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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
戦争解決編
122/438

113.魔王軍と冒険者軍団

 冒険者軍団は、東に向かって移動していた。


 しばらくして後ろのほうから、魔法の炸裂したり、武器同士がぶつかったりする、戦いの音が聞こえてきた。


「レイチェルさん!

 後ろから戦ってる音が聞こえます」

「ああ、魔王軍とゴブリンが戦ってるのか?」

「多分そうだと思います」


「そうか、あたい達にとって両方とも敵だが。

 彼らもまた、敵同士なのか……」

「そうみたいです」


 これで、魔王軍とゴブリン軍が裏で手を組んで無いことが分かったな。

 手を組んでいたら、かなりヤバかったんだが……


 しかし、魔王軍って、どんな奴等なんだろう?



「じゃあ、魔王軍の動きを注意しつつ、

 ゴブリン討伐を再開させるか!」

「はい! それじゃあ、

 俺が、魔王軍の偵察に行って来ますよ」

「お前が、偵察に行くのか?」

「任せて下さい」

「分かった、行って来い」


 さーて、魔族ってどんなやつらなんだろうな~

 俺は、期待に胸を膨らませて、偵察任務に出発した。


~~~~~~~~~~


 俺は、魔王軍とゴブリンが戦っている現場が見える位置まで、やって来た。


 魔族の姿は―

 普通の人間だった……


 違うところがあるとすれば、それは、

 おでこに、小さめの角が付いているくらいだ。

 ユニコーンの角を短くした感じだ。


 戦いを見てみると、全員魔法が使えるようで、

 身体能力的にも、人族より強いみたいだ。



「○△◇×……!!」


 ん? 魔族の一人が、俺に気づいたらしく、何かしゃべっている。魔族の言葉だろうか?

 俺はさっそく【言語習得】を使ってみた。


┌─<言語習得>─

│【魔族語】を習得します

│ 習得レベルを選択して下さい

│・レベル1(消費MP:50)

│  片言で話が出来る

│・レベル2(消費MP:100)

│  日常会話程度は話ができる

│・レベル3(消費MP:200)

│  スラスラと会話ができ

│  簡単な文字のみ読める

│・レベル4(消費MP:500)

│  スラスラと会話ができ

│  日常使う文字が読み書き出来る

│・レベル5(消費MP:1000)

│  全ての言葉を使って会話ができ

│  全ての文字が読み書きできる

└─────────


 やった! 魔族語だ!

 俺は、MPを1000消費して、レベル5【魔族語】を習得した。


『隠れている人族は、どうやら偵察らしい』

『襲ってこないなら放っておけ』

『了解しました』


 俺のことを話しているらしい。

 ここはいっちょ、魔族語で話しかけてみるか。



『俺は、人族の冒険者だ。助けはいるか?』

『なに!? 言葉が喋れるのか!?』

『ええ、喋れますよ』


『それなら話が早い、色々質問に答えろ』

『はい、なんですか?』


『少し前に、この辺りでゴブリンと戦っていたのは、お前の仲間か?』

『はい、今はもうちょっと東のほうに移動しています』


『このゴブリン達はなんだ、なぜこんな所に沢山のゴブリンがいる? 何か知っているか?』

『ゴブリンキングが、こちらの方向に移動しています。

 こいつらはその取り巻きです』


『ゴブリンキングだと!!?』


 魔族たちは、ゴブリンキングの名前を聞いて、驚き戸惑っている。


『もう一つ聞きたいことがある』

『はい、なんでしょう』


『人族が兵を集めていたのは、魔族に戦争を仕掛けるためではなく、ゴブリンキングの討伐の為だったのか?』


『ソ、ソウナンジャ、ナイカナ~』(すっとぼけ)


『そ、そうか……』



 魔族部隊のリーダーっぽい人が指示をだし、数名が魔族軍の本陣に伝言を伝えに行った。


~~~~~~~~~~


 俺は偵察を終え、レイチェルさんの所へ帰ってきた。


「ただいま戻りました」

「どうだった?」


「魔王軍と話をつけてきました」

「話をつけただと!?」

「ええ、

 魔王軍が、ゴブリン討伐に協力してくれるそうです」

「マ、マジかよ!」

「マジです」


 レイチェルさんは、戸惑っていたが。

 真剣な眼差しでレイチェルさんを見つめると、

 レイチェルさんは、俺のことを信用してくれた。



「おまえら、よく聞け!

 魔王軍が、ゴブリン討伐に協力してくれるそうだ」


「「ええええーーーー!!!」」


「いいか、魔王軍は敵じゃない!

 遭遇しても、絶対に攻撃を仕掛けたりするんじゃないぞ! いいな!!」


 冒険者達は、ざわざわしているばかりだった。


「おまえら、わかったら返事をしろ!!」

「「お、おう!」」



 レイチェルさんに、無理やり返事をさせられた冒険者軍団は、再びゴブリン討伐を再開させた。


 魔王軍の参戦によって、ゴブリンの戦力が分散されたのか。

 こちらに来るゴブリンの数が減り、簡単に蹴散らすことが出来るようになっていた。


「楽勝だな。こちらから攻めに行くか」

「「おう!」」


 レイチェルさん率いる冒険者軍団は、押せ押せムードで進撃を続けていた。

 そろそろ、魔王軍と鉢合わせするけど……

 大丈夫かな?



 冒険者軍団が、逃げる数匹のゴブリンを追って森を進んでいると―

 急に森が開け、見通しのいい場所に出た。


 すると―

 冒険者達が一斉に左を向いて、凍りついた。



 冒険者達が開けた場所に飛び出した丁度同じタイミングで

 魔王軍もそこへ飛び出してきたのだ。


 よく見ると魔王軍の方も、こちらを見て凍りついていた。



 両軍が凍りつき、沈黙が流れた……



 俺は、一人で魔王軍の方に歩み寄り、手を上げた。


 すると、向こうのリーダーさんもこちらに歩いてきた。


『どうも』

『さっきの冒険者か、本当にこちらに攻撃をしてこないのだろうな?』

『はい』

『そ、そうか』


 俺と魔族のリーダーとの遣り取りを、両軍とも固唾を呑んで見守っていた。



『握手をしませんか?』

『わかった』


 俺と魔族のリーダーは、手を握り合った。

 そして、おれは、その握り合った手を、高々と掲げた。


「「おおーー!!」」

『『おおーー!!』』


 両軍から歓声が上がる!


『協力してゴブリンを倒しましょう』

『おう、よろしく頼むぞ』



 魔王軍、冒険者軍団。

 2つの種族を超えた集団が、一つの目的のために、手に手を取り合った―


 歴史的瞬間であった。


ここまで来て、やっと魔族が登場です。


ご感想お待ちしております。

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