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時空魔法で異世界と地球を行ったり来たり  作者: かつ
戦争解決編
110/438

101.スガ防衛戦2

 俺と、大中小3匹の大虎猫は睨み合い。


 プリンスは、それを横から鑑賞していた。


 その余裕ぶっこいた態度が、気に入らなかった。

 まあ、雷の魔法を連発すれば余裕なのだが、あまりプリンスの前で連発するのも問題だ。


 何故かと言うと、さっきから何処からか、プリンス以外の『視線』を感じるのだ。


 マップ上で確認できないので、見られているとすれば、近くから見ているわけでは無さそうだ。

 【情報魔法】レベル4の【追跡】か、もしくは俺の知らない魔法の可能性もある。



 なので、俺は【水の魔法】を使うことにした。


 俺はインベントリから、瓶を3つ取り出し、蓋を開けた。

 中身の液体を【水の魔法】で操り、球を作る。


 大虎猫(小)と(中)が左右に回りこみ。

 大虎猫(大)が、どしどしと真っ直ぐ突進してきた。


 俺は作り出した『球』と一緒に(大)の方に走り、「ガオン」と大口を開けた所に『球』を放り込んだ。

 驚き戸惑っている大虎猫(大)の頭を、馬跳びで飛び越えると同時に、開いた大口を無理やり閉じさした。


 大虎猫(大)は、口の中に液体を流し込まれ、「ガホン、ガホン」っと変な声で咳き込んでいたが。急にフラフラと体が揺れ始めたかと思うと、横倒しにぶっ倒れてしまった。

 心配そうに駆け寄る(小)と(中)、プリンスも驚いた表情をしている。


 大虎猫(大)は、(小)と(中)に見守られながら、ゆっくりと立ち上がった。しかし、フラフラと足元がおぼつかない。


 そう、俺が大虎猫(大)の口の中に放り込んだのは、酒だ。しかも度数96、世界最高度数の例の酒。

 いつかエリクサーを作るときのために買っておいたのだが、直ぐに必要になるわけでもないし、後でまた買えばいいし。


 大虎猫(大)は、フラフラして(小)や(中)にぶつかり、そのたびに支えてもらっている。完全に千鳥足だ。

 様子を見ていると、こんどは(小)や(中)に絡み始めた。

 (小)や(中)が一所懸命にあやそうとしていたのだが。

 大虎猫(大)が、大虎猫(中)のしっぽを踏みつけてしまい。とうとう喧嘩が始まってしまった。

 (小)は喧嘩する二匹の周りをウロウロするばかり。


『頼みの綱のペットたちは、このとおりだぞ。どうする?』

『役に立たんペットたちだ』


 プリンスはそう言うと、大虎猫にノシノシ近づいていき、お腰につけた巨大な棍棒を一振り。


 喧嘩していた大虎猫(大)と大虎猫(中)は、プリンスの一撃で、潰れてしまった。

 大虎猫(小)は、突然のことにビビって、森のなかに逃げていってしまった。


 なんて事をしやがる! ペット虐待は重罪だぞ!


『余興はここまでだ。お前も直ぐにペチャンコにしてやる』

『出来るもんなら、やってみやがれ!』


 周囲で木々が燃える森の中に、俺とプリンスだけとなり。とうとう一騎打ちが始まった。


~~~~~~~~~~


 プリンスとの睨み合いが続く中。

 俺はエレナの様子を確認してみた。


 エレナは、街の冒険者達が守る、街の入口付近まで下がり、彼らと共に戦っている様子が映っている。

 MPが残り少ないらしく、魔法を使わずに、【魔力のロッド】で敵を殴り飛ばしていた。


 しかし、マップで確認してみた所、雑魚はそろそろ壊滅できそうな位に減ってきている。

 安心して、プリンスとの一騎打ちに、臨めるというものだ。


~~~~~~~~~~


 業を煮やしたプリンスは、巨大な棍棒を構えて、襲いかかってきた。

 しかし、巨大な武器なだけあって、スピードは遅い。

 さっと、横に移動して避けると。巨大棍棒が地面に直撃して、地面が揺れた。


おっと。


 地面の揺れで足を取られた俺は―

 次の瞬間、真横に吹き飛ばされた!


