184.犬耳エレナ?
「エ、エレナ……」
俺は、エレナの部屋に忍び込んでいた。
エレナは、ネグリジェ姿で、すやすやと可愛い寝息を立てている。
俺は、エレナの眠るベッドに上がり、倒れこむようにエレナのおっぱいに、顔を埋めた。
「うーん。セイジ様~」
エレナは、目をつむったまま手を動かし、自分のおっぱいの上にある俺の頭をなでなでし始めた。
寝ぼけているのかな?
「あ、あれ? セイジ様?」
エレナがやっと気がついたが、まだ状況を理解できていないみたいだ。
「セ、セイジ様、どうなさったんですか?」
エレナが俺に問いかけるが……
俺は返事をしなかった。
実は、この時、俺は気を失っていたのだ。
傷の治療を頼もうと、エレナの所に来たのだが……
エレナを起こそうとベッドに上がった時に限界を迎え、そのまま意識が飛んでしまった。
HPは半分ほど削られ、MPは最後の【瞬間移動】でほとんど底をつき、疲れもピークに達していたのだから、仕方ないよね?
気を失っているのにもかかわらず、何故俺がそのことを知っているかというと……
【追跡用ビーコン】の映像を、今まさに確認している真っ最中なのだ。
「セ、セイジ様! セイジ様!
大変! 体中傷だらけです!!」
エレナは、服装の乱れもそのままに、急いで俺に回復魔法をかけ始めた。
~~~~~~~~~~
この時、俺は、夢を見ていた……
「あれ?
エレナ、なんで犬耳が付いているんだ?」
「セイジ様、何を言っているんですか?
私は初めから犬人族ですよ~」
あれ? そうだったっけ?
俺が、必死に思い出そうとしていると―
ぺろん!
「エ、エレナ、いきなり何をするんだ!?」
エレナが俺の顔をぺろんと舐め上げたのだ。
「セイジ様、犬人族にとって『舐める』と言う行為は、親愛の証なんですよ~」
「そ、そうなの?」
戸惑う俺を尻目に、犬耳エレナは俺をペロペロ舐め始めた。
「ちょっ、エレナ。だ、ダメだって!」
犬耳エレナは、俺の顔だけではなく、首から肩へ、そして胸へとペロペロしていった。
気がつくと、俺は服を着ていなかった!
「あれ!? お、俺の服は!?」
「セイジ様の服は、私が脱がせました~」
「な、なんだってー!!」
裸のままではマズイと思い、起き上がろうとしたのだが……
何故か体が動かない。
いわいる『金縛り』というやつだ。
犬耳エレナは、俺の体が動かないのをいいことに、あんな所やこんな所をペロペロしまくりだ。
イ、イカン!
このままでは、俺のピラミッドが!!!
~~~~~~~~~~
俺が、そんな夢を見ている時……
エレナは、俺の傷を一所懸命に治してくれていた。
そして、治療のジャマになるということで、俺の服を脱がそうとしている。
現実でも服を脱がされていたのか……
意識のない俺の上半身を抱きかかえて起こし、服を脱がしていくエレナ。
そして、エレナは……
次に、俺のズボンに手をかけた!
イカン!!!
不慣れな手つきでボタンを外し、チャックを下ろし、ズボンを引っ張りおろそうとするエレナ。
ダメだ! そんなおろし方じゃ、一緒にトランクスもずり落ちてしまう!!!
ずるっと脱げる、ズボン。
そして……
次の瞬間!
『【プライバシーポリシー】に違反するため、視聴する事は出来ません』
映像が途切れた……
映像が回復すると―
エレナが顔を真赤にしながら、回復魔法をかけてくれていた。
そして俺は、トランクス一丁だった。
一体何があったんだ!!!
一通り治療が終わると、エレナは肩で息をしていた。
MPを使いすぎたのかな?
ってか、回復魔法に魔力を込め過ぎていたように見えた。
そのせいで、通常よりMPを多く使ってしまっていたのかもしれない。
エレナは、俺に布団をかけると―
エレナ自身も倒れるように眠ってしまった。
~~~~~~~~~~
翌朝。
「エレナちゃん! 起きてる?
兄ちゃんが、まだ帰ってないみたいなんだ!
エレナちゃんまだ寝てるの? 勝手に入るよ~」
アヤが、エレナの返事も聞かずにズカズカと入ってきた。
「エレナちゃん、まだ寝て……
に、兄ちゃん!!!」
アヤの目の前には、エレナの横に裸で寝ている俺の姿があった。
バキッ!
俺の状態は、『睡眠』から『気絶』に変化した。
俺が目を覚ますと、何故か顔面が、殴られたように痛かった。
そしてエレナは、俺を膝枕してくれて、回復魔法をかけてくれている。
エレナがアヤに色々説明をしてくれたらしく、アヤは申し訳無さそうな顔をしていた。
「セイジ様、やっと気が付かれましたか」
「あれ? 俺はどうしてここにいるんだ?」
「覚えていないのですか?
昨日の夜中、セイジ様が傷だらけで帰ってきた時は、本当にびっくりしました」
「兄ちゃん、誰にやられたの?」
「えーとね、日の出の塔地下4階のボスの『大地のゴーレム』って敵」
「地下4階!?
その敵、そんなに強かったの?」
「変なバリアで、【瞬間移動】でも逃げられないようにされて、逃げ場のない範囲攻撃を連発してきた」
「ひえー!
でも、勝てたんでしょ?」
「そりゃあ、当然だろ!」
「その敵、なんかいい物落とした?」
俺の心配より先に、戦利品の心配かよ!
俺は、インベントリから【大地の魔石】を取り出して、アヤに渡した。
「魔石? どんな魔石なの?」
「【大地の魔石】と言って、土地を肥沃にしたり、植物の成長を促進させるんだってさ」
「セイジ様、ちょっと待って下さい」
エレナは、急に膝枕をやめて立ち上がり、どこかにいってしまった。
なんだろう?
しばらくすると、小さな植木鉢を持って戻ってきた。
植木鉢には、しなびた植物が植わっていた。
「これで試そうって事ね、よーし」
アヤが、【大地の魔石】を植木鉢に近づけると―
植木鉢の植物は、徐々に元気になって、みずみずしさを取り戻していった。
そして、小さな蕾が出来……
蕾が段々膨らんできて……
蕾は、解けるように開いていき……
真っ赤な花が咲いた!
「すごいです!」「すごい!!」
エレナは、うっとりしていて―
アヤは、目をパチクリさせて驚いていた。
~~~~~~~~~~
ちょうどその時、その宿屋の周辺で―
木がにょきにょき伸びたり、草がわさわさと生えてくるといった、原因不明の怪現象が、多数目撃されていた……
ダンジョン攻略が続いたので、少し息抜き。
ご感想お待ちしております。




