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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
戦争解決編
127/438

118.ゴブリンキングの脅威

 魔王軍の本隊が、最前線に向かって大移動をしていた。

 俺は、その移動する魔王軍の中心にいて、魔王様とブンミーさんと一緒だ。


『魔王様、やはり私が戦います』

『ブンミーよ、お前で勝てるのか?』


『勝てない、かもしれませんが……

 是非、私にチャンスを下さい』

『まあいいだろう、そこまで言うなら戦ってみよ』


『はい、ありがとうございます』


 ブンミーさんは、一足先に最前線へと向かって行った。


『魔王様、それでは俺もブンミーさんの加勢に行って来ます』

『待て。人族の…セイジとか言ったか』

『はい、なんでしょう』


『お前には、まだ聞きたいことがある』


 俺は魔王様に引き止められ、人族のこと、今回の戦争のことなど、色々聞かれてしまった。

 もちろん、人族側が不利になるような話はしていない。



『人族の国の名前は、ドレアドス王国というのか』

『はい、そうです』


 俺が、魔王様の質問に答えていると―


『ゴブリンキングが現れたぞーー!!!』


 前方から叫び声が上がった。


 確認してみると、森の木々の上から、巨大なゴブリンキングの上半身が見えていて。

 ドシン、ドシンと、地面を揺らしながら、ゴブリンキングが平原に姿を現そうとしているところだった。


 キング以外のゴブリンも、森から次々と出てきていて。

 人族と魔族の連合軍が、すでに戦いを始めている。


『魔王様、もう少し急ぎましょうよ』

『セイジよ、まあ待て。

 ブンミーが任せろと言ったのだ。

 奴が音を上げるまでは、手出し無用だ』


 参ったな、加勢に行きたいのに……



 ゴブリンキングの登場で、一介の兵士や冒険者達は、わらわらと後退し、キングから距離をとった。


 その中で、キングの前に立ちはだかる、数人の人たちがいた。

 ブンミーさんと、アヤである。

 少し距離をおいた場所に、魔法使い部隊の3人とエレナと、ロンドもいる。


 ブンミーさんは、ジェスチャーでアヤに下がるように言っているが、アヤは引こうとしない。

 エレナも、ロンドに下がるように言われているみたいだが、こっちも引こうとはしないでいる。

 まったく、二人とも頑固なんだから……


 しかし、こうなると、余計に加勢に行きたいのだが……

 まいったな~


『おい、セイジ。

 あのブンミーの隣りにいる女は、何者だ?』

『あ、あいつは…… 俺の妹の、アヤです……』

『なんと! お前の妹か!』



 そうこうしている間に、ゴブリンキングとブンミーさんとアヤ達の戦いが始まってしまった。


 キングの戦いに巻き込まれないように、取り巻きのゴブリン達も距離を取っている。

 外側で、取り巻きゴブリンと、人族魔族の兵士や冒険者達が応戦し。

 その内側で、ゴブリンキングと、ブンミーさんとアヤ達が戦っている構図だ。



 俺は、魔王様の一瞬のすきを突いて、アヤの近くに【瞬間移動】し、

 ゴブリンキングに【スロウ】、アヤに【クイック】の魔法を掛けて、

 すぐさま、魔王様のもとに戻った。

 その間、2秒ほど。

 どうやら魔王様には、気が付かれなかったようだ。



 スロウが掛かり、少し遅くなったゴブリンキングは、ロードローラー程の大きさのある、右手に持った巨大な棍棒を、勢い良く振り下ろした!


 ブンミーさんが、それを盾で受け止める。

 大きな地響きとともに、ブンミーさんの足元にクレーターが出来上がり。

 ブンミーさんは顔を歪めて、片膝をついた。


 あぶねー! 死ぬって!


 その隙に、アヤがキングの後ろに回り込んだ。

 また、あの攻撃をするつもりじゃないだろうな!