 直前でバリアを張って威力を殺し、摸造刀でガードしていたので、ダメージ的にはそれほどでもない。


 しかし、あの、地面を揺らす攻撃は厄介だ。

 あれに、足を取られると、タイミングが遅れてしまう。


『どうした、手も足も出ないか?』


 奴は、また同じ攻撃を仕掛けてきた。


 俺は同じように横によけて、地面が揺れる瞬間に、ジャンプをした。


『バカめ!』


 奴は1撃目を途中で止めて、レの字の様な軌道で、空中にいる俺に向かって、2撃目を繰り出してくる。

 【瞬間移動】でよければ早いのだが、あえて【風の魔法】の突風を使って、攻撃を上に避け。そのまま、無防備な頭に向かって摸造刀を振り下ろした。


ガンッ!


 乾いた音がして、プリンスの頭にかぶっていた兜が、真っ二つに割れた。


『なに!?』


 俺は、その勢いに乗って、プリンスの鎧も同じように破壊していった。


『おのれ! 変な動きをしやがって!』


 そして、(あらわ)になったプリンスの体目掛けて、摸造刀を斬りつけた。


 ……のだが。

 摸造刀は、プリンスの肉体を1cm程傷つけた状態で、止まってしまった。


『何だその攻撃は、そんな攻撃では、俺様の肉体は傷つかんぞ!』


 プリンスは勝ち誇ったように、高笑いをしている。


 参ったな、攻撃が通らないのでは、魔法で攻撃するしか無い。魔法はあまり見せたくないんだよな。


 俺は、摸造刀をしまって、代わりに日本製の【ナイフ】を取り出した。


『何だその小さな武器は』


 プリンスの失笑は、直ぐに消えてなくなった。


 刺さる刺さる。

 俺は、プリンスの棍棒をかいくぐりながら接近し、プリンスの体をブスブスと刺しまくった。


『痛え! 何故そんな武器で俺の体を刺せる!!』


 このまま、ブスブス刺していけば倒せる。

 そう思った矢先―


 プリンスは、ナイフが刺さった瞬間、その場所の筋肉に力を入れ、ナイフが抜けないようにした。

 俺が、ナイフを抜くのに一瞬戸惑った。そこを狙いすましてプリンスの棍棒が、振り下ろされた。


 とっさに、【雷撃拳】を叩き込み。プリンスをしびれさせて攻撃を止め、急いでナイフを抜いた。


 危なかった。



 それからは、一方的な展開になった。


 プリンスは、出血と痛みで、攻撃の切れが徐々に無くなり。簡単に懐に入り込むことが出来るようになり。

 刺した直後を狙った攻撃も、【雷撃拳】でしびれさせ。

 【ナイフ】を抜くときも、そのまま抜くのではなく、グリグリ回転させ、傷口を広げてから抜いた。


 だいぶ【ナイフ】の扱いにも慣れて来て。刺すだけではなく、斬りつける事もできるようになっていった。



 しばらくそんなことを続けていると―

 プリンスは全身血だらけになって、とうとう膝をついた。


『おのれ、おのれ……』


 そう言い残すと、そのままプリンスは、うつ伏せに倒れて動かなくなった。


 俺は、とどめにプリンスの首を落とし。インベントリにしまった所で―


 ずっと感じていた『視線』が、やっと消えた。



『レベルが35に上がりました。

 【短剣術】を取得しました。

 【短剣術】がレベル4になりました』


 レベル差があっただけあって、一気に上がったな。


 しかし、得意な魔法を隠しながらの戦闘が、ここまで疲れるものだったとは……



 マップを確認すると、エレナ達の活躍により、魔物はほぼ倒され尽くしていた。


 俺は、やっと一息ついて。

 エレナのもとへ戻った。


感想で頂いていた幾つかの案を混ぜ込んでみました。


ご感想お待ちしております。

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