185.お花摘み
【大地の魔石】の効果を確かめた後、リルラの部屋に全員集合していた。
「セイジ! 無事だったのか!!」
リルラは、俺に抱きつく勢いで迫ってきたが―
途中で立ち止まって、俺の手を取り、握手をしてきた。
変なリルラだな。
ヒルダも心配してくれていたらしく、俺の服の裾をつまんで、ニッコリ見上げてくる。
ヒルダは、可愛いな~ なでなでしてやろう。
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朝食を取りながら、日の出の塔の地下での話をみんなにしていた。
「それじゃあ、その地下4階から階段を登って、地上4階に行けるかもしれないということだな?」
「そういうことだ、リルラ」
「それでは、早速そこへ行ってみようではないか」
リルラは、ずいぶん張り切っているな。
まあ、もうボスは倒したし、大丈夫だろう。
俺たちは朝食を食べ終え、準備を整えて、【瞬間移動】で日の出の塔へ向かった。
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地下4階の空間に着くと、アヤがはしゃぎ始めた。
「ひろーい!!」
何が楽しいのか、ものすごい勢いで走り回ったり、ジャンプしたり、竜巻を発生させたりして遊んでいる。
「アヤ~! 遊んでないで先に進むぞ~!」
「はーい!」
アヤは、ものすごい勢いで戻ってきたが―
遊びすぎたのか、肩で息をして汗をかいている。
子供かよ!
エレナもリルラもヒルダも、みんな呆れ顔だ。
中央の柱の中の螺旋階段を、注意深く登って行くと―
ちょうど地上3階まで登った所で、階段が途切れ、変な部屋に出た。
部屋には扉が1つあるだけ。
恐る恐る扉を開けて見ると、扉の先も部屋になっていて―
眠ったように動かない『ゴブリンジェネラル』が1匹居た。
【鑑定】してみたが―
別にレベルが高いわけでも、特殊能力を持っているわけでもない、至って普通のゴブリンジェネラルだった。
【鑑定】を終えて、戦いの準備をしていると―
バタン!
扉が自動的に閉じてしまった。
「自動ドアか!?」
驚いて、皆が扉に注目していると―
扉が、壁に同化して消えてしまった。
扉が消えた壁を調べてみたが、どうやっても扉を見つけることが出来ない。
「一方通行ということか……」
まあ、【瞬間移動】を使えば、簡単に扉の向こうに行けるけどね。
扉の向こうは地下4階に通じているだけだから用は無いし、別にいいか。
慎重にジェネラルに近づいてみると―
ジェネラルは急に目を覚まし、襲ってきた!
とっさに、試練の刀で応戦すると―
一撃で、ゴブリンジェネラルの首が飛んだ。
「よわ!」
どうやら、地上階は地下よりもかなり弱いらしいな。
「もう、兄ちゃんばっかりずるい。
私も殺りたかったのに!!」
「刀の試練があるんだから、しばらく獲物を譲ってくれよ」
「もう、しかたないな~
試練が終わるまでだからね~」
ヒルダが解体を終え、魔石と装備品を持ってきてくれた。
魔石は【ビリビリ魔石+1】だった。
残念、これは持ってるし、売っても安いはずだ。
さっそく4階に登ろうとしていると―
ゴゴゴゴ
壁から何やら音が聞こえる。
この壁は、一方通行の扉があった壁とは逆の壁だ。
何が起こるのかと、身構えていると―
壁の一部が崩れて、扉が現れた。
「セイジ様、なんの扉でしょう?」
「うーむ、地図を見る限り、3階の通路に繋がってるだけのはず」
「兄ちゃん、行ってみる?」
「まあ、一方通行だったとしても【瞬間移動】で戻れるし、行ってみるか」
恐る恐る、扉を開けて進むと、予想通り3階の通路に出た。
扉は消えること無く、普通に出入りできる。
俺達には、まったく意味は無いが……
これで、【瞬間移動】の無い普通の冒険者でも4階に行けるな。
後で、冒険者ギルドに報告しに行こう。
「兄ちゃん、早く4階に行こうよ」
「おう!」
俺たちは、階段を登って4階へ向かった。
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4階には―
光りあふれる草原が広がっていた!
「なにここ!
草原だー!!」
アヤは、また走りだした。
完全にガキだな……
エレナは、花が咲いているのを見つけて、ヒルダと一緒に『お花摘み』をしている。
リルラは、そんなエレナを見守り、敵が居ないかを警戒している。
とりあえず、近くに敵は居ないみたいだ。
「エレナ、これを使ってみな」
俺は、インベントリから、とある魔石を取り出してエレナに渡した。
「セイジ様、これはもしかして、今朝の……」
エレナは、嬉しそうににっこり微笑むと、まだ咲いていない花の蕾に魔石を近づけた。
すると―
蕾が解けて花が咲き―
波紋が広がるように、一面の花の絨毯が……
草原全体に広がっていった。
「あわわ!!」
色とりどり、大小様々な花が、見渡す限り続いていて―
花の甘い香りが、あたり一面に広がった。
「なにこれ! エレナちゃん、なにをしたの!?」
「えっと…… 私は……
【大地の魔石】をお花に近づけて、魔力を込めただけです」
『魔力を込めると効果が上がる』って出てたけど、こんなに広範囲に効果が出るのか……
これは凄いな。
みんな女の子なんだな、見渡すかぎりの花の絨毯にうっとりしている。
「ここで休憩するか」
俺は、レジャーシートを取り出し、お茶やお菓子を準備した。
「わーい、お花見だ!!」
アヤのテンションがおかしい……
みんなでレジャーシートに座り、花を鑑賞しながらお茶を飲み、お菓子を食べている。
しばらく、花見を楽しんでいたのだが……
【危険】を示す赤い点が複数、近づいてきていた。
サブタイトルに他意はありません。
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