154.魔石複製
俺達は、イケブの街にやって来た。
イケブの街といえば―
そう、魔石屋だ。
リルラ?
ああ、リルラも、この街にいたんだっけか。
まあ、今はリルラには用がないし、また今度ね。
「こんにちは、キセリさん」
「いらっしゃい。
これはセイジさん、今回は何をお探しで?」
「【言語一時習得の魔石】を探しているんだけど、ありますか?」
「残念ながら、【言語一時習得の魔石】は売り切れです」
「そうですか、なんとか手に入りませんか?」
「【言語一時習得の魔石】が1つでもあれば、ヌルポ魔石で複製が出来るのですが……
めったに売れるものではないので、全部売ってしまったばかりなんです」
「【言語一時習得の魔石】なら、1つありますよ」
「本当ですか!?」
キセリさんは、さっそく【魔石複製器】を用意してくれた。
アヤの持っていた【言語一時習得の魔石】をキセリさんに渡すと―
キセリさんは、【魔石複製器】に、【ヌルポ魔石】と【言語一時習得の魔石】をセットして、魔力を込め始めた。
しばらくすると、【ヌルポ魔石】が光り始め、【言語一時習得の魔石】になっていた。
「はあはあ、ちょっと魔力を使いすぎましたが、【言語一時習得の魔石】は完成です」
「結構簡単そうですね、
もういくつか欲しいんですが、出来ます?」
「すいません、魔力を、使いすぎてしまったので、直ぐにはちょっと……」
「俺が、代わりにやりましょうか?」
「で、でも、かなりの魔力を使いますよ?」
「魔力の多さには自信がありますから、大丈夫ですよ」
「そうですか、では、危なそうだったら中止してくださいね」
キセリさんはそう言うと、新しい【ヌルポ魔石】をセットしてくれた。
「それじゃ、いきます」
【魔石複製器】に手をかざし、魔力を込め始めると―
魔力がだいぶ減る感じがして、【言語一時習得の魔石】が完成した。
MPが1000くらいは減ったかな?
キセリさんは、こんなにMPを持ってなかったはず。
どういうことだろう?
「セイジさん、大丈夫ですか?」
「ええ、特に問題はありません」
MP1000は、一般の人にはムリだと思うんだけど……
人によって消費MPが違うのかな?
しかし、俺の作成した【言語一時習得の魔石】、
なんか元のと違う感じがする。
【鑑定】してみると、それは【言語一時習得の魔石】ではなかった。
【言語一時習得の魔石+2】だったのだ!
『+2』ってなんだよ!
┌─<鑑定>────
│【言語一時習得の魔石+2】
│・持っていると
│ その場所の言語を話せて、
│ 読み書き出来るようになる
│・また、魔力を込めることで
│ その場所の言語を
│ レベル2まで習得できる
│レア度:★★★
└─────────
文字の読み書きまで可能になって、
更に習得までできちゃうのか!
超便利だけど……
どうしてこうなった!?
「【鑑定の魔石】で鑑定できないと言うことは……
まさか、これって、『+2』ですか!?」
「そうみたいですけど、こんなことってあるんですか?」
「ありえません!
風、水、土などの魔石なら、その属性魔法の使い手が複製することで『+1』になることがあると聞いたことがありますが……
【言語一時習得の魔石】は、それらに当てはまりませんし、しかも『+2』なんて!!」
あー、分かっちゃった。
俺の【情報魔法】のレベルが5だからだ!
しかし、こんなに簡単に複製できるなら、前に貰った【魔石複製器】、もっと早くに使ってみればよかった。
「あ、キセリさん、
その【鑑定の魔石】も複製してみてもいいですか?」
「この【鑑定の魔石】は複製の時に、【言語一時習得の魔石】と同じくらい魔力を使いますが、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ、任せてください」
意気揚々と【鑑定の魔石】を複製してみたところ、
MPがさっきと同じくらい減る感じがして―
【鑑定の魔石+2】が出来上がった。
「何ですかこれは!?
【言語一時習得の魔石+2】が鑑定できます!
まさかこれ【鑑定の魔石+2】だというのですか!!!?」
普通の【鑑定の魔石】と【鑑定の魔石+2】を、それぞれ【鑑定】してみると……
┌─<鑑定>────
│【鑑定の魔石】
│魔力を込めることで
│品物を鑑定できる
│※品質+2以上は不可
│レア度:★★★
└─────────
┌─<鑑定>────
│【鑑定の魔石+2】
│魔力を込めることで
│品物と人物を鑑定できる
│※品質+4以上は不可
│※人物の場合は一部の情報のみ
│レア度:★★★
└─────────
品質が+3まで鑑定できる様になって、
人物も、一部の情報のみ鑑定できるのか。
あと、レア度は品質に依存しないのかな?
「キセリさん、一つお願いがあるのですが」
「はい、何でしょう」
「知り合いが【言語一時習得の魔石】を探していまして、さっき教えてもらった方法で魔石を作って、その知り合いに売ってもいいですか?
代わりに【鑑定の魔石+2】は差し上げますので」
「【鑑定の魔石+2】を頂けるんですか!?
【言語一時習得の魔石】くらい、いくらでも売って下さい。
っていうか、本当に【鑑定の魔石+2】を頂いてもいいんですか?」
「いいに決まってるじゃないですか、
それじゃあ交渉成立ですね」
俺が、握手を求めると、
キセリさんは、申し訳無さそうな顔をしながら握手に応じてくれた。
あと、キセリさんからお土産にと、
【ヌルポ魔石】を、たくさんもらった。
~~~~~~~~~~
【言語一時習得の魔石】も簡単に複製できるようになったので、
俺達は、シンジュの街のカサンドラさんの所へ舞い戻ってきた。
「セイジ、何か忘れ物か?」
「【言語一時習得の魔石】の複製の仕方を教えてもらったから、戻ってきたんですよ」
「それは助かる。何個作れる?」
「いくつでも作れますよ。逆に何個必要ですか?」
「じゃあ、ボスに相談するから、付いてきて」
「ボス?」
案内された部屋には――
見知った、二人の男が居た。
ついに、累計ランキング300位に到達しました!
皆様のお陰です!!
ご感想お待ちしております。




