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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
戦争解決編
113/438

104.リルラのイケブ防衛

 町の人々に見送られて着いた先は、街の北側の出入口前の広場。

 兵士100人、冒険者50人が集まっていた。


 全員バッチリ気合が入っている。

 ゴブリン達が何時来るかを、事前に知らされていた事で、心構えが出来たのだろう。


 全員、街の外へ移動して、出入口を守るような陣形を取った。

 陣形は△の形になっていて。

 最前列をリルラ、俺、エレナ。

 その後ろを、リルラが率いる100人の兵士たち。

 その左右を冒険者達。

 中心部分は、魔法使いや弓兵、それと回復魔法師たち。


 兵士や冒険者達は、自ら最前線に立つリルラの、堂々とした背中を見つめて、奮起している。


 しかし、俺とエレナは、リルラの泣きそうな横顔を、すぐ横から見ていた。



 エレナとは事前に話し合っていたのだが、今回はリルラと兵士たちに、花を持たせる事にしていた。



 しばらくすると、遠くに見える森から、ゴブリン達がわらわらと出てきた。

 リルラは体をビクッとさせ、心配そうに横にいる俺を見つめてきたが。

 俺が大丈夫だと頷いてみせると、リルラも頷き、気合を入れなおして、正面を向き直した。


 弓と魔法の射程に入ったのをマップで確認し、リルラに耳打ちする。


「弓兵部隊! 魔法使い部隊! 撃ち方始め!!」


 リルラの号令で、弓兵と魔法使いが、攻撃を開始する。


 相手は普通のゴブリンなので、それだけでどんどん倒せている。

 しかし、それでも撃ち漏らしもあり、ゴブリンとの距離も、徐々に近づいてくる。


 そろそろ、ゴブリンの先頭集団が、リルラの所に到達しそうだ。


 俺は【クイック】を、リルラや兵士たち1人ずつに、掛けていった。


「セイジよ、ゴブリンの動きが急に遅くなった気がするのだが、どうしてだろう?」

「戦いの高揚感が、そうさせるらしいぞ」

「なるほど、そういうことか」


 リルラは、ゴブリンの動きの遅さに、すっかり自信を取り戻し。

 とうとうリルラの所にまで到達したゴブリンを、自慢の細剣で一刀両断にした。



 何匹かのゴブリンが、兵士たちを避けて、横に回り込んで来たが。

 そいつらは冒険者たちによって、片付けられていた。


 ゴブリンの死体が、戦いの邪魔になって来たので、手の空いているものに運ばせて、ゴブリンの山が出来つつあった。


 しばらく、間断なくゴブリンと戦っていると。

 ホブゴブリンが登場し始める。


 しかし、俺の【スロウ】と、エレナの【水の魔法】で動きを弱らせたおかげで、リルラや兵士たちが、次々と倒していく。


 数名ほど、怪我人が出ているが、後方で回復魔法師に治療してもらい、すぐさま前線に復帰出来ていた。


 思った以上に善戦している様子で、兵士たちの士気も高い。

 それに、疲れるどころか、逆に全体的に動きが良くなってきている。

 もしかして、俺の【スキル習得度上昇】の効果で、部隊全体的に、スキルも上昇しているのかもしれない。


 楽勝ムードで、部隊全体が調子づいて来ていた時。



「グオー!」


 森から、巨大なゴブリンが姿を表した。

 プリンスではない、しかし、ホブゴブリンよりデカい。しかも鎧で身を固めている。


 【鑑定】してみると、『ゴブリンジェネラル』と出た。

 そんなのも居るのか。


 ジェネラルは、一直線にリルラに向かってくる。

 リルラも、真っ向から迎え撃つ気だ。


 ちょっとヤバそうなので、【魔力強化】からの【スロウ】で、強めのスロウを掛け。


 ジェネラルの初撃がリルラを襲う。

 俺は、リルラが構えている盾と同じ場所に【バリア】を張って、ジェネラルの攻撃を軽減させる。


ドオオン!


 ジェネラルの強烈な一撃を、リルラが自慢の『ミスリルの盾』で受け止めた。

 しかし、リルラは、少し(つら)そうな顔をしている。

 軽減させたとはいえ、ジェネラルの攻撃を受け止めたことで、少しダメージを食らったのだろう。


 俺はミスリル剣で、素早くジェネラルの足を攻撃し、更に動きを鈍らせる。

 エレナは、リルラの受けたダメージを、素早く回復していた。


 ジェネラルは2撃目を叩き込もうと、剣を振り上げるが。

 その瞬間を狙いすまして、リルラの細剣がジェネラルの右肩を貫いた。


 ジェネラルは肩を攻撃されても、そのまま攻撃を振り下ろす。

 しかし、足の踏ん張りも効かず、肩もやられて力がこもらず、ひょろひょろとした2撃目になってしまっている。


スパン!


