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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
舞衣さんの秘密編
198/438

189.祝福の輪

 舞衣さんのお婆さんから魔王の情報を聞き出した週に、一つ問題が発生していた。


 ストーカー男に刺された左手の治療のため、定期的に通っていた病院で、左手が完全に治ってしまっていることに激しく驚かれた。

 日の出の塔地下攻略の後、エレナに治療してもらったさいに、左手の傷も一緒に治ってしまったためだ。


 レントゲンやらCTやら採血やら、細かく検査されてしまったが―

 もともとだいぶ治りかけていたので、何とかごまかした。


~~~~~~~~~~


 そして土曜日。

 俺たちは、色々準備をして異世界へ向かった。



 何はさておき、先ずは鍛冶屋のお爺さんの所だ。



「こんにちは」

「おう、お前か。刀なら出来ているぞ」


 受け取った刀は、以前より若干軽くなっていた。


┌─<鑑定>────

│【試練の刀+1】

│試練を課すための刀

│使用者の癖を吸収し、強くなる

│能力:【刃風】の威力上昇

│レア度:★★★★

│試練:魔物討伐 0/300

└─────────


 鋭さが増しているだけじゃなく―

 なんか『能力』が付いてる!


 『【刃風】の威力上昇』だと!?

 試したい!!



「試したいのか? 顔にそう書いてあるぞ」


 俺が(うなず)くと、お爺さんは裏庭に巻藁(まきわら)を用意してくれた。



「行くぞ!」


 10㍍ほど手前から【刃風】を飛ばすと、巻藁(まきわら)が斜めに斬れて、ずり落ちた。

 そして、【刃風】はそのまま飛んでいき、後ろの崖にぶつかって、大きな穴を開けた。


 すげえ!


「問題無さそうだな。

 よし、次の試練は300匹だ。

 まあ、ゆっくりやりな」

「はい!」


 徐々に試練で倒す魔物の数が増えていくのかな?

 流石に1日でクリアは無理そうだ。

 言われたとおり、ゆっくりやっていくかな。



「ワシはこれから、知り合いの結婚式に行く準備をせねばならん。

 他に用がなければ、また今度だ」


「もしかして、ブンミーさんの結婚式ですか?」


「ああそうじゃ。

 何じゃ、アイツの知り合いだったのか」



 お爺さんは、準備をしてから行くということだったので、俺達だけで先に、ブンミーさんとカサンドラさんの所へ向かった。


~~~~~~~~~~


「ブンミーさん、カサンドラさん、おめでとうございます」

「セイジ、来てくれたのか」

「セイジ、よく来た」


 結婚式は、魔王城の少し広めの部屋で開催されていたが―

 特に、セレモニー的なことをやるでもなく、

 訪れた客人が、適当に飲んで食ってしているだけだった。



「これは、お祝いのプレゼントです」


 俺は、日本から持ってきた酒とケーキを差し入れた。


 酒は、日本酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、ワイン、ウォッカなど。

 ケーキは二段重ねのデカいのをテーブルに置いた。


「なんだこれは!?」

「こっちのは、俺の故郷の酒です」


「あっちの白いのは?」

「あれは、『ケーキ』と言って、俺の故郷でお祝いの時に食べるお菓子です」


 ケーキと酒は、他の客人達にも大好評だった。



「所でカサンドラさん、レイチェルさんとミーシャさんは呼んでないんですか?」


「うん……

 あいつら遠いから呼んでない」


 そうか、ニッポの街とその隣の開拓村だもんな。

 連絡と移動の両方に時間が掛かるから、一週間じゃ間に合わないか……



 俺は、美味しそうに料理を食べているアヤ、エレナ、ヒルダに、しばらく席を外すと断りを入れてから、結婚式会場を後にした。


 そして、【瞬間移動】でニッポの街へ!


~~~~~~~~~~


「おうセイジ、よく来たな」

「今日は、ミーシャさんをお借りしに来ました」

「ん? どういう事だ?」


 カクカクシカジカ!



「ならば、俺も行こう!」


 ロンドと、ミーシャが仲間になった!


~~~~~~~~~~


 次は、レイチェルさんの所へ!


「セイジ、よく来た。

 あれ? ロンド様にミーシャまでそろって、何かあったのか?」


 カクカクシカジカ!



「なるほど!

 これは、カサンドラの驚く顔が見れそうだ。

 私も行くとしよう」


 レイチェルが仲間になった!


~~~~~~~~~~


 3人を連れて、再び結婚式会場へ!


「ただいま、連れてきたぞ」


「ミーシャ!

 レイチェル!

 ロンド様まで!!」


 いつも飄々としているカサンドラさんが、目を丸くして驚きまくっている。



「ほら、ヒルダも行ってあげな」

「はい!」


 ヒルダは、俺に促されて祝福の和の中に飛び込んでいった。


~~~~~~~~~~


 しばらくぶりに再結成された『魔法使い部隊』と、その上司であるロンドは、楽しそうに話をしていた。



 しかし、レイチェルさんが―


「ヒルダ!

 首輪は、どうしたんだ!?」


 ヒルダの首に【奴隷の首輪】が無いことに気がついたみたいだ。



「おにい…セイジ様が、外してくれました」

「外した!? どうやって!!?

 それで、ヒルダはなんともないのか?」


「大丈夫です、なんともありません。

 それに……

 セイジ様とアヤ様とエレナ様が、私を妹にしてくれたんです」

「「「「な、なんだってー!!」」」」



「しかし、セイジ……

 転移の魔法も使えて―

 【奴隷の首輪】まで外してしまうとは……

 一体何者なんだ?」



 なんか色々面倒くさそうなので―

 気づかないふりをして、結婚式の料理を頬張っていた。


『カクカクシカジカ』便利な呪文だ……


ご感想お待ちしております。

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