両方共レベル3。
舞衣さんは、両方共レベル1だった。
ヒルダはやっぱり、魔法の才能があるのかもしれないな。
┌─<ステータス>─
│名前:ヒルダ
│職業:魔法使い
│
│レベル:17
│HP:380
│MP:1074
│
│力:33 耐久:29
│技:44 魔力:102
│
│スキル
│ 風3、雷3
│ 水3、氷3
│ 土1、火3
│ 肉体強化1
│ 短剣術1
│ 解体3
└─────────
┌─<ステータス>─
│名前:河合 舞衣
│職業:空手家
│
│レベル:22
│HP:3,137
│MP:1,901
│
│力:273 耐久:270
│技:226 魔力:190
│
│スキル
│ 風1、雷1
│ 水1、氷1
│ 火3、土2
│ 肉体強化3
│ 魔力感知3
│
│ 体術5、棒術5
│ 刀術3、短剣術4
└─────────
ご感想お待ちしております。




