182.日の出の塔地下4階ボス戦
俺は、『大地のゴーレム』に向かってダッシュし、先制攻撃を仕掛けた。
しかしガードされて、俺の刀は弾かれてしまった。
体勢を立て直そうと、バックステップで距離をとったのだが―
そこを狙いすましたかのように、ゴーレムが急速に近づき、【右ストレート】を叩き込んでくる。
とっさに試練の刀でガードしたのだが―
衝撃を殺しきれず、吹き飛ばされてしまった。
「痛てー!」
受け身をとって、さっと構えを戻したのだが―
大きな岩が、目の前に接近していた!
「うそん!?」
思いっ切り横に飛んで避けると―
大きな岩は、ものすごい勢いで俺の横を通り過ぎ、地下空間を覆う戦闘空間保護バリアに激突して、激しい音と共に粉々になった。
後ろから【危険】を感じて振り返ると―
ゴーレムが床を滑るように、ものすごい勢いで近づいてきていた。
普通ゴーレムって、動きが鈍いもんじゃないのかよ!?
ゴーレムは勢いに乗せて【右ストレート】を繰り出してくる。
ガードじゃダメだ。
避けないと!
俺は、敵の攻撃に意識を集中し、ギリギリで【右ストレート】を躱し、
ゴーレムの懐に潜り込んで、試練の刀でゴーレムの胴を斬りつけ、そのまま横に抜けてゴーレムとの激突を回避した。
ゴーレムは急停止して、こちらに体を向けたが―
大きく後ろにジャンプして距離を取ってきた。
あんなに離れて何をしてくるんだ?
ゴーレムは足元の床石を両手で持ち上げ、ハンマー投げの様に『ぐるん』と一回転させて、投げ飛ばしてきた。
さっき飛んできた岩は、この攻撃だったのか!
今度は、ある程度余裕を持って回避し、次の攻撃に備える。
案の定、投げ飛ばし攻撃の直後に、また急接近からの【右ストレート】を繰り出してきた。
「攻撃が、ワンパターンだぞ!」
さっきと同じように【右ストレート】を躱し、ゴーレムの懐に潜り込んで、斬りつけてやった。
それなりにダメージを与えてそうだけど……
【鑑定】してみたが、HPが高いので1%も削れていないorz
「こりゃあ、長期戦になるな……」
そのあと、もう一度【床石投げ飛ばし攻撃】を躱したあと、構えていると……
今までと違って、ゴーレムはその場で足を止めて、ブルブル震えている。
どうしたんだ?
何事かと観察していると―
ゴーレムが光りだした!
そして、周りの床石がボコボコとせり上がってきて、ゴーレムを包み込んでしまった。
「いったい何が始まるんだ!?」
ゴーレムは床石に包まれ、巨大な一つの岩になっていた。
そして、ゆっくりと回り始める―
その回転速度は、徐々に加速していき―
独楽のように物凄い速度になってしまった。
「な、なんか、ヤバそう!」
カッ!!
急速回転する巨大岩が一瞬光ったかと思うと―
無数の【石つぶて】が全方向に射出され始めた。
「ヤバイ!」
とっさに【土の魔法】を防ぐバリアを張った。
しかし、【石つぶて】は、バリアを簡単に突き破ってくる。
しまった!
【土の魔法】じゃ無いのか!?
姿勢を低くして、腕で顔をガードして、無数に飛んで来る【石つぶて】を受ける。
「痛い!!」
【石つぶて】は、俺の体の色んな所にぶつかり続けた。
姿勢を低くしていたおかげで股間にだけは当たらずに済んだが、全身傷だらけだ。
かなりの時間、射出され続けた【石つぶて】が、ようやく止むと―
俺のHPは半分ほど失われていた。
「し、死ぬかと思った……」
しかし、もう一度喰らえば、確実にやられてしまう。
あの攻撃だけは、食らったら駄目だ!
ゴーレムは、元の姿に戻り、少し間を置いて、また攻撃を再開してきた。
しかし、さっきと同じパターンで―
近づいて【右ストレート】、
離れて【床石投げ飛ばし攻撃】の2つの攻撃パターンの繰り返しだ。
「この攻撃は見切った」
【右ストレート】にカウンター攻撃を入れて、ゴーレムのHPを少しずつ削っていく。
しかしまた、足を止めてブルブル震えだした。
「させるか!」
俺は、【全方位石つぶて】をしようとしているゴーレムに詰め寄り、無防備なゴーレムを攻撃する。
思った通り、ゴーレムはなすすべもなく、俺の攻撃を喰らい続ける。
しかし、床石がゴーレムを覆い隠すと、俺の攻撃はゴーレムにダメージを与えることが出来なくなってしまった。
「くそう!」
ゴーレムを飲み込んだ巨大岩は、また回転を始めてしまった。
「ヤバイ、どうしたらいいんだ!?」
【全方位石つぶて】は、本当に全方位に【石つぶて】が飛んで来るので、360度どころか、上方向にも死角が無い。
俺はこれで死んでしまうのか?
しかし、この場所にあいつらを連れてこなくてよかった。
こんな攻撃を食らったら、確実に全滅だ。
エレナ、アヤ、ヒルダ、あと……リルラも。
短い間だったけど、結構楽しかったよ……
あばよ……
……
や
いやだ……
死にたくない!
DTのまま死ねるか!!
考えるんだ、何か生き残る方法があるはずだ!!
ピコン!
俺の頭の上に、久しぶりに電球が点灯した。
「安全地帯があるじゃないか!!」
俺は、【瞬間移動】で、ある場所に移動した。
この場所に落ちてきた直後、俺の後ろを転がって落ちてきた『岩』!
俺は、その『岩』の陰に隠れた。
『岩』は【石つぶて】を防いでくれていた。
俺の体の直ぐ側を【石つぶて】が無数に通り過ぎ、『岩』に当たる【石つぶて】の振動が、背中に伝わってきていた。
「ふー、間一髪だったぜ!」
『岩』の陰に隠れて【石つぶて】が終わるのを待っていると―
急に【危険】を感じて、
俺は、『岩』からダッシュで離れた。
その直後、俺がさっきまで隠れていた『岩』が、接近してきたゴーレムの【右ストレート】によって、粉々に破壊されてしまった。
「あぁー!!
せっかくの安全地帯がー!!!」
珍しく苦戦中です。
ご感想お待ちしております。




