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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
日の出の塔攻略編
196/438

187.妹

 日本に帰ってきた。


 試練の刀は、鍛え直すのに3日掛かるということだったので、預けてきてある。

 来週行った時、どんなふうに鍛えられているかが楽しみだ。



 そして俺は、皆をリビングに集合させた。


「兄ちゃん、これから何するの?」

「これから【呪い治癒薬】を作ります」


「ん? その為だけに、みんなを集めたの?」

「ああ。いいから見ておけ」

「うん、まあいいけど……」


 俺は、みんなが見守る中、【呪い治癒薬】を作り始めた。



 しばらくして、特に問題もなく、3本の【呪い治癒薬+2】が完成した。


┌─<鑑定>────

│【呪い治癒薬+2】

│呪われた物にふりかけると

│呪いを解除することが出来る

│レア度:★★★★

└─────────



「普通に完成したけど、これをどうするの?」

「先ずは、ヒルダに使う」

「わ、私ですか??」


 俺は、テーブルの上にバスタオルを敷き、その上にヒルダを寝かせた。


「兄ちゃん、ヒルダちゃんに変なことするつもりじゃないよね?」

「変なことってなんだよ!」



 そして、俺はおもむろに―


 ヒルダの首に巻かれている【奴隷の首輪】に、【呪い治癒薬+2】を少し垂らした。


「はう!」


 ヒルダが変な声を上げる。


「大丈夫か?」

「は、はい…… だ、大丈夫です」



 俺は、慎重に呪い治癒薬を垂らしていく。


「ひゃうぅ!」


 ヒルダは頬を真っ赤に染め、息を荒くして、体をモジモジとくねらせている。

 なんだか凄くイケナイ事をしている気分になるな……



 そして、最後の一滴をたらし終わると……


「ああああぁぁーーー!」


 ヒルダは、体をエビ反らせてビクンビクンと震えている。



「に、兄ちゃん!」

「お、俺は呪い治癒薬をかけただけだろ」



 その時!


パキ!


 何かが割れるような音がして……

 奴隷の首輪が、ヒルダの首からするりと落ちた!


 ヒルダは、ハアハアと息を荒げながらぐったりしている。


「ヒルダ、大丈夫か?」

「は、はぃ……」



 【奴隷の首輪】を【鑑定】してみると―


┌─<鑑定>────

│【革の首輪】

│魔物の革で作られた首輪

│レア度:★

└─────────


 呪いが解けて、【革の首輪】になっている!



 そして、今度はヒルダを【鑑定】してみる。


┌─<ステータス>─

│名前:ヒルダ

│職業:魔法使い

│状態:正常

│レベル:3

│HP:158

│MP:239

│力:10 耐久:9

│技:15 魔力:19

│スキル

│ 火2 短剣術1

│ 解体3

└─────────



「やった、奴隷が解除された!」

「「えっ!!?」」


 アヤとエレナは驚き、ヒルダは唖然としている。


 状態が『正常』になっていて、職業が『奴隷』から『魔法使い』に変化している。


 なにげに、前見た時よりステータスが上昇している。

 職業が変わったせいかな?



「兄ちゃん、どういうことだか説明してよ」

「そうです、奴隷を解放なんて聞いたことがありません」


「説明しよう!

 前にヒルダを【鑑定】した時、『状態:呪い(奴隷)』ってなってたんだ。

 つまり~ 奴隷とは、呪いの一種だってことだ。

 呪いなら【呪い治癒薬】で治せるはずだろ?」


「なるほど~」



 そんな話をしていると―

 ヒルダが、瞳に大粒の涙をためて、えぐえぐと泣き出してしまった。


「ヒルダ、どうしたんだ?」

「セ、セイジ様……

 私を捨てないで!」


 ヒルダは、わんわん泣き出してしまった。



「ヒルダを捨てるわけ無いだろ」


 俺は、ヒルダを抱き寄せ、頭を撫で続けた。



「だって、奴隷契約は私とセイジ様の『絆』だったのに……

 また一人ぼっちになっちゃう」


 そうか…… ヒルダは、俺との奴隷契約を、そんな風に思ってくれていたのか……


「ごめんなヒルダ、相談もなしに勝手に奴隷契約を解除してしまって」

「セイジ様が、私のことを思ってやってくださったことはわかってるんです。

 で、でも…‥」



「よし分かった!

 じゃあ今日からヒルダは、俺の妹だ!」

「い、妹?」


「ああ、そうとも!

 兄妹なら、奴隷より絆はずっと強いぞ?

 それならいいだろ?」


「あの、あの…… それじゃあ……

 『お兄ちゃん』って、呼んでも、いいですか?」

「もちろん、いいとも!」


「お、お兄ちゃん……」

「なんだい? 妹よ」



 ヒルダは、また泣き出して、俺の胸に飛び込んできた。


 俺は、ヒルダが気が済むまで頭をなでなでし続けた。




「ヒルダちゃんが、兄ちゃんの妹になったってことは~

 私にとっても妹になるってことだよね?」


 ヒルダがやっと落ちついてきた時、アヤがヒルダの頭を撫でながらそう言った。


「アヤ様が、お姉ちゃん?」


「ヒルダちゃん、私の妹になってくれる?」

「はい! アヤ様」


「アヤ様じゃないでしょ?」

「ア、アヤお姉ちゃん……」


 アヤとヒルダは、にっこり見つめ合っている。



「私も! ヒルダのお姉ちゃんやります!」


 エレナも、ヒルダをなでなでしてあげている。


「エレナ様まで!?」

「エレナ様じゃなくて、お姉ちゃんです!」


「は、はい! エ、エレナお姉ちゃん!」



 そして、アヤとエレナとヒルダは―

 いつまでも、いつまでも―


 3人で抱き合っていた。


次から新章がスタートかも?


ご感想お待ちしております。

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