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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ストーカー編
160/438

151.誰のもの

 翌朝。


「お世話になりました」

「またおいで」


 りんごの両親が迎えに来た。


 しばらくホテルで過ごして、

 新しいマンションを借りるんだそうだ。



「りんごちゃん、行っちゃったね」

「ああ」


「私、りんごちゃんがずっとここに住むのかと思ってた」

「どうしてそうなる!」


「だって、兄ちゃんだもん」

「なんだそれは」


 アヤとの漫才は、このくらいにして……


~~~~~~~~~~


「エレナ、大事な話がある」

「はい、なんですか?」


「色々あって、うやむやになってたけど、

 これからどうする?」

「これから、とは?」


「エレナは、俺が拐ってきたけど、

 本来の目的は、

 戦争で身の上が危険だから保護していた訳だ。

 そして、その戦争はもう解決した……」

「あ……」


「今は、戦争の後処理なんかが行われているだろうけど、今度の週末頃には、王様も王都に帰っているだろう。

 だから、その時に王様の所へ……」

「い、嫌です!

 セイジ様と一緒にいたいです!」


「王様には、なんて説明するんだ?」

「そ、それは……」



「兄ちゃん! エレナちゃんを送り返す気?」

「そうは言ってないだろ、

 エレナは今、家出少女的な状態なんだぞ?

 ちゃんとしておかないと、ダメだろ?」

「そ、それはそうだけど……」



「セイジ様!

 わ、私を、お嫁さんに、して下さい!」


「「えぇーーーー!!!」」


「セイジ様と離れたくありません。

 私の身も心も、セイジ様に捧げます、

 どうか一緒にいさせて下さい」


「エ、エレナ……」

「セイジ様……」


 あ、ヤバイ! もう辛抱たまらん。



「ダ、ダメーーー!!」


「アヤさん!?

 どうして、ダメなんですか?」

「そ、それは……

 えーと、えーと……

 あ、そうだ!

 エレナちゃんは、私のものだから、

 兄ちゃんには渡さない!!」


「「えぇーー!?」」


「アヤさん、嬉しいですけど……

 女の子同士は、ちょっと……」

「大丈夫よ、愛さえあれば、性別の障害だって……」


「分かりました、それじゃあ、

 セイジ様と3人なかよく……」

「兄ちゃんと、なんて……

 ダ、ダメに決まってるでしょ!」


 俺は、アヤの脳天にチョップをかました。


「アヤ、時に落ち着け」

「いたい……」



 アヤの暴走のおかげで、俺は正気を取り戻したけど、

 さっき、理性が一瞬吹っ飛んでいた……


 もし、アヤがいなかったら……

 ヤバイことに、なっていたかも……

 まあ、それはそれで良かったのかもしれないけど。


 俺は、気持ちを切り替えた。



「エレナも、気持ちは嬉しいけど、結論を急ぎすぎだ」

「で、ですが……」



「まず、エレナは今、15歳だろ?

 日本では、結婚は16歳からしか出来ない」

「それじゃあ、誕生日まで待てばいいのですね」


「いや、20歳未満が結婚する場合は、親の承諾が必要なんだ」

「お父様の承諾……」



「俺も、エレナのことが大好きだ。

 今後のことは、まだ時間があるから、ゆっくり考えていこう」

「はい! セイジ様」


 俺と、エレナは、しばらく見つめ合っていた。


 その脇でアヤは、俺のことを睨みつけていた。


~~~~~~~~~~


 そして、時間は進み……

 その週の土曜日。


 俺とアヤとエレナは、

 ドレアドス王に謁見していた。


「おお、エレナ、お帰り。

 さあ、こちらに」

「お父様、私は……

 セイジ様と一緒にいたいです」


「何を言っておる、

 もう、そんな奴に守って貰う必要は無いのだ!」


「お父様、聞いて下さい。

 私は、セイジ様と一緒にいて、色々なことを学びました。

 それはきっと、このドレアドス王国の為にもなると思います。

 どうか、今しばらく、セイジ様と行動を共にする許可を下さい、お願いします」


「ダメだ。そんな奴と一緒にいては、いつ手籠めにされるか分かったものではない。

 さっさと、こっちに来るんだ!」

「お、お父様……」


 なんちゅう奴だ。

 仕方ない、俺が一肌脱ぐか。



「おい、王様」

「なんだ! お前にもう用はない、さっさと立ち去れ」


「そんな事より、貸した金返せよ」

「そ、そんなの知らん!」


 うわ、こいつ、踏み倒す気だ!


「そうかそうか! 金を返さないんだったら……」

「返さなかったらどうだというのだ!」


「金の代わりに、エレナを貰う」

「なん、だと!!」



 俺はエレナを、少し乱暴に抱き寄せた。


「きゃっ! セ、セイジ様」


 エレナは、俺にされるがままだ。



「おのれ!! く、くそう!

 弱みに付け込みやがって!!!」


「なあ、王様。

 約束っていうものは、お互いの信頼関係によって成り立っているんだ。

 信頼を裏切るようなことばかりしていると……

 国が滅ぶぞ!」

「……」


 黙りこむ王様を放っておいて、俺達は城を後にした。


~~~~~~~~~~


「セイジ様、私のために、あんなお芝居をさせてしまって、申し訳ありません」

「エレナ、『申し訳ありません』じゃなくて、そこは『ありがとう』だろ?」

「はい! ありがとうございます!」


「ねえ、兄ちゃん!

 いつまで、エレナちゃんを抱いてるつもり?」

「エレナは、俺のものになったんだから、

 いつまで抱いててもいいだろ?」


「ダメよ!

 兄ちゃんのものは、私のものも同然なんだから、

 エレナちゃんは、私のものよ!」

「おまえなあ、

 じゃあ、お前のものは俺のものでもあるのか?」



「いいえ、

 私のものは、私のものよ!!」



 ジャイアニズムかよ!!!


やっと異世界に戻ってきました。


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