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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
戦争解決編
131/438

122.2つ目の条件

『次の条件は、属性強化魔石9種類だ』


 属性強化魔石!?


 魔王様、ずいぶん変な条件出してきたな。

 しかし、また、王様達には実現不可能な条件だな。


~~~~~~~~~~


 俺達は、控室用のテントに戻ってきた。


「属性強化魔石9種類だ、

 今度の条件は、大したことが無さそうだ」


「王様、それは違います」

「ライルゲバルト、どういう事だ?」


「たしか、属性強化魔石を作るためには、

 その属性魔法を使える者が必要だと聞きます」

「属性魔法が使える者くらい、兵士や冒険者の中にいるだろう」


「9種類ということは、属性魔法8種類に、回復魔法を合わせて9種類ということです」

「属性魔法8種類?」


「そうです、風水土は居るでしょうが、

 氷闇火光は滅多に居ません」

「確か、お前の娘が、光の魔法を使えたのではなかったか?」


「はい、リルラは光の魔法を使えますが……

 今は、イケブの街におります」

「そこは、セイジの魔法で」


「光は、それでなんとかなるでしょう。

 しかし、王様、お忘れですか?

 属性魔法8種類と言うことは、

 雷も必要ということですぞ!」

「か、雷!?

 む、ムリだ……」


 どうしよう、また俺が一肌脱ぐ流れなのか?


 しかし、王様とライルゲバルトが話を振ってくるまで待つか。



「もうお終いだ……(チラッ)」

「こうなったら、玉砕覚悟で……(チラッ)」


 王様とライルゲバルトが、チラチラと俺を見てくる。

 う、うざい……


「諦めるなら、そこで俺の通訳は終了ですね。

 それじゃあ、さようなら」

「ま、待て! 待ってくれ!」


「王様、まだ何か用ですか?」


「お主の不思議な魔法で、何とか出来ないのか?」


 俺は、どこぞの猫型ロボットかよ!


「まあ、出来るけど」

「で、出来るのか!!?

 では、さっそく……」


「で、報酬は?」

「ほ、報酬は……

 さっき、ゴールドを二倍払うと言ったではないか。

 あれで十分であろう」

「あれは、二百万ゴールドを立て替える事への報酬だろ!」


「で、では、属性強化魔石1つにつき、一万ゴールドくらいでいいか?」

「良いわけあるか!!

 やっぱり、帰るか……」


「ま、待て、待ってくれ!

 報酬は、なんでも望むものをやるから!」

「ん? 今、なんでもって言ったよな?」

「い、言ったっけ?」


 うーむ、追跡用ビーコンを付けて、記録しておけばよかった。

 ゴブリンキングに付けてたビーコンが余ってるから、俺自身に付けておくか。



「どうした、やってくれるのか?」

「そうだな~

 まあ、属性強化魔石を用意するのに、色んな人の手助けが必要だから、その人達に、それ相応の報酬を約束してくれ」

「わ、わかった、それで手を打とう」


「よし、言質は貰った(魔法で記録した)し、早速行ってくるか」

「頼んだぞ、勇者よ!」


 都合のいい時だけ勇者扱いかよ!


~~~~~~~~~~


 俺は、【瞬間移動】を使って、イケブの街に来ていた。 リルラに光の属性強化魔石を作ってもらうためだ。


 例のごとく、兵士の人に顔パスで入れてもらって。


 リルラの部屋のドアを、ノックしようとした時。


「セ、セイジ……」


 あれ? 中から俺を呼ぶ声が。


「リルラ、ノックする前に、よく俺が来たことがわかったな」


ガタッ!


 あれ? なんか様子が変だな。

 改めてノックしてみるか。


コンコン。


「リルラ、どうかしたのか?」

「セ、セイジなのか?」


「ああ、そうだけど、気づいてたんじゃなかったのか?

 それより、入ってもいいか? 急ぎのようなんだ」

「ま、待て。ちょっと待ってくれ」


 リルラの奴、どうしたんだろう?

 部屋の中から、ガタゴトと何やら音が聞こえる。


 しかし、やけに時間がかかるが、いったい中でなにをしてるんだ?



「いいぞ、入ってくれ」


 やっとか。

 俺が、部屋の中に入ると―


 ドレス姿のリルラが居た。


「あれ? なんでそんな恰好なんだ?

 これから出かけるところだったのか?」

「私のことはどうでもいいだろ。

 それより何のようだ?」


 あれ?

 リルラの奴、なんか顔が赤いな、熱でもあるのか?

 なんか、息が乱れてるし、部屋の中で運動でもしていたのか?


「何をジロジロ見ているのだ!」

「ああ、悪い悪い、

 ちょっとリルラに頼み事があってな」

「た、頼み事?」


「この国の存亡に関わる、重大な頼み事だ」

「国の存亡!?」

「頼めるか」

「あ、ああ」



「つまり、この石に光の魔法を込めればいいのだな」

「ああ、俺が合図したら頼む」

「わかった」


「よし、それじゃあ早速行くぞ」


 俺がヌルポ魔石に手を持って行き、リルラも手を伸ばしたのだが……

 リルラの手が、俺の手に触れてしまい、


「あっ」


 リルラは、急に手を引っ込めて、俯いてしまった。


「リルラ、何やってるんだ」

「す、すまん」


 俺は、リルラの手を掴んでヌルポ魔石に触らせた。

 しかし、リルラの手が何故かしっとりしている、緊張して手汗でもかいてるのかな? まあいいか。



「3、2、1で行くぞ」

「は、はい」


「いくぞ、3、2、1、はい!」


 二人で、ヌルッポ魔石に魔力を込めると……

 ヌルポ魔石が輝き出し。


 光り輝く魔石が出来上がった。


「……!?」


 リルラは、出来上がった魔石を手に取り、瞳を輝かせてうっとり見つめていた。


「こ、これは何なのだ!?」

「光の属性強化魔石だよ」

「光の属性強化魔石! う、美しい……」


「リルラ、ありがとな」

「セ、セイジ、ちょっと待ってくれ」

「なんだ?」

「その魔石は持って行ってしまうのか?」

「ああ、これで国が救われるよ」


「もう一個作って、それを私にくれないか?」

「ヌルポ魔石もまだあるし、まあいいか」

「そうか! ありがとう」



 それから俺とリルラは、もう一個光の属性強化魔石を作った。


「それを売ったりするなよ」

「これを売るなんてとんでも無い!」


 食べてしまうんではないかと思うほど、魔石に頬ずりをしているリルラを放っておいて、

 俺は次の場所へ【瞬間移動】した。


今回は、なぜか凄く筆が進んでしまった。


ご感想お待ちしております。

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