116.プリンスの怒り
迎え撃とうと構える俺とアヤに、ゴブリンプリンスが迫り来る。
プリンスの後ろから―
ゴブリンジェネラル、20匹、
ホブゴブリン、200匹、
普通のゴブリン、2000匹が、付き従っていた。
合計2000を超す大部隊だ。
「兄ちゃん、どうすんの!?」
「ん? 怖いのか?
怖いなら、エレナの所に行くか?」
「そんな訳ないでしょ!」
そうこうしている間に、プリンスが目の前に迫ってきた。
プリンスは、足元の小石をよける様な感じで、巨大な剣を、俺に向かって振り下ろした。
ガキィン!
俺のミスリルソードが、プリンスの巨大な剣を受け止めた。
体の小さな人間に、自分の攻撃を受け止められてしまったプリンスは、ビックリして半歩飛び退いた。
『何だこいつ、普通の人間じゃないのか!?』
『失礼なやつだな、俺は普通の人間だぞ』
『しゃ、しゃべったー!!』
俺が、ゴブリン語を話したことで更に驚き、
プリンスは、もう半歩飛び退いた。
後ろから付いてきていたゴブリン集団は、プリンスの態度に警戒心を高め、俺達と少し距離を取りながら、取り囲んできた。
「兄ちゃん、さっきから、
なんでゴブリンの鳴き真似をしてるの?」
「鳴き真似じゃないよ。
ゴブリン語で、プリンスと会話してたんだよ」
「え!? ゴブリンって言葉を喋るの?」
「そうだよ、知らなかったのか?」
『お前、言葉が話せるくせに、なぜ人間の鳴き真似などをしているのだ!』
『鳴き真似じゃないよ!
人間の言葉で会話してるんだよ!!』
『なんだと、人間のその鳴き声は、言葉なのか!!?』
まったく、両方とも‥‥
『者共、この人間は俺に任せ先にいけ!』
プリンスが指示を出すと、ゴブリン集団は俺達を避け、ナカ平原を目指して進軍を再開した。
しかしプリンス、さっきのセリフは死亡フラグだぞ。
「兄ちゃん、流石にあの数はマズくない?」
「あれくらい、何とかしてもらわないと困る」
『さて、邪魔者は消えた。
正々堂々一騎打ちと行こうじゃないか』
「アヤ、こいつ一騎打ちがしたいんだって。
アヤが一騎打ちするか?」
「私が!? 大丈夫かな?」
「まあ、いざとなったら助けるから」
「うん、わかった」
俺が後ろに下がり、アヤが一歩前に出ると―
『なんだと! そのメスが戦うのか!?
我もナメられたものだな』
プリンスは、怒りに任せて、アヤに剣を振り下ろした。
アヤは、【突風】魔法でその攻撃を避けると、素早くプリンスの後ろに回り込んだ。
攻撃を避けたアヤの体は、プリンスの余りにも大きい剣の影に隠れてしまい、
プリンスは、アヤを一瞬見失ってしまった。
『アーー!!』
行き成り、プリンスが悲鳴をあげた。
アヤ、一体何をしたんだ?
プリンスが後ろを振り向くと―
ケツから血が出ていた……
アヤ、どこを攻撃してるんだ……
「うげえ、変な所を攻撃しちゃった」
アヤは、俺の所に戻ってきて、【水の魔法】でナイフを洗っている。
『おのれ! おのれ! 良くもこんな辱めを!!
生きて帰れると思うなよ!!!』
プリンスは、ケツを押さえながら怒り狂っていた。
「ほら、アヤ、生きて帰さないって言ってるぞ」
「兄ちゃん、後でこのナイフ洗ってくれる?」
「洗ってやるから、ちゃんと戦えよ」
「わかった」
怒りに任せて大振りで攻撃するプリンス。
当然、アヤにそんな攻撃が当たるわけもなく、
攻撃を躱されては、バックを取られ、
ケツに更なる追撃を食らっていく。
『ギヤーーー!!!』
プリンスは、とうとう穴が3つになってしまった。
縦に3つではなく、横に3つだが……
足がフラフラになり、もう立っているのもやっとと言う感じだ。
「ほら、遊んでないで、ちゃんとトドメを刺せよ!」
「だって、お尻以外は、鎧が邪魔で攻撃する場所が無いんだもん」
プリンスは、四つん這いの格好で、ケツを押さえたまま、動けなくなってしまっていた。
かわいそうに……
『くっ、殺せ!』
プリンスは、死を覚悟していた。
「殺せってさ」
「えー、やだよ、兄ちゃん殺ってよ」
「俺もやだよ」
「じゃあ、どうするの?」
「このまま帰るか」
「うん、そうしよう」
『と言うことで、俺達は帰る』
『ま、待て。このまま行くつもりか!!』
泣き叫ぶゴブリンプリンスを背に、俺とアヤはナカ平原へ向かった。
書いているうちに変な話になってしまった。
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