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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
ストーカー編
154/438

145.発病

 翌朝、

 病気が発症していた。


「に゛い゛ぢゃん゛~

 じな゛な゛い゛で~!!」


 感染するといけないので、アヤは部屋に入らないように言ってあるのだが。

 扉の外で、何やら叫んでいる。



「セイジ様、大丈夫ですか?」

「エレナ、いつもすまないね~

 でも伝染るから、看病はもういいよ」


 病気の俺を看病するために、エレナがずっとそばに居てくれていたのだ。

 なんと心優しい子だ。



「セイジ様、回復魔法を覚えた者は、病気にかかりにくくなるので、大丈夫ですよ」

「そうなのか?」

「はい」


 魔法を覚えることに、そんな効果があったとは。

 回復魔法、早く覚えたいな。



「に゛い゛ぢゃん゛~!!」


「あー、もう! さっきからうるさいぞアヤ!

 風邪引いたくらいで大げさだぞ」

「だって~!」


「エレナ、アヤに大丈夫だって言ってきてくれよ」

「はい、分かりました」



 エレナが、アヤをあやしに行ってくれたおかげで、やっと静かになった。

 これでやっと静かに眠れる。

 風邪なんて、ぐっすり眠ればすぐ治るもんだ。

 【鑑定】でも『状態異常:風邪』ってなってるし、問題ない。



 俺は、自分自身に【睡眠】の魔法を掛けて眠りについた。


~~~~~~~~~~


 しばらくして、

 俺は、言い知れぬ嫌な予感に目が覚めてしまった。


 と、ちょうどそこへ、エレナが部屋に入ってきた。


「セイジ様、起きてらしたんですか?」

「ああ」


 エレナが、お盆に何かを乗せて持ってきたようだ。


 しかし、お盆の上のソレは、

 異様な妖気を放っていた……


「そ、それは?」

「えーとですね、アヤさんがセイジ様の為に、お料理を、ですね……」


 エレナが、お盆の上のソレを見せてくれたのだが……


 ソレは、物凄い色をしていて、

 さらに、異臭を漂わせていた。


 俺は、人生最大の危機を感じていたが、

 退路はすでに閉ざされていた。


 部屋のドアの隙間から、アヤがこちらの様子をうかがっているのだ。



 俺は、死を覚悟しつつ、ソレを口にした。


「!!?」


 俺は、そのおぞましい何かを全て胃に無理やり流し込み、

 必死に逆流を食い止める努力を続けていた。


「セ、セイジ様、大丈夫ですか?」

「……食ったから寝る」


 俺は、そう言い残して、

 眠りについた。


~~~~~~~~~~


 目が覚めると、昼過ぎだった。


 ん?

 リビングから何やら話し声が聞こえる。

 誰か来ているのだろうか?


 俺は、追跡用ビーコンの映像を見てみた。


『お兄さんが病気の時に来ちゃって、ごめんね』


 お客さんは、りんごさんだった。

 もしかして、ストーカーの事で相談にでも来たのかな?


『大丈夫だよ、兄ちゃんは私の作ったお粥を食べて、今はぐっすり眠ってるから』


 あれは『お粥』だったのか、

 俺は、てっきり……いや、なんでもない。



 女子3人は楽しく会話していたが、だんだん見ていて飽きてきてしまった。


 そう言えば、あのヤバそうな鼻ピアス男のストーカーはどうしているのだろう?

 俺は、ストーカーに取り付けた追跡用ビーコンの映像を確認してみた。



 !!?

 その映像は、俺の家の前だった。


 鼻ピアス男は、俺の家の扉にへばり付いて、中の様子をうかがっている。


 キ、キモい! キモすぎる!!

 そして、ヤバイ! ヤバ過ぎる!!



 俺は、枕元においておいたスマフォでアヤに電話をかけた。


「あれ? 兄ちゃん、どうしたの?」

「いいかアヤ、よく聞け。

 俺がいいと言うまで誰も家から出るな」


「え? どういうこと?

 いま、りんごちゃんが遊びに来てるんだけど」

「りんごさんも、家から出すな」


「え!!? どういうことなの?」


「りんごさんに気づかれないように、気をつけてよく聞いてくれ」

「う、うん」


「例のコスプレ大会に現れたストーカーが、いま、

 家の前に居るんだ」


「えぇぇーー!!!」

『アヤちゃんどうしたの?』


「ほら! りんごさんに気づかれないようにしないとダメだろ!」

「そ、そうか」


「ストーカー野郎は、しばらく動きそうにないから、りんごさんには泊まってもらえ」

「そんな事より、私が退治してこようか?」


「お前、死ぬぞ」

「どういう事?」


「お前は、あいつのヤバさを全然わかっていない。

 あいつは、ヤバい薬を自分で注射しているような奴だ。

 何をしでかすかわからないぞ」

「マ、マジで!?」


「分かったら、りんごさんには上手く話をしてくれ」

「う、うん」


 さて、後はアヤが上手く話をしてくれるかどうかだ。


 俺との電話を終えたアヤは、改めてりんごさんに話をふった。



「りんごちゃん、今日は泊まっていって」

「別にいいけど、さっきの電話はなんだったの?」


「えーとね、兄ちゃんがね、

 りんごちゃんが帰っちゃったら、寂しくて死んじゃうって言うから……」


 おいィー!!!


「え!? お兄さんが!?」


 りんごさんも鵜呑みにしてるー!


予定と違って、主人公が病気にかかってしまいました。

病気って怖いですね。


ご感想お待ちしております。


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