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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
日の出の塔攻略編
172/438

163.光る××


 日の出の塔三階の、その部屋にいたのは……。


 マッチョだった。


「何だ、アレは!」


 謎のマッチョは、部屋に入ってきた俺たちに目もくれず、ポージングをしている。


 そして、これぞというポーズがキマると―

 薄っすらと肉体が『光る』のだ。



 【鑑定】してみると―


┌─<ステータス>─

│職業:ボディビル・ゴブリン

│レベル:15

│HP:1730

│MP:297

│力:56 耐久:65

│技:23 魔力:30

│スキル

│【光の魔法】(Lv2)

│【肉体強化魔法】(Lv2)

│【体術】(Lv1)

└─────────


「ボディビル・ゴブリン??

 これ、ゴブリンなのか?」


 俺が、驚き戸惑っていると、

 ボディビル・ゴブリンが、こっちに向かってにっこり微笑みながら、またポージングをキメて、光り輝いていた。


 こいつは、いったい何がしたいんだ?


 皆も唖然として、やつを見てしまっている。



 次の瞬間、

 【警戒】魔法が『危険』を知らせた。


「っ!?」

 気が付くと、何者かが、リルラに向かって突進してきていた。


「リルラ! 横!!」

「へ!?」


 リルラは、タックルを食らい、真横に吹き飛んだ。


「リルラ!」



 しかし、ダメージは大したことがなかったらしく、

 リルラは、すぐに立ち上がった。


「いったい何が?」



 リルラにタックルをかました奴を見ると、

 ホブゴブリンだった。

 いつの間に、現れたんだ?


 いや、違う! ボディビル・ゴブリンを見ている間に近づかれたんだ。



 とっさに、戦闘態勢に入る俺たちだったが……。


 そんな最中、

 ボディビル・ゴブリンが、またポージングをキメて光り輝いた。



 !??


「なんで、俺は、

 ボディビル・ゴブリンを見ているんだ??」


 おかしい、

 なぜか、俺は、ボディビル・ゴブリンから目が離せないでいる。



ドン!


「うわー!」


 気が付くと、今度はアヤがホブゴブリンに吹き飛ばされていた。


「ア、アヤ! 大丈夫か!?」

「う、うん、なんとか」



 これは、どういうわけだ??

 なぜか、ボディビル・ゴブリンから目が離せなくなってしまう。


「これはヤバイ、いったん引くぞ」

「うん」「「「はい」」」


~~~~~~~~~~


 急いで部屋を出ると、

 敵は、追ってはこなかった。



「何、あいつ~

 分けわからないんだけど!」

「なぜか、アイツから目が離せなくなった」


 アヤとリルラは、エレナに回復魔法を掛けてもらっている。



「おそらく、ボディビル・ゴブリンが、何かの魔法を使っていたんだろう」


「ボディビル・ゴブリンって、あのマッチョなやつ?」


「そうだ、

 おそらく、【光の魔法】だろう」

「【光の魔法】!?」


 【光の魔法】と聞いて、リルラが食いついてきた。



「リルラ、【光の魔法】で同じことが出来ないか?」

「え!? 私が!?」


「きっと出来るから、やってみてくれよ」

「……わ、分かった」


 リルラは、恥ずかしそうに……。



 セクシーなポーズを取った。



「あの~、リルラ、

 ポーズじゃなくて、魔法……」


 アヤは、リルラのポーズを見てクスクス笑っている。


 リルラは恥ずかしさのあまり、しゃがみこんでしまった。


「リルラ、魔法だけでいいよ」

「最初に言って!!」


 リルラは、今度は普通に構えて魔法を使い始めた。


 魔法が発動し、リルラの体が光りに包まれた。


「おお、リルラ、成功だ! 目が離せなくなる!」

「ほ、本当か!?」


 リルラは、嬉しそうに、何度も魔法を使い、

 その度に、俺の視線がリルラに釘付けになる。


 リルラのステータスを確認してみたところ、

 【光の魔法】に【視線誘導】の魔法が追加されていた。

 この魔法、誰の視線を釘付けにするかを、自由に選択できるらしい。



「あの、リルラさん。それは、もういいよ」

「す、すまん。つ、つい……」


 どうやらリルラは、見られる喜びに目覚めてしまったらしい。


~~~~~~~~~~


 作戦を立て直し、俺たちは再び部屋に突入した。


 アヤとリルラは、一目散にボディビル・ゴブリンへ駆け寄り、

 前後に挟み撃ちにした。


 そして、後ろからアヤが、急所攻撃をかまし―


 ボディビル・ゴブリンは、『アーッ!』という叫び声とともに、崩れ落ちた。



 一呼吸置いて横から現れたホブゴブリンも、

 エレナの魔法で凍りづけになっていた。



「最初はビビったけど、

 ちゃんと作戦を立てると楽勝だね」

「アヤの言う通りだが、

 逆に言えば、ちゃんと作戦を立ててなければ、

 あんな弱い敵でも、俺たちの脅威になり得るということだな」


「なるほど、

 つまり、作戦は大事って事だね。兄ちゃん」

「そういうこと」



 ヒルダが、解体を終え、

 【微光の魔石+1】と【土強化魔石+1】を持ってきてくれた。


 お、今回はいいのが出たな。


~~~~~~~~~


 それから俺たちは、快進撃を続けた。


 各部屋にいるゴブリンたちとの戦いにおいて、

 リルラが【視線誘導】で敵の注意を引きつけ、

 無防備な死角から、アヤとエレナが攻撃を仕掛ける、戦術パターンを完成させたのだ。



 そして、俺たちは、

 とうとう……。



 三階を、調べ尽くしてしまった。


 あれ?


リルラが変な魔法を覚えてしまった。


ご感想お待ちしております。

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