132.ヤバイ男
お前は、誰だっ!!
近寄って、顔を見てみると―
「あ、丸山さんのお兄さん、おじゃましています」
「お、お前は!?
商店街の、和菓子屋の……(朴訥フェイスくん)」
「きっとエレナさんが来ていると思って、
差し入れに和菓子を持ってきたんです」
まるでストーカーだな。
「セイジ様、お帰りなさい。
とっても甘い和菓子ですよ~」
女の子たちは、甘い甘い和菓子に、甘い声をあげていた。
アヤとエレナは、パクパク食べていたが、
百合恵さんと、りんごさんは、カロリーが気になるのか、あまり食べていなかった。
舞衣さんは、どうやら甘いモノが若干苦手らしい。
「あ、あの、エレナさん、
しゃ、写真を、撮っても、いいですか?」
「はい、かまいませんよ」
朴訥フェイスくんは、緊張した手つきで、エレナの写真を1枚撮り。
「これで、みんなに報告ができます」
ん? 報告?
「君、報告ってどういう事?」
「あ、いえ、なんでもないんです」
なんだろう? 何か隠しているのかな?
「それじゃあボクは、店もあるのでこの辺で帰りますね」
といって、帰ってしまった。
うーむ、何か気になる……
まあ、悪いことを企んでる様子は無いから、大丈夫だとは思うけど。
ところが、奴が帰った方から『注意』を示す奴が近づいてきているのが分かった。
なんだ!? 朴訥フェイスくんが急に悪意に目覚めて戻ってきたのか?
とか、思ったのだが、違っていた。
別人でした。
なんか茶髪に鼻ピアスの、奴でした。
何かのコスプレなのか?
そいつは、誰かを探しているのか、キョロキョロしている。
俺は、嫌な予感がして、
気づかれないように、そいつの後ろに近づき、
『追跡用ビーコン』を取り付けておいた。
そいつは、そのまま誰かを探して別の所へ行ってしまった。
あいつは、何だったんだろう。
とにかく『目つき』が変だった。
何かに操られているような~
いや、違うな、きっと『危険ドラッグ』でもやっているのだろう。
そんな感じのヤバイ『目つき』だった。
「アヤちゃんのお兄さん、どうかしたんですか?」
振り向くと、りんごさんが居た。
「いや、ちょっとね」
「それより、エレナちゃんから聞いたんですが、
あのアクセサリとバトン、お兄さんが作ったって本当ですか?」
「え、ああ、そうだよ」
「すごいです! あのアクセサリの緻密さ、どうやって作ったんですか?
良かったら教えてもらえませんか?」
うーむ、困った。
魔法で作ったなんて言っても信じてもらえないだろうし‥‥
「えーとね、魔法で作ったんだよ」
「はー、そうですか……」
りんごさん、そんなジト目で見ないでorz
「ごめん、冗談です」
「こちらこそ、ごめんなさい、
あれですよね、企業秘密とか、そういうのですよね」
「そ、そんな感じです」
「でも、残念だな~
私も、あんなアクセサリを作ってみたかったんです」
「りんごさんは、アクセサリ作りに興味があるの?」
「私、デザインの専門学校に通っているんですけど、
将来は、アクセサリのデザインの仕事がしたいんです」
なんという、しっかりとした将来設計。
アヤにも爪の垢を煎じて飲ましてやりたいよ。
「あ、そうだ、俺が作ってあげようか?」
「え? でも……」
「りんごさんが、デザインしてくれれば、
俺が、その通りに作るよ?」
「ほ、本当ですか!?」
まあ、魔法でチョチョイのチョイだしね。
そんなこんなで、
30歳のDTが、専門学校生の女の子とメアドの交換をしていると―
「あー! 兄ちゃんが、りんごちゃんをナンパしてる!」
アヤが、人聞きの悪いことをいいながら、割って入ってきた。
「ナンパなんてしてないよ、メアドの交換をしてただけだよ」
「そういうのを、ナンパって言うの!」
無茶苦茶だな。
りんごさんも笑ってるじゃないか……
「もし、りんごちゃんと連絡取りたいときは、りんごちゃんのマネージャーである私を通して下さい」
「いつから、お前が、りんごさんのマネージャーになったんだよ」
「今から!!」
「じゃあアヤさん、私とメアド交換しましょう」
「うん」
りんごさんは、アヤとメアドの交換をしていたが。
メアドの交換中に俺と目が会い、ニッコリと、苦笑いを浮かべていた。
アヤと、りんごさんのメアド交換が終わった―
ちょうど、その時!
「りんご!!」
どす黒い声と共に、りんごさんの腕が、誰かに掴まれた。
「え!?」
驚いたりんごさんの視線の先には……
さっきの鼻ピアス男が、
ヤバイ目つきで、薄ら笑いを浮かべていた。
「その男は誰だ!!
俺というものがありながら、楽しそうに他の男と会話しやがって!
そんな変装をしてても、俺にはすぐに分かるんだぞ!」
彼氏さん、なのか?
しかし、りんごさんは、その場にうずくまって、ブルブル震え始めた。
どうやら違うみたいだ。
俺、アヤ、舞衣さんの3人が、とっさに、
りんごさんと鼻ピアス男の間に割って入り。
りんごさんの腕を掴んでいる男の手を、アヤがパシッと払いのけた。
「おまえら、どういうつもりだ?」
鼻ピアス男は、払いのけられた手をさすりながら、
俺達を睨みつけている。
「りんごさん、こいつは知り合いかなにか?」
「い、いえ、ち、違います。
そ、その人は、ストーカーなんです!」
なるほど、そういうことか。
「でも、みなさん、危ないです。
その人、空手の有段者で、凄く強いんです」
「ほうほう、空手の有段者なのか……
じゃあ、ボクの出番だね」
そう言うと、舞衣さんが一歩前に進み出た。
「危ないです!
その人は、『ちっちゃい子』でも、お構いなしに暴力を振るう、危ない人なんです!」
どうやら、りんごさんは、舞衣さんを『ちっちゃい子』だと思っていたらしい。まあ、無理も無いけど。
舞衣さんが、ゆっくりと空手の構えをとると、
鼻ピアス男も、ニヤニヤしながら、空手の構えをとった。
周りのギャラリーも、何事かと集まって来たのだが―
どうやら、パフォーマンスか何かが始まるのだと勘違いしているらしく、応援の声が湧き上がっていた。
『魔法少女(ロリ)』と、
『怪人・鼻ピアス男』の対決が、
今、始まろうとしていた!
最近の魔法少女は、よく物理で殴ったりしますよね~
ご感想お待ちしております。