 リルラはそんな攻撃を、盾で弾き飛ばした。


 攻撃を弾き飛ばされたジェネラルは、バランスを崩している。

 一瞬無防備となったジェネラルは、リルラの細剣で、鎧の上から胸や腹を滅多突きにされ。

 そのまま後ろ向きにぶっ倒れた。


 鎧を貫通するとか、すごい攻撃だな。


「「うおー!」」


 ジェネラルを倒した事で、部隊の士気がさらに高まった。


 勢いづいた兵士たちは、破竹の勢いで、ゴブリンたちを倒し尽くしてしまった。



「「やったぞー!!」」


 ゴブリンの勢いが止まったことで、勝利に沸く兵士と冒険者達。


 俺はリルラに耳打ちをして。

 リルラは、大声で叫ぶ。


「新手が来るぞ! 気を引き締めなおせ!!」


 兵士と冒険者達は、一瞬で静まり返り、森のほうを注視する。



ドドドド。


 地響きとともに、森が揺れ。

 新たなゴブリンの軍勢が、森から湧き出してきた。


 しかも、今度の集団は、ホブゴブリンが多く、ゴブリンジェネラルも10匹ほど混じっている。


 それを見た兵士や冒険者たちは、少しおじけづいていたが。


「うおぉー!!」


 テンション爆上げ中のリルラが、雄叫びを上げると。

 兵士と冒険者たちも、表情を引き締めて、応戦の構えをとった。



 しかし、流石にこの量は捌き切れない。


「エレナ、いっちょ頼む」

「はい、セイジ様」


「【魔力強化】【(ひょう)】!」


 エレナの氷系範囲攻撃が炸裂し、ホブゴブリンのほとんどが凍りづけになった。


 しかし、ゴブリンジェネラルは、氷漬けのホブゴブリンを破壊しつつ、前進を止めていない。


 ジェネラル達は―

 リルラに2匹、兵士たちに6匹、左右の冒険者達にそれぞれ1匹ずつ、別れて突撃してくる。


「【スロウ】【スロウ】【スロウ】……!」


 全てのジェネラルに【スロウ】を掛け。

 【クイック】が切れてしまった人たち全員に、もう一度【クイック】をかけ直していく。

 MPキツイ!



 弓兵と魔法使いチームも、10匹のジェネラルに攻撃を加え、少しながらもダメージを与えている。


 10匹のジェネラルと各場所で、激しいぶつかり合いが開始された。


 激しいぶつかり合いを物語るように、ジェネラルとの戦いで、何人か怪我人も出てきている。


「エレナ、怪我人を頼む」

「はい!」


 エレナを後ろに下がらせ、回復魔法師の支援に行かせる。



 俺は、リルラに襲ってきた2匹のうちの1匹を、ミスリルソードで真っ二つにした。


 リルラは1対1で何とか持ちこたえている。

 リルラは、スキルレベルが上がって、急に強くなっているみたいだ。


 リルラは大丈夫そうなので、支援を後まわしにして。

 ジェネラルに押され気味の所を優先して、俺の【ウォータージェット】で攻撃し、支援をしていく。



 一番外側で戦っていた冒険者達が、真っ先にジェネラルを倒し。

 手の空いた者達が、左右から兵士たちの支援を開始した。


 怪我人は出ているものの、エレナがどんどん治しているので、問題は無さそうだ。


 兵士たちの方は、あらかたケリが突きそうなので、俺はリルラの支援に戻る事にした。



 ジェネラルは、リルラを攻撃しようとしていたのだが。

 俺のミスリルソードが、ジェネラルの右手を、スッパリと切断すると。

 その隙に、リルラの細剣が、ジェネラルの()を貫いた。


 喉を貫かれたジェネラルは、体をヒクヒクと痙攣させ。膝から崩れ落ちた。



 10匹のジェネラルは、全て倒した。


 そして、その直後だった。


 喜ぶ暇も、息をつく暇もなく―


 そいつ(・・・)は、登場した!


最近戦ってばかりで、はやく日本の話も書きたいな。


ご感想お待ちしております。

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