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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
エジプト編
145/438

136.4ヶ国語

 コスプレ大会をして、金銀を作り出した翌日、

 俺は、『けたたましい音』に起こされた。


 あれ?

 まだ有給中なのに、起床用のアラームつけちゃってたっけ?


 眠い目でスマフォを取って見てみると、まだ朝の4時だった。

 しかも、音の正体はスマフォのアラームじゃないし!


 じゃあ、なんの音だ?


 やっと目が覚めてきて理解したのは、

 この音、スマフォのアラームじゃなくて、

 【警戒】魔法が『危険』を示している音だ!


 誰が危険に陥っているんだ!?



 追跡用ビーコンを調べてみると、危険に陥っているのはナンシーだった。


 ナンシーの映像を確認してみると、

 裏路地で倒れこんでいて、身動きをしていない。

 これはヤバイかも。



 俺は、急いでアヤとエレナの部屋のドアをノックした。


「セイジ様、おはようございます」

「兄ちゃん、こんな時間になに?

 って、まだ4時じゃない!」


 アヤとエレナは眠い目をこすりながら、起きてきてくれた。


「ナンシーが危険なんだ、助けに行かないと」


「それは大変!

 ……ところで、ナンシーってだれ?」


 そういえば、俺しかナンシーと会ったことがないんだった。


「ナンシーは、追跡用ビーコンを付けさせてもらってて、世界一周旅行をしているアメリカ人女性だよ」


 俺は、ナンシーが倒れている映像を、ふたりに見せた。


「大変です、助けに行かないと」

「急いで出かける準備をしてくれ」

「分かりました」

「30秒で支度するよ」


 5分後、出かける準備が完了し、

 俺達は、ナンシーが倒れているエジプトの郊外に【瞬間移動】した。


~~~~~~~~~~


 ナンシーの倒れている所へ到着すると、

 周りに怪しげな男たちが、近寄ってきていた。



 ヤバイ!

 俺は、ナンシーをかばうように、男たちの前に立ちはだかった。


「!?」


 男たちは、ビックリして立ち止まり、喋りかけてきた。


「هل تعرف مع تلك المرأة؟」


 何を喋っているか、分からん。



 俺は【言語習得】を使った。


┌─<言語習得>─

│【標準アラビア語】を習得します

│ 習得レベルを選択して下さい

│・レベル1(消費MP:50)

│  片言で話が出来る

│・レベル2(消費MP:100)

│  日常会話程度は話ができる

│・レベル3(消費MP:200)

│  スラスラと会話ができ

│  簡単な文字のみ読める

│・レベル4(消費MP:500)

│  スラスラと会話ができ

│  日常使う文字が読み書き出来る

│・レベル5(消費MP:1000)

│  全ての言葉を使って会話ができ

│  全ての文字が読み書きできる

└─────────


 標準アラビア語だったのか。


 俺は、MPを1000使ってレベル5標準アラビア語を習得した。



『すまないが、もう一度言ってくれ』


『なんだ、言葉が分かるのか。それなら話が早い。

 お前は、その女性の知り合いか?』

『ああ、そうだ』


『それなら、いいんだ。助けはいるか?』

『大丈夫だ、ありがとう』


 この人達は、ナンシーを心配して来てくれただけだったみたいだ。

 疑って悪かった。


 男たちは、そのまま立ち去っていった。



「エレナ、来てくれ」

「セイジ様、わかり、ました」


 あれ? エレナのしゃべり方が…‥

 あ、そうか、日本を離れたから、『言語一時習得の魔石』の対象言語が、日本語じゃなくなってるのか。


 俺は、ドレアドス共通語でエレナに話しかけた。


『この人の治療を頼む』

『はい、分かりました』


 エレナがナンシーに回復魔法を掛けてくれている、

 これでもう安心だ。


「そうか、日本じゃないからエレナちゃん日本語があんまり分からないのか」


 アヤが日本語で話しかけてきた。

 ややこしいな……



『セイジ様、この人は脱水症状に陥ってるみたいです』

『そうか、それじゃあ……』


 こ、これは!

 口移しで水を飲ませる話の展開か!?



『私が、水の魔法で水を飲ませますね』

『そ、そうだね、そうしてくれ』


 ですよねー



 しばらくして、ナンシーが気がついた。


「あれ? 私なんでこんな所で寝てるの?」


 ナンシーは英語で話しかけてきた。

 さらに、ややこしい。


「ナンシー、君はここで倒れていたんだ、何があったか思い出せるか?」

「あれ? あなた誰?」


 もしかして、記憶喪失か!?



 違いました、一度会っただけだったから忘れてただけでした。


「そうか、日本で会ったセイジか!

 こんな所で会うなんて奇遇だな」


 まあ、奇遇じゃなくて、わざわざ助けに来ただけなんだけどね。


「ナンシー、一体何があったんだ?」

「そんな事より、セイジ、

 何か食べるものを持っていない?

 朝から何も食べていなくって」


 俺は、ペットボトルのミルクティーとアンパンをインベントリから取り出し、ナンシーにあげた。


 ナンシーは、よほど喉が乾いていたらしく、ミルクティーを勢い良く飲み始めた。

 せっかく、花の香のするミルクティーなのだから、もっと味わって飲んで欲しいのに。


「ふー」


 ナンシーは、ミルクティーを半分ほど飲み干し一息つくと、

 ミルクティーをジロジロと見始めた。


「なんだい、この紅茶は?」

「美味しくなかった?」


「美味しすぎる!

 何だか、お花の香りがするし!」


 どうやら、喜んでくれたみたいだ。



 ナンシーは、次にアンパンを袋から取り出して食べ始めた。


「っ!?

 このパン、中に黒い物が入っている」

「アンパンだから、中にアンコが入っているんだよ」


「アンパン? これはどこのパンなんだい?」

「アンパンしらないの? 日本のパンだよ」


「アンパンね~」


 ナンシーは、恐る恐るアンコを食べてみた。


「あ、甘い! なんだこれ!?」


「アンコは、豆で作ったジャムみたいなものだよ」

「豆のジャムか、これは美味しい!

 日本料理ってスシやテンプラしか知らなかったけど、

 こんなのもあったんだね」


 ナンシーは、アンパンをペロッと食べてしまった。



「ところで、後ろの二人はだれだい?」

「妹のアヤと、友達のエレナだよ」


「へー、二人とも、日本人なのかい?」


 エレナはどう見ても日本人じゃないけど、国籍を聞かれたら困るし、適当に答えちゃえ。


「そうだよ、エレナもアヤも日本人だよ」

「へー、白人の日本人もいるんだね~」


 なんとか誤魔化せたみたいだ。


「ところで、セイジ、お願いがあるんだけど~」

「お願いって、なんですか?」



「金貸して!」


途中のアラビア語は、環境によって表示されない事もあるかも。


ご感想お待ちしております。

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