203.エレナの拷問
「では、私がその人を拷問します!」
「エ、エレナ!?」
元気よく手を上げるエレナ……
俺は、妄想を振り払って―
「エレナ、拷問なんて出来るの?」
「ええ、アヤさんにも凄いと言われました」
「アヤが?」
「うん、エレナちゃんの『アレ』は拷問の域だよ」
まあ、アヤもそう言うなら任せようじゃないか。
結局、男が拷問するよりかは、いいのでは?と言うことになり……
エレナが、悪魔族の女性工作員を拷問することとなった。
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『ということで、作戦を話すなら今のうちだぞ
どうしても話さないと言うなら、拷問を受けることになる』
『ふん、拷問ごときで喋るような私じゃない』
うん、そうだよね。
そうこなくっちゃ……じゃなくて、しかたない。
「どうしても、喋らないそうだ。
エレナ先生、お願いします」
「はい! 任せて下さい」
エレナが、元気よく答えて、女工作員の前に進み出る。
『はは、こんなお嬢ちゃんが拷問だと?
笑い殺す気か? ハハハ』
その後、女工作員は、笑い殺される目にあった……
『止めろ!! ぎゃははは!!!
く、苦し…… ぎゃはははははは!!!!!』
エレナは、女工作員に触ってはいるものの、
別にくすぐっている訳ではない。
では、なぜ、女工作員が笑っているかというと―
回復魔法をかけているからだそうだ。
なぜ、回復魔法でくすぐったいのか?
それは、回復魔法の掛け方に問題があるらしい。
普通に傷を治す程度では、ムズムズするだけなのだが……
健康な部位に、過剰に回復魔法を掛けてしまうと、
このように、激しくくすぐったくなるのだという。
『はあはあ、もうやめてくれ……』
『話す気になったか?』
『……』
「エレナ、行け!」
「はい!」
『ぎゃー!!!
ぐはははは!!!
ひぃーーー!!』
牢屋には、女の悲鳴と笑い声が響き渡っていた。
しばらく経つと、女は笑い疲れてぐったりしていた。
『どうだ? 喋る気になったか?』
『喋ったら…殺される……』
『あんな、毒のナイフを持っていたということは、魔族を殺す気だったのだろう?
魔族や俺を殺そうとしていたくせに、自分だけは生き残りたいのか?』
『ふん、半角や角無しがいくら死のうが、知った事か!』
「エレナ、まだだ」
「は、はい」
流石にエレナも、気が引けてきたようだ。
無理もない。
女は、笑いすぎて、幾度と無く気を失い。
その度に、水を掛けて目を覚まさせ、拷問を続きていた。
それから、かなりの時間、拷問を繰り返したが……
女は、いっこうに喋ろうとはしなかった。
「セイジ様、流石にこれ以上は……」
「まいったな、ここまで強情だとは……
ブンミーさん、どうします?」
「仕方あるまい、喋らないのであれば―
女は殺してしまうか」
「「え!?」」
「まえに、何度か悪魔族を捕まえたことがあったらしいが、
何を出しても食事を食べず、死んでしまうのだ。
逃がすわけにもいかんし、殺してしまうほうが手っ取り早い」
マジかよ!
「ま、待ってください。
もうちょっと拷問させてください」
女が殺されると聞いて、エレナが焦りだした。
まあ、これじゃあ目覚めが悪いしな……
「しかしエレナ、どうする?
くすぐりでも口を割る気配は全然ないぞ?」
「奥の手を使います……」
奥の手?
エレナ自身も、あまりやりたくなさそうな表情をしている。
一体どんな拷問なんだ??
「申し訳ありませんが、ブンミー様とヒルダは外に出ていてください」
「え? 何故だ?」
「男の人と、未成年者には見せられないので……」
ブンミーさんは、カサンドラさんに促されて外へ出て行き、代わりに女性の兵士が何人か入ってきた。
ヒルダは、よく分からない様子だったが、エレナの指示にしたがった。
「俺は、出なくて良いのか?」
「本当は、セイジ様にも見せたくありませんが、
通訳をしてもらわないといけませんので……」
「な、なるほど」
エレナは、女工作員が殺されるのを防ぐため。
仕方なく、最後の拷問を開始した。
『ひぎーー!!!
ひゃうん!!!
らめーー!!!』
先ほどとは打って変わって、トンデモナイ悲鳴が響き渡っていた……
女は、ヨダレや涙、別の色々な液体などを垂れ流し、白目をむいて、なんども体を痙攣させていた。
恐ろしい、拷問だ……
もし、俺がやられたらと思うと……
おっといかん、ポジションを直さなければ……
俺は、恐ろしい拷問の様子を、目を背けずに見守り続けた。
しばらく拷問が続き―
女が激しく体を痙攣させ、そのあとでぐったりしてしまったところで、
もう一度聞いてみることにした。
『どうだ? 喋る気になったか?』
『……しゃ、しゃべりま…しゅ……
しゃべりゅので…ゆりゅして、くりゃしゃい……』
とうとう、女は堕ちた……
やった方のエレナも顔が真っ赤になっていた。
アヤも、舞衣さんも、カサンドラさんも、女性兵士たちも、真っ赤になっていた。
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女が落ち着くのを待って、やっと事情聴取開始だ。
子供を誘拐して、
子供を餌に親を誘き出して捕まえて奴隷にする。
だとか―
要人の暗殺だとか―
食料や水に、毒を混入させるだとか―
卑怯極まりない作戦の数々が判明した。
また、似たような作戦が、
人族の街の方でも計画されていることも分かった。
これは、何とかする必要がありそうだ。
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計画を話してしまった工作員の女はというと……
すっかり観念して、牢屋でおとなしくしており、
出された食事も素直に食べるようになっていた。
エレナの拷問の後遺症かな?
ご感想お待ちしております。




