205.子供の特権
ライルゲバルトに通信アイテムを渡しに行く必要があるのだが……
シンジュの街に来たついでに、土のマナ結晶と闇のマナ結晶に参拝する事にした。
参拝するのは、舞衣さんとヒルダだ。
「土のマナ結晶? 何だい、それは」
「えーと、触るだけで魔法が覚えられる、大きな宝石みたいなものですよ。 舞衣さん。」
「それはまた、ずいぶん便利な物だね。
土の魔法は、どんなことが出来るんだい?」
「俺とアヤがよく使うのは、走ったりして地面をける時に、踏ん張りを補助する感じの使い方かな」
「なるほど! それは良いな」
「ただ、参拝料が結構高いのが問題なんだよね」
「いくら位するんだい?」
「4500ゴールド」
「4500ゴールド!?」
値段を聞いて驚いたのは、舞衣さんではなくヒルダだった。
まあ、舞衣さんはゴールドがどれくらいの価値かしらないもんな。
「セイジお兄ちゃん!
わ、私は、土の魔法は使わないので、参拝しなくていいです」
「ん? 遠慮することはないぞ?
ちゃんと勉強してるんだろ?」
「し、してますけど……」
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金額を聞いてビビりまくるヒルダをなだめ、
俺たちは『土の神殿』にやって来た。
「すいません、この二人の参拝をお願いします」
「はいよ、二人で20ゴールドね」
「え!? 20ゴールド??
一人4500ゴールドじゃないんですか?」
「ああ、それは大人料金だよ。
10歳以下の子供は10ゴールド。
そっちの赤毛の子は、ちょっとお姉さんだけど……
まあ、おまけで10歳ってことでいいよ」
ずいぶん適当だな。
「ボクは、19歳だぞ!」
あ、舞衣さん。それを言ったら!
「あはは。お嬢さん、大きくなりたいなら、
いっぱい食べていっぱいあそぶんだぞ~」
どうやら、子供の冗談だと思ったらしい。
ごめん、舞衣さん。
20ゴールドを支払い、
ムッとする舞衣さんと、ホッとしたヒルダは、
土のマナ結晶を参拝しに、中へ入っていった。
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しばらくして、二人が出てきた。
「二人とも、どうだった?」
「すごかった……」
舞衣さんが、珍しく興奮している。
「大きな宝石の周りを、魔法?が飛び回っていた」
魔法が見えると、そんなふうに見えるのか!
「マナ結晶に触った時、どうでした?
なにか反応ありました?」
「うん。
なんか、魔法が……
無理やり、ボクの体の中に入ってきて……
ボクの体の中で、弾けた」
もうちょっと言い方ってものがあるだろうに……
「ヒルダはどうだった?」
「よく分かりません」
「それじゃあ、【鑑定】してみるね」
「はい」
ヒルダを鑑定してみると、土の魔法がレベル1だった。
まあ、勉強もちゃんとしてるし、当然だよな。
「舞衣さんも【鑑定】してみていいですか?」
「あ、ああ、良いぞ。
我慢する……」
【鑑定】されるのに、我慢が必要なのか……
お言葉に甘えて、【鑑定】してみると、
舞衣さんはレベル2の土の魔法を習得していた。
しかし舞衣さんは、【鑑定】されている間中ずっと、顔を赤らめモジモジしていた。
なんか、イケナイことをしている気分……
「二人とも、覚えてるみたいだ」
「やったー!!」
「ふー」
なんとか、二人とも土の魔法を習得でき、
続いて闇のマナ結晶にも参拝することになった。
しかし……
【闇の魔法】は、二人とも習得できなかった。
ヒルダは、ものすごく申し訳無さそうにしている。
「まあ、アヤもエレナも習得できてないし。
闇だけは、習得の条件がよくわからないんだよな~」
「ボクが闇のマナ結晶に触った時、なんだか拒絶された感じだった」
習得できない時は、そんな感じなのか。
闇を習得できたのは、今のところ俺だけ……
俺の中に、闇の力が眠っていたのかな?
あれは、確か中学二年の時、
俺の右手に闇の力が宿った感じがしていた……
もしかして、あの時の力が……
【光の魔法】も早く覚えてみたいな。
でも、光と闇が合わさった時、一体どんなふうになるのだろう?
最強の力になるのか……
はたまた、頭がおかしくなって死ぬ…なんてことは無いよね?
「兄ちゃん、顔が変」
「なんだよ! 藪から棒に」
「どうせ、変なことを考えてたんでしょ?
そういう時、いっつも変な顔をしてるんだもん」
くそう!
言い返せない……
┌─<ステータス>─
│名前:ヒルダ
│職業:魔法使い
│
│レベル:17
│HP:370
│MP:664
│
│力:32 耐久:28
│技:33 魔力:61
│
│スキル
│ 火3、土1
│ 短剣術1
│ 解体3
└─────────
┌─<ステータス>─
│名前:河合 舞衣
│職業:空手家
│
│レベル:22
│HP:3,137
│MP:1,861
│
│力:273 耐久:270
│技:225 魔力:186
│
│スキル
│ 火3、土2
│ 肉体強化3
│ 魔力感知3
│
│ 体術5、棒術5
│ 刀術3、短剣術4
└─────────
ご感想お待ちしております。




