207.幼女と街めぐり
ヤバイ薬のレシピをゲットした俺達は、
一旦、シンジュの街にUターンして、リルラの所へ帰ってきた。
「リルラ、頼みがある」
「へ? な、なんだ?
急に改まって」
「お前の聖水が欲しい!」
「私の、せ、聖水!?」
「そうだ、双子魔石を探してくるから、
それまでに、なるべく沢山作っておいてくれ」
「ひゃい」
ヤバイレシピを手に入れて、テンションMAXな俺の勢いに、リルラは押され気味だ。
「アヤとエレナも、リルラを手伝ってやってくれ、
俺はその間に、他の材料をかき集めてくるから」
「分かったよ、兄ちゃん!」
「あ、はい」
アヤがやる気MAXで【蒸留水】を作り、
エレナがまじめに【魔力水】を作り、
リルラが【聖水】を作っていく、流れ作業だ。
聖水作成部隊の3人を残し、
俺と舞衣さんとヒルダと3人で、
薬の材料をかき集めに、各街を廻るのだ。
ついでに、舞衣さんとヒルダを各地のマナ結晶に参拝させにも行く。
あ、ついでのついでに、ちゃんとライルゲバルトの書状も届けに行くぞ。
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先ずは、ニッポの街へやって来た。
ロンドに直接会って、ライルゲバルトの書状を手渡す。
「なるほど、悪魔族が人族の街を狙っているのか……
警備を強化するとしよう」
「俺に言われなくても分かっていると思うが、
レイチェルさんの開拓村の警備も強化してくれよ?」
「ああ、わかってるさ。
兵士を何人か送るのと、
冒険者ギルドに開拓村の護衛の依頼を出しておこう」
うむ、これだけやってくれれば、ニッポの街は問題なさそうだな。
「所で……
アヤさんは…一緒じゃないのか?」
「伝言だけなんだから、アヤは関係ないだろ」
「まあ、そう、なんだが…」
「用はそれだけだ、他の街も廻るので、これで失礼するよ」
ウジウジするロンドを放っておいて、次の場所へ向かった。
今日は、廻る場所が多くて大変だ。
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次に訪れたのは【肉体強化の神殿】だ。
ここのマナ結晶は、闘技大会に優勝しないと参拝できない事になっているが……
子供だったら、特別に参拝させてくれないかな?
俺の予想はドンピシャで、
舞衣さんとヒルダは一人10ゴールドで参拝出来た。
「ボクはまた子供のふりかい?」
「舞衣さん、そんなこと言わずに、頼みますよ。
大人だと、闘技大会に優勝しないと参拝出来ないんですから!」
「闘技大会だと!!?」
うわ、舞衣さんがものすごい勢いで食いついた!
「また今度、また今度にしましょうね。
今日は忙しいんですから」
「うむ! 絶対だぞ!!」
いきなりハイテンションになった舞衣さんと、それを微笑ましく見守るヒルダ。
二人をやっと参拝させ、いやがる舞衣さんとなんともないヒルダを【鑑定】してみると―
ヒルダはレベル1の【肉体強化魔法】を習得しており、
舞衣さんは、魔法のレベルは変わらなかったものの、
覚えてなかった【運動速度強化】と【耐久強化】を習得していた。
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次はスガの街だ。
領主の館に、ライルゲバルトの書状を届けに行ったのだが……
この街の領主とは面識がないので、門番に手渡して届けてもらった。
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続いては【水の神殿】だ。
【水のマナ結晶】の参拝は、やはり子供料金で10ゴールドだった。
舞衣さんも諦めたらしく、子供のふりをして参拝に向かってくれた。
【水のマナ結晶】と【氷のマナ結晶】の参拝を終え、【鑑定】してみると……
舞衣さんは、両方レベル1。
ヒルダは、両方共レベル3になっていた。
「二人とも無事習得できたみたいだけど……
ヒルダは両方共レベル3だ。
もしかして魔法の才能があるのかもしれないな」
そう言って、ヒルダの頭をなでなでしてやると―
「エレナお姉ちゃんが、勉強を教えてくれたお陰です」
ヒルダは、凄く嬉しそうに、にっこり微笑んだ。
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【水の神殿】に来たついでに、
俺たちは一件のアクセサリー屋に立ち寄った。
「お兄さん、アクセサリーでも買うのかい?」
「ああ、ちょっと良い物があってね」
探しものは直ぐに見つかった。
「すいません、この首飾り、何個有りますか?」
「4個だよ」
「じゃあ、その4個下さい」
「まいどあり~」
俺は、12000ゴールドを支払って4個の首飾りを受け取った。
「やけに高い首飾りだね、これをどうするんだい?」
「これは、【身代わりの首飾り】と言って、
致命傷を受けた時に身代わりになってくれる首飾りなんだ。
そして、2個は舞衣さんとヒルダに……」
そういいながら、俺は二人に首飾りを掛けてやった。
「お兄ちゃん、こんな高いもの良いんですか?」
「ああ、もちろんだとも」
「ボクまで貰っちゃって、わるいね~
後の2個は、どうするんだい?」
「百合恵さんとりんごにでも上げるかな」
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次なる目的地は、スガの街の『職人ギルド』だ。
そこでは、【マンドレイクの根】10本と、【辰砂】を50個分、購入した。
【辰砂】は、賢者の石の材料だ。
本当は、薬草なども欲しかったのだが……
品不足で購入できなかった。
まあいいさ、自分で取ってくるから。
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ということで、スガの街の近くの森へ来ていた。
ほんと今日は【瞬間移動】を使いまくりだ……
「お兄さん、幼女を森に連れ込んで、何をする気だい?」
「あれ? 舞衣さんは幼女だったんですか?」
「幼女じゃないよ!」
冗談はさておき。
「ここで薬草が取れるんですよ」
ここは以前に薬草を取りに来た場所なのだ。
俺は、おもむろに【大地の魔石】を取り出し、魔力を込めた。
ニョキニョキ
植物の伸びる音が聞こえそうなくらいに、周囲の植物が一斉に成長を始めた。
俺とヒルダの二人で、【薬草】を300本、【氷草】を100本、【紫草】を100本収穫した。
その間、舞衣さんは何をしていたかというと……
途中で襲ってきた熊の魔物と遊んでいた。
「舞衣さん、収穫終わりましたよ~」
「おっと、楽しくてつい遊んじゃったみたいだな」
舞衣さんが、熊の眉間に正拳突きを食らわせると―
熊は、断末魔の叫びを上げてぶっ倒れた。
「習得した魔法は使えそうですか?」
「うん、水と氷は大したことなかったけど、
肉体強化魔法はいいね!
体がものすごい速さで動くよ」
「水と氷は、こんどエレナに教わりましょう」
「うん、そうしようかな」
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最後に、イケブの街へやって来た。
ここも領主とは面識がないので、門番にライルゲバルトの書状を手渡して届けてもらった。
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そして、今回最後の目的地。
キセリさんの魔石屋だ。
店に入ると、店内は人がごった返していた。
なんだこれは?
前来た時は、こんなじゃなかったのに。
「これはセイジさん、いらっしゃい」
「ずいぶん、繁盛していますね」
「ええ、リルラ様のお陰です」
ん?
どういう事だ?
ご感想お待ちしております。




