161.日の出の塔2階ボス戦
俺達が部屋に入ると、
部屋の中央にいた巨大な白狐の体は、若干青みがかった光に包まれ始めた。
「何か使ってくるぞ!」
俺達が、構えていると―
白狐は『氷のブレス』を吐いてきた。
マジかよ、まだ二階なのに、もうこんな敵が出てくるのか。
少し驚いたものの『氷のブレス』の射程は短く、俺達まで届いては居なかった。
「寒! 兄ちゃん、何か着るもの出して」
「そんなの後にしろよ! あいつ強そうだぞ」
「わかったよ~」
ブレスで薄っすらと氷の粒が舞う中、
アヤは、突進した。
「うわー!!」
「アヤ、どうした?」
「転んだ」
「ドジっ子かよ!」
「違う違う、床が凍ってるの!」
ブレスで舞っていた氷の粒が晴れると、
部屋の床が、三日月形に凍っていた。
あのブレスは、攻撃じゃなくて、これが狙いだったのか。
床を凍らせて、近寄らせない戦法か?
「私が魔法で攻撃します!」
エレナが、氷の魔法で攻撃したが。
白狐は、飛んできた魔法の氷を口でキャッチしたかと思ったら―
口に咥えた氷を、エレナに向かって吐き返してきた!
「え!?」
「エレナ様、危ない!」
リルラが、とっさにエレナをかばい、氷を盾で受け止めたのだが、
リルラの盾が、凍りついてしまっている。
まあ、リルラがかばえ無かったらバリアを張る準備はしていたので、大丈夫なのだが……
「アヤ、流石に手を貸すよ。
これ以上うかうかしてたら、誰か怪我するぞ」
「う、うん」
俺は、右手を銃の形にして、白狐に向け。
パン!
軽い音とともに【電撃】が、白狐の眉間に直撃した。
一瞬、白狐の体が硬直した後、そのまま倒れて動かなくなった。
「へ!?」
リルラは、一瞬の出来事に驚き、変な声を上げていた。
「セイジ、今のは何をしたのだ!?」
「雷の魔法だ」
「え!?」
そう言えば、【白熱電球】の魔法は見せたことがあったけど、雷の魔法だってことは、言ってなかったな。
「そんな事より、アヤ。
派手に転んでたけど、大丈夫なのか?」
「ちょっと痛い……」
「私が回復魔法を掛けます」
エレナが、素早くアヤに近づき、
アヤのお尻をなでなでし始めた。
「エレナちゃん、何するの!?」
「治しますから、じっとしてて下さい!」
「ひゃい!」
エレナが、アヤのお尻をなでなでしていると、
アヤは、もじもじし始めた。
「な、なんか変な感じ……」
うーむ、俺もお尻を怪我してみたいな。
「リルラは、氷を受け止めたけど、大丈夫だったのか?」
「いや、盾が凍りついてしまって……」
「私が解かします!」
今度はヒルダが、リルラに駆け寄り、
【火の魔法】で、凍りついてしまったリルラの盾を解かし始めた。
アヤとエレナの方を見てみると、アヤがお尻を撫でられて、何故かハアハアしている。ナニしてるんだ?
ヒルダは、凍りついたリルラの盾を解かし終わると、
今度は、白狐の解体に向かった。
実に働き者だな。
治療を終えたアヤとエレナだったが、
アヤは、まだ変な顔をしている。
「アヤ、大丈夫か?」
「だい、じょぶ…… なんか、変な、感じに……
なっちゃっただけ」
変な感じってなんだよ!
「そんな事より、反省会をするぞ!」
「えー」
「先ずは、アヤ!」
「げっ!」
「げっ、じゃないよ。
アヤは、もっと慎重に行動しろ。
まだ敵が弱いからいいけど、
そのうち誰かが怪我するぞ!」
「う、うん」
「次にエレナ」
「は、はい」
「エレナは、氷の魔法以外もちゃんと使わないとダメだ」
「は、はい……」
「次は、リルラ」
「ひゃい!」
「リルラは、いい動きだった」
「そ、そうか!」
「ただ、今後は魔法を防御する方法を、考えたほうがいいかもしれないな」
「そうだな、その通りだ!」
なんか偉そうだな。
「最後に、ヒルダ」
「わ、私ですか?」
「ヒルダは、せっかく火の魔法が使えるんだから、
火の魔法で何か攻撃する方法を考えたほうがいい。
さっきの戦闘で、ヒルダが火の魔法で攻撃できていれば、もっと楽に勝てたかもしれないんだぞ?」
「で、ですが……
火の魔法は、攻撃には向かないので……」
それが、よく分からないんだよな~
ゲームとかだと、火の魔法で攻撃とかよくあるのに、
なぜ、この世界の魔法は、火で攻撃が無いんだ?
「ヒルダ。
ヒルダの事を【鑑定】してみてもいいか?」
「え!? もちろん、かまいません」
俺は、今更ながら、ヒルダを【鑑定】してみた。
┌─<ステータス>─
│名前:ヒルダ
│職業:奴隷※
│状態:呪い(奴隷)
│
│レベル:3
│HP:86
│MP:106
│
│力:8 耐久:6
│技:9 魔力:9
│
│スキル
│ 火2 短剣術1
│ 解体2
└─────────
俺達のステータスを見慣れてるからか、すごく弱く感じるな。
続いて【火の魔法】に付いても調べてみよう。
┌─<火の魔法>──
│【着火】(レア度:★)
│ ・可燃物に火を付ける
│
│【加熱】(レア度:★)
│ ・近くにある物の温度を上昇させる
│
│【炎コントロール】(レア度:★★)
│ ・炎をコントロール出来る。
└─────────
これだけか……
水や氷の魔法には、水生成や氷生成というのがあるのだが、
火の場合は、火生成っていうのが無いんだな。
これは、何か考えてやらないといけないな。
お尻怪我したい。若しくは治療する側でも……
ご感想お待ちしております。




