186.パレード
花見をしている俺達に近づいてきたのは―
『ハチ』だった。
急に咲いた花の蜜でも取りに来たのか?
「デカい!」
近づいてきて改めて大きさが分かったのだが、ハンドボール位のデカさだった。
【鑑定】してみた結果、名前は【大ミツバチ】で、レベルはかなり低い。
「ここは俺がやるから、みんなはゆっくりしてて」
「兄ちゃん、がんばれ~」
アヤの声援を受けて、張り切ってハチ退治を開始した。
……たのしい!
大量に飛んできたハチは、面白いようにスパスパ斬れる。
俺は、調子に乗って斬りまくっていたのだが……
途中でハチが全滅してしまった。
「くそう、あと1匹なのに」
刀の試練は残り1匹だった。
「後一匹くらい飛んできてくれないかな~」
そこへ、おあつらえ向きに1匹のハチが飛んできた。
今までの奴より一回り大きく、色も少し濃い。
「お! 最後の一匹、ほんとに来た!」
喜び勇んで、そいつを真っ二つに斬ると―
【試練の刀】が光り始めた。
「兄ちゃん、試練終わったの?」
「そうみたいだ」
「セイジ様、おめでとうございます」
光は、収まり、鑑定結果でも『試練:完了』と出ている。
早めにお爺さんの所へ行かないと!
ヒルダは、俺の倒したハチを一人で解体をして、【蜜蜂の針】と【土強化魔石】を持ってきてくれた。
なんという働き者。なでなでしてやろう。
「さて、帰るか」
「え? 帰るの?」
「4階に来れるようになったのをギルドに報告しないと」
「それもそうか~」
暴れ足りなさそうなアヤをなんとか説得し、俺達は街へ戻った。
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俺たちは、冒険者ギルドにやって来た。
先に魔石や素材を買い取ってもらおうとしたら、量が多いので、ギルドの裏の倉庫に案内された。
買い取ってもらった物は、以下の通り。
<地下1階>
・雑魚
【赤スライムの核】120G×25個
【赤スライムの核+1】500G×5個
【着火の魔石】200G×5個
・ボス部屋
【ムササビスライムの核】500G
【そよ風の魔石】100G
【闇スライムの核】500G
【闇強化魔石+1】30G
【炎スライムの核】2000G
小計7830G
<地下2階>
・雑魚
【大サソリ】300G×22匹
【強化大サソリ】1200G×5匹
【火炎大サソリ】1200G
【泥大サソリ】1200G
・ボス部屋
【カマサソリ】6000G
小計21000G
<地上3階>
【ゴブリンジェネラル】2000G
小計2000G
<地上4階>
【蜜蜂の針】5G×31匹
【土強化魔石】10G
【蜜蜂の針+1】40G
小計205G
地下2階のサソリは、解体していなかったので、そのまま買い取ってもらった。
地下3階の『うなぎ』3種類と、【油の魔石】と【大地の魔石】は、売らないで取っておく事にした。
やはり、地上階で取れた物の買取価格は安いな~
最終的には、合計で31035Gになった。
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その後、地上4階の報告の為に、ギルド長の部屋に案内してもらった。
「これはこれは、リルラ様。
ようこそおいでくださいました」
気の弱そうな、背の低いおっさんが、リルラにゴマをすっている。
「4階への階段を発見したので、その報告に来た」
「なんと!!」
一応、リルラは有名人なので、代表してリルラに報告をしてもらったのだが……
「流石!
我らが英雄、鉄壁のリルラ様!!」
リルラが4階を見つけた事になってしまった。
まあ、いいけど。
「この知らせは、この街にとって何よりの朗報です。
つきましては、リルラ様の活躍を報せるため―
『パレード』を開催したいのですが、よろしいでしょうか?」
「セイジどうする?」
リルラ、俺に振るなよ。
「俺は別にいいと思うぞ」
「そ、そうか!
では、開催するとするか!」
「ありがとうございます!
早速準備にとりかかります!!
開催は明日の正午になると思いますので、よろしくお願いします。」
「あっ!」
「セイジ、どうしたのだ?」
「俺達は、今日中に帰るから、参加できないや」
「え!?」
「ご心配には及びません。
リルラ様さえいらっしゃればいいので、お連れの方は参加なさらなくても結構です」
「そういうことでリルラ、『パレード』は任せた」
「う、うむ」
俺たちは、後のことをリルラに丸投げして―
逃げるように日本に帰還した。
翌日。
イケブの街で、日の出の塔4階発見の『パレード』が、大々的に執り行われたそうだ。
4階までしか行ってませんが、日の出の塔攻略は、ここで一旦終了です。
残りの階は、別の機会に登る予定。
ご感想お待ちしております。




