表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
210/438

200.魔族の街防衛戦

 日が暮れてきて、舞衣さんの特訓を終え、街に戻ってくると―

 街の様子がおかしかった。


 兵士たちが慌ただしく、動き回っている。



「すいません、何かあったんですか?」


 俺は街の兵士に聞いてみた。


「魔物の大群が、街に近づいてきているらしい。

 ですので、人族の皆さんは避難しててください」

「あ、はい」


 どうやらこの兵士さんは、俺達の事を『貿易特使』の人たちと勘違いしたらしい。



 ブンミーさんの所へ行ってみるか。


~~~~~~~~~~


「ブンミーさん、どういう状況ですか?」

「おうセイジ殿、実は……」


 ブンミーさんの話では―

 【ミタの森】から、大量の魔物が湧き出してきたそうで、兵士たちが対応に追われているらしい。



「どうする、俺達も手伝うか?」


 パーティーメンバーに聞いてみたところ―

 満場一致で手伝うことになった。



「俺達も手伝います、どうしたらいいですか?」

「おお、それは心強い。

 私もこれから前線に出るので、一緒に来てくれ」

「はい」


「カサンドラ、準備はまだか?」

「はーい」


 ブンミーさんが呼ぶと、奥からカサンドラさんが出てきた。


「あ、セイジ達も参加するのか?」

「ええ、また一緒に戦うことになっちゃいましたね。

 よろしくお願いします」

「こちらこそ」


~~~~~~~~~~


 俺達が最前線につくと、もう戦いは始まっていた。


「うわ、ネズミだらけ!」


 魔族の街を襲っていたのは、『大ネズミ』の大群だった。


 しかし、数が多い!

 まるで絨毯のように『大ネズミ』が森から溢れだしている。


 魔族の兵士たちは、『大ネズミ』を追い返そうとすでに戦い始めていたが―

 余りにも数が多すぎて、少し押され気味だ。



 そこへ、エレナの『雹』攻撃が炸裂し、大ネズミ絨毯の上に氷が降り注いだ!


 兵士たちは、何事かと振り返り―


「「援軍だ!」」「やった、これで勝つる」


 口々に歓喜の声を上げた。


 どうやら、かなり切迫していたようだ。



 アヤと舞衣さんは、競うように最前戦に突撃していき―

 ブンミーさんは、部隊の指揮を取り始めた。



 残されたヒルダと、カサンドラさん。


「ヒルダ、危ないから下がってて」

「いえ、カサンドラ様。私も戦います」


「『様』は、やめて。もう奴隷じゃないでしょ?」

「はい!

 では、カサンドラさん!」


「うむ。でも、ヒルダが戦うって、どういう事?」


 ヒルダは、【油の魔石】で作ったロッドを、自慢気にカサンドラさんに見せた。


「これは?」

「お兄ちゃ…セイジ様が作ってくれたロッドです。

 見ててください」


 ヒルダはロッドに魔力を込め始めた。

 そして……


「【着火】!」


 ヒルダのロッドは、煌々と燃え始めた。


 そして、更に魔力を込めると―

 ロッドの炎の中から、鳥の形をした炎が飛び出した。


 そして、兵士たちの頭の上を飛び越えて―

 『大ネズミ』の1匹に向かって上から襲いかかる。


 襲いかかられた『大ネズミ』が燃え上がり、黒焦げになった。



「ヒルダ、凄い!」


 ヒルダの急成長に、カサンドラさんも大喜びだ。


「私も負けられない」


 カサンドラさんは、しっぽをキッとおっ立てて―

 得意の【風の魔法】で竜巻を発生させ、『大ネズミ』達を蹴散らせ始めた。



「ヒルダ、ここは頼んだ。俺も前線に行ってくる」

「はい、お気をつけて!」



 俺は後衛を任せつつ、アヤと舞衣さんに負けじと―

 最前戦に向かった。


~~~~~~~~~~


 後方からエレナ、カサンドラ、ヒルダの魔法攻撃が始まったことで―

 最前戦は、だいぶ余裕が出てきていた。


 『大ネズミ』は、数が多いものの、一匹一匹は弱く―

 俺は【試練の刀】で、スパスパと倒していった。



 しばらく戦っていると―

 【試練の刀】が光り始めた。


 何事かと思ったが―

 どうやら試練が終わったらしい。



 周りの状況を確認してみると、どうやらだいぶ押してきているようで、全体的に余裕も出てきている。


----------


 アヤの所へ行ってみると―


「あ、兄ちゃん、こっちはもうダイジョブそうだよ。

 ってか、敵が弱すぎて退屈だったよ」

「まあ、大ネズミだしな」


----------


 舞衣さんの所へ行ってみると―


「舞衣さん、どうですか?」

「あ、お兄さん。ちょうどよかった」

「どうかしました?」


「兵士の人たちと一緒に戦ってて気がついたんだけど―

 なんか、魔法で地面をコントロールしながら行動してるっぽいよね?

 あれなに?」

「ああ、あれは、【土の魔法】で踏み込み時の踏ん張りを補助してるんですよ」


「なるほど…… ボクにもあれ出来ないかな?」

「【土の魔法】を覚える必要があるので、直ぐには出来ないかも」


「うーむ、けっこう奥が深いんだね」


 今度みんなで、マナ結晶を参拝しに行ってみるか。

 ヒルダの勉強もだいぶ進んでいるみたいだし、もうそろそろ大丈夫だろう。


----------


 エレナ、ヒルダ、カサンドラさんの所へ戻ってくると―


 エレナは、怪我人の治療を行っていた。


「エレナ、大丈夫そうかい?」

「ええ、怪我人もそれほど多くありませんし、大丈夫です」


 まあ、怪我人はエレナに任せておけば安心だ。



 ヒルダとカサンドラさんは、火と風の合体魔法で【炎の竜巻】を発生させ、『大ネズミ』を大量に葬っていた。


「「いえーい!」」


 二人は、ハイタッチをして合体魔法の成功を喜んでいる。

 大分暗くなった戦場に、【炎の竜巻】の光が煌々と辺りを照らしていた。



 兵士たちは、夜戦に備えて、そこかしこに『篝火(かがりび)』を焚き始めていた。


----------


 最後にブンミーさんの所へ行ってみた。


「ブンミーさん、戦況はどうですか?」

「セイジ殿か。

 魔王様の留守中にこんなことになって、一時はどうなることかと思ったが―

 みなさんのおかげで、もう大丈夫そうだ。 感謝する」


 魔王は留守だったのか、道理で見ないわけだ。


 戦況に余裕が出てきて、ブンミーさん達の間にも安堵の表情が見えていた。



 その時―

 地図上に妙な反応があることに気がついた。


 なんだ?


 俺達が戦っている場所から、丁度街を挟んで反対側に、一つだけ赤い点があり―

 その点が、街の中へと侵入している所だった。



「ブンミーさん、街の反対側はどうなっているんですか?」

「ん? 反対側?

 そちらの見張りからは、特に報告は来ていないようだが?」


 どうも嫌な予感がする……



「俺は、ちょっと街の反対側を見てきます」

「うむ、こちらは大丈夫そうだから問題はない」



 俺は、街の反対側へと急いだ。


ご感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