 キングの後ろに回りこんだアヤは、急所を攻撃しようとして……

 あまりの体格差で、急所に手が届かない……


 アヤ、ぴょんぴょん飛び跳ねても、届かないものは届かないぞ……



 そして、それと時を同じくして、魔法使い部隊の魔法攻撃が、キングの顔面に炸裂する。

 しかし、魔法攻撃もほとんどダメージを与えることが出来ず、一瞬視界を奪っただけだった。


 その直後、キングの顔が苦痛に歪んだ。

 キングの肩に、大きな氷の塊が突き刺さっている。

 おそらくあの氷は、エレナの魔法だろう。


 キングは苦痛で、少しよろめいた。


 そして、そのよろめいた足の膝の裏に……

 アヤのナイフが突き刺さった。


 キングは、自分の足元にアヤがいることに気が付き、後ろ足を蹴りあげて、アヤを攻撃しようとしたが。

 アヤは、素早くその攻撃を避けた。


 キングは、足元のアヤを踏みつぶそうと、やけになってストンピングを繰り返している。



 キングがアヤに気を取られていると―

 今度は、エレナが飛び出してきた。

 ロンドは、エレナの急な動きに唖然としていた。


 エレナは、ブンミーさんに駆け寄り、素早く回復魔法を掛けて傷を治してから、(きびす)を返して、魔法使い部隊の所へ戻ってきた。


『ほう、あの女達、いい動きをしている。

 これが人族の戦い方というものか。

 しかし、人族は女のほうが強いのか?

 戦っているのは女ばかりではないか』


『ソンナコトハ、ナイデスヨー』



 その後も、ブンミーさんと女性達の連携は凄まじく。

 (ロンドは空気だが……)

 ゴブリンキングの体力を徐々に削っていった。


『これなら、このままブンミーに任せていても、勝てるのではないか?』

『そうかもしれませんね』


 魔王様とそんな話をしていると―



 ゴブリンキングは、翻弄されていることに腹を立て。

 地団駄を踏み始めた。


 地団駄と言えど、流石にゴブリンキングの体格だ。

 地震のように大地が揺れ、最前線で戦っている皆が足を取られていた。


 ニヤリ。


 それを見たゴブリンキングは、薄ら笑いを浮かべた。



 ゴブリンキングは、巨大な棍棒を大きく振りかぶり、力を込め始めた。


 それと同時に、俺の【警戒】魔法が、『危険』を知らせてくる。


『ブンミーさん! 危ない! 避けるんだ!!』


 攻撃を受け止めようとしていた、ブンミーさんは、俺の叫び声を聞いて、とっさにゴブリンキングの振り下ろす棍棒を躱した。



 まるで、直下型地震が発生したかのようだった。


 ブンミーさんは、ゴブリンキングの渾身の振り下ろし攻撃を避けたが、

 地面に衝突したその攻撃で、地震が発生していた。



 離れた位置で戦っていた、取り巻きのゴブリンも人族も魔族も、全てがその揺れに耐えられず。戦闘を止めてその場に座り込んでしまっている。



 そんな中、ネコミミ魔法使いのカサンドラさんが、急な揺れに足を取られ、転んでしまった。


 俺の【警戒】魔法が、もう一度『危険』を知らせてくる。

 とっさに【瞬間移動】でカサンドラさんのもとへ飛んだが―


 次の瞬間、俺とカサンドラさんの目の前に、大きな岩が迫ってきていた。


 ゴブリンキングが、足元の大岩を―

 転んでしまったカサンドラさん目掛けて、投げつけてきていたのだ!



 もう、間に合わない!


 俺は、とっさにバリアを張って、ミスリルソードを構えて防御の体勢を取った。



 しかし、岩は、バリアに届くことはなかった。



 バリアの前に、大岩を受け止めたブンミーさんが……

 受け止めた大岩と共に、その場に崩れ落ちた。


 倒れたブンミーさんの両腕は、大岩を受け止めた時の衝撃で、変な方向に折れ曲がっていた。



「エレナ! 来てくれ!!」

「はい!」


 俺は、ブンミーさんを治療するエレナを守るように、ゴブリンキングの目の前に、立ちはだかった。



『やれやれ、あれほど手出し無用と言ったではないか。

 まあ、しかし、あれは仕方ないか』


 横を見ると―

 『魔王様』が、ゴブリンキングに向かって―

 真っ黒な『日本刀』を構えていた。


いつもより長くなってしまった。


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[一言] 何のための「瞬間移動」なんだろうねぇ それとバリアって成長しないのかな?
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